ロンドン留学物語<3>〜都市伝説とシェアハウス、そして日本女性がモテるというのは本当か?〜

前話: ロンドン留学物語<2>〜911、そして日本から遠く離れて感じた孤独と恐怖の体験〜

Sとの出会い

彼のことをひと目見たとき、「あ、私この人と付き合うんだ」と思った。まだ名前も知らなかったのに。

彼は私より半年くらい先にロンドンに来ていた、日本人のS。

学校に行き始めてすぐ、入り口で座っていると「日本人ですか?」と話しかけて来てくれた。彼がゆっくりとこちらに歩いて来るのを見て、私はふと悟ったのだ。

「この人とつきあう」という、懐かしいような、もう知っているという感覚。

映画『バタフライ・エフェクト』のような世界。

付き合うことを知りながら「はじめまして」というのは、なんだか不思議な感覚だった。私には、たまにこういうことがある。説明つかないんだけど「もう知っている」というかんじ。

レベル4クラスにいたSは、3つ年下の、背の高い温厚な青年だった。

学校には、英語のクラスだけでなく、美容師の資格が取れるクラスや、アートのクラスもあった(キャロルはこのアートクラスに通っていた)。

私は英語のクラスだけだったけど、資格の取れる旅行業者になるためのクラスにSは通っていた。

私達はすぐに打ち解け、付き合うことになった。自然なかんじだった。






リンの都市伝説

ロンドンに来て3ヶ月後。

私はキャロルの家を出ることにした。Sと、中国人2人とフランス人の5人で一軒家を借りて住むことにしたからだ。※私が家を出る前にキャロルの家でこの世ならざる者に会った話はこちら



そのうちの1人、中国人の女の子リンは、クラスの中心的存在だった。

すごく個性的で、何より押しが強かった。誰にでも話しかけ、英語もぺらぺらだった。

なぜぺらぺらなのにレベル2のクラスにいるのかと思うかもしれないが、レベル2のレベルで、ぺらぺらだったからだ。意味がわかってもらえるだろうか?

知ってる語彙は同じくらいなのに、例えば私なんかはぱっと単語が出て来なかったし、文と文を繋いで長く話し続けることもとても苦手だった。彼女には、それが出来た。間違えようが、気にしない、とにかく文と文を繋げて、長く話すのだ。だから、ぺらぺらに聞こえる。

そして、それは実はレベルをあげるためには、とても重要だった。

学校で進級テストを受けるとき、先生に「間違ってもいいから、とにかく沈黙せず話し続けること」とよく言われたものだ。

リンは、ショートヘアで背が小さく、理知的な顔立ちをしていた。将来はジャーナリストになりたいといい、とても勉強熱心だった。度肝を抜かれたのは、単語を覚えるのに、ものすごい分厚い「辞書」の「A〜」から順に全部覚えるという学習法。斬新極まりない。

ただ内面は、大阪のおばちゃんのようなかんじ。誰にでも、初対面でも気さくに話しかけ、とにかくすぐ友達になってしまう特技を持っていた。私達日本人3人ともすぐ仲良くなり、よく一緒に食堂でランチを食べた。そして彼女は毎日、新しい友達を連れてきた。

あるときものすごいイケメンのチリ人の若い男の子を連れて来て、私達に紹介してくれた。

リン
ハロー、この子、ルーカスね!ルーカス、シャイなのよね!!今日から友達だから!!ま、ここすわんなさいよ!!がはは!

驚くべきことに、ルーカスはレベル1の生徒で、一切英語が喋れなかった。一言も。

その彫刻のような美しい容姿に微笑みをたたえたまま、じっと食堂のテーブルに座っていた。

いったいどうやって友達になったんだろう・・・もはや都市伝説である。

そんなリンは、今度はあっという間に彼氏を作った。

レベル4のフランス人、オリバーである。

「アロー」と、オリバー。これもまたある日突然食堂で紹介された。

オリバーは背が高く、栗色の髪と目を持っていた。性格は少し内気で、まだ子供っぽさが残っていた。2人ともハタチ前後だったと思うが、リンの方が断然お姉さんというかんじ。

しかし電光石火だ。いったいいつ、どうやって落としたんだろうか・・・オリバーはすっかりリンの虜になっていた。リンの行く所行く所、必ずオリバーは現れ、クラスが違うのでリンが終わるのをいつも待っていた。リンは気が強いので、ちょっときついことを言われると、オリバーはいつもしょんぼりしていた。

ところで私がロンドンで出会った中国人女性は、皆総じて気が強かった。

ある、長年付き合ってる美男美女の中国人カップルが喧嘩した時、女性の方が男性の顔にツバを吐きかけて、ぎょっとした。そしてそれに対して、男性は激昂したりはしなかった。どうなっているんだろう???と思ってしまった。日本だったら、まぁまず女性がツバを吐くこと自体なかなかないだろうけど、もしされた場合、男性は当然激昂するだろうなぁ。国が違えば考えも違うものだと思った。

一緒に暮らすことになったのは、このリン&オリバーカップルと、もう一人中国人男性のウォーレン。ウォーレンは、とても優しい、いつでもニコニコ笑っている青年だった。彼も私より3つくらい下だったと思うけど、実際このロンドン留学中で、私が(友人として)好きだった人物ベスト3に入るくらい、良い人であり、大人だった。

私は密かに彼のことを「社長」と呼んでいた。(なんだか容姿が社長っぽい人って、たまにいません?)いや、実際「社長っぽいよね」と本人に言ったこともある。「そお〜?そおかな〜?がはは」と笑ってたけど、実際彼は社長の息子で、会社を将来継ぐために英語を勉強しに来ていた。(基本的にロンドンに来ている中国人は、家庭が裕福で将来のために英語を身につけさせようと親が送り込んでいることが多く、皆勉強熱心で、いいところのお嬢さん&お坊ちゃんであることが多い)

そして5人で家探しをし、一軒家を契約したのである。



シェアハウス

近頃日本でも流行りですね、シェアハウス。

プライバシーはあまりないけど、異国の地、期間限定と考えると、大勢でわいわい暮らすのは楽しかった。私はひとりっ子なので、大勢で暮らすのは初めてだし、友達と暮らすっていうのも初めてで、何もかも新鮮だった。

家は2階建で、2階の2部屋をそれぞれ私とS、リンとオリバーでシェア。1階の1部屋をウォーレンが広々使っていた。

朝は5人が朝ごはんを作るのでキッチンは大忙し。ウォーレンもリンも朝ごはんはヌードルで、私もそれに感化されてヌードルなことが多かった。夜はお互いの国の料理を作って皆で食べたり、友達を招いたりした。私も日本代表として、肉じゃがやカルボナーラ(日本料理?笑)を作ってもてなした。

ウォーレンは料理が上手で、何でも一人で出来た。中国では、お金持ちの家の子でも、何でも一人で出来るように躾けるのかな?みんな20歳そこそこなのに、きちんと自立していて、それぞれいる場所でしっかり一人で根を張って生きていて、たくましかった。日本の若者にはあまりないもの。さすが華僑のお国柄といったところか。

週末はたびたび、クラスの友達を招いてパーティを開いた。

私は20代の頃はクラブが大好きで、日本でもよく行っていたし、ロンドンでも何度か都心の有名クラブに遊びに行った。週末はハウスを大音量でかけて、フランス、スペイン、中国、日本、チリ、色んな国の友達と朝まで飲んで踊り明かした。楽しかったなぁ!

ちなみにロンドンのクラブは面白かった。日本のクラブはわりとみんな「揺れてる」だけで、本気で踊りに来ている人はあまりいない。踊るのが好きだった私は若干物足りなさを感じていたんだけど、ロンドンは違う!みんな本気で好きに踊る踊る。きっと、「まわりの目を気にしてたら楽しめないでしょ!」っていう気持ちなんだと思う。だから、私はロンドンのクラブは大好きだった。

日本でのシェアハウスがどんなかんじか、私にはわからないけど、これから世界のどこかに住んでみたいと思っている方は、シェアハウスしてみると面白いと思います。国籍関係なく仲間と一体になるかんじや、各国の文化や料理を日々の生活の中で体験していくというのは、各個人にとってかけがえのない体験になるのではないでしょうか。

若い時に色々な文化の違いを知り、世の中の多様性を認識することで、それからの人生に柔軟性が生まれます。アメリカや欧州で生まれた子どもたちは、それを「当たり前のこと」として成長しますが、同一民族の島国である日本で生まれ育った私達は「違うもの」に対しての耐性がありません。私達の親の年代の場合それも仕方がありませんが、若い人たちにこそ、世界を体験し、世の中の多様性を受け入れ、柔軟に広い世界で生きて行って頂きたいなぁと思います。

日本人女性がモテるというのは本当か?

これはある程度本当だと思います。

私はロンドンにいる1年の間に5カ国の方に求愛されました。史上最大のモテ期到来です(笑)。

「アジア人」としてのエキゾチックな外見、というのもあるかと思いますが、日本女性の柔らかく温厚なかんじというのはどこへ行っても愛される要素ではないでしょうか。

欧米の女性は自分の意見をはっきり持っているので、ときには押しが強すぎて男性を疲れさせてしまうこともあるのでしょう。ただ、なんでもニコニコYesちゃんであることが良いわけではありません。私は、バランスが大切だと思います。これは、世界のどこにいても同じことだと思いますが。

自分を見失わず、自分の意見(芯)を持ち、それでいて他者に優しく思いやりを持って接することが出来るというのが、元来の日本女性の良さではないでしょうか。

しかし、自分を見失って残念なことになってしまっている日本女性が外国に多いのも事実です。

私がロンドンに行っているとき、日本でサッカーのワールドカップが開かれていました。サッカーファンだったので、せっかくの自国開催のときに日本にいれなくてとても残念だったのですが、日本戦のときは地元のパブに観戦に行きました。ちなみに、パブではおつまみが大量に更に盛られていたのですが、なんだったと思いますか?なんと、カニカマが大量に盛られていました(笑)。懐かしい日本の味(?)を久しぶりに堪能しました♪

ある試合のとき、席に座ると、横に日本人らしき女性が座っていたので、おや?と思い、話しかけてみました。

日本人の方ですか?見かけないですね?◯◯校(私の行ってる学校)の生徒ですか?
日本女性
こんにちは〜♪私も一応、◯◯校の生徒だよ〜。全然学校行ってないけど。キャハ!
学校始まって4ヶ月くらい経ちますが、一度も見かけたことないですよね。通わないでビザは大丈夫なんですか???てゆうか普段何してるんですか???
日本女性
え〜?普段〜?イギリス人と合コンかな☆キャハ!
ご、合コン?!え、学校通わずに合コン?!(混乱中)
日本女性
ウン、学校はビザのためにお金払ってるだけってかんじ。毎週イギリス人と合コンしてるよ♡


・・・みたいな。えええええ〜〜〜〜〜〜〜っっっっっ!?orz

まさかのヤマトナデシコがいました。正直、こういう人がいるから「イエローキャブ」とか呼ばれるんだよなぁ、日本人・・・と内心思いました。なんていうか、悔しかったです。そういうのはもちろん彼女の勝手なのですが、お陰様で外国人からは「日本人てあれだよね」って言われることも多いんです。いちいち否定も出来ず、あながち間違ってもいないし、でも自分は断じて違う!と声高に言っても、世界の中では同じ日本女性であることに変わりはないわけで・・・なんていうか、やっぱり悔しいと思いました。

ところで日本にいる外国人男性で、同じようなことになっている人も多いです。自国で全くモテなかったのに、日本に来た途端に「外国人」というブランドを手に入れ、史上最大のモテ期を迎え、調子に乗ってしまう方々。ちやほやしてしまう日本女性もどうかなぁと思いますが、異国にいることによって自身がブランド化され、自分を見失ってしまう、という法則がどうやらあるようです。

私の通っていた学校で、Eという先生がました。ある日友達とパブ行くと、E先生が生徒数人とパブで飲んでいました。E先生はレベル3の担当で、私達のグループとE先生のグループとみんなで飲むことになり、初めてE先生と話しました。そこでE先生が「ワオ、君の英語はレベル3に到達していると思うよ、なんでレベル2にいるんだい、僕のクラスにおいでよ」と私に言ったのです。

当初6ヶ月だけイギリスにいる予定だった私は、レベル3に行けばもっと早く英語が上達出来ると思い、「そんなこと出来るの?」と聞くと、3に上がるためのテストを後日特別にしてくれるということ。先生の言うことなので間に受けて、翌日テストを受けた。そしてパスした。やった、レベル3に行ける!と喜んでいると、E先生はこの結果を私の担任に報告して来なさいと言うのです。

私の担任は女性でジェニファーという、とても素敵な先生。先生の部屋へ行き、この話をすると、彼女は難しい顔をしてこう言いました。

ジェニファー
Don't lose your way.(道を見失わないで)

私はてっきり先生同士で話が通った上での公式なテストだと思っていたのですが(日本だったらもちろんそうでしょう!?)なんとこれは勝手にE先生がやったことでした。よって、公正なテストではないということで許可されず、私がE先生のクラスに上がることもなかったのです。

後から聞いた話ですがが、このE先生というのはアジア人の若い女性が好きで、「コメ喰い」と言われている種類の方でした(※コメ喰いというのは、好みがアジア人だけ、の人のこと)。私以外にも同じように声をかけられた子がたくさんいて、手紙を貰ったとか、ランチに誘われたとか、山のように話が出て来ました。そして数カ月後、友達とテニスして遊んでいるとき、E先生がモデルのように美しい中国人の女の子と公園をデートしているところを目撃したのです。なんていうか、さすがだと妙に感心しました。

外国語を手っ取り早く習得するには、その国で彼氏、彼女を作るのが一番と言いますね。なので、そのモデルのように美しい中国人の女の子にも、大変なメリットがあったのだと思います。私のいたクラスでも美しいチェコ人の女の子が、同じようにイギリス人の男性とつきあって、あっという間に英語が上達していました。ある日彼女に「こないだ彼氏と歩いてるとこ見かけたよ!」と言うと

チェコ人
Which one?(どの彼のことかしら?)

と返って来て、2人で爆笑したことがありました。

それが良いとか悪いとかいう話ではなく、女性は逞しいという話。

ちなみに「5カ国の方に求愛された」というと、なんだか叶姉妹(?)のように聞こえますが、私の場合、ほぼ学校で出会った、友達からでした。長く友達でいた後に告白して貰えるというのは、とても光栄なことだと思いました。もちろん全員と付き合うことはなかったけど、今でも楽しかった時期を共に過ごした友達として、自分の中でいい思い出になっています。

現在では結婚する6組のうち1組が国際結婚という時代になりました。自分の国際結婚の話でも書きましたが、国際恋愛、国際結婚は普通の日本人同士のものと違い、色々あります。毎日が異文化交流ですから、びっくりすることもたくさんあります。それでも、やはり人間と人間の話ですから、浮つかず、信頼し合えるかどうか、尊敬し合えるかどうか、というところが大事なのかなと思います。

さて次は、ロンドンでのバイトの話を書こうと思います。

おしゃれカフェでの皿洗いと、イタリアに買い付け旅行のバイトとは!?

乞うご期待!(笑)


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