秘密の扉 15

後編: 秘密の扉 14

 アトランティス文明へ


涼子は気づくと、青年と共に歩道の真ん中に立っていた。

「ここは一万二千年前に存在した、古代文明のアトランティス、ここは市場、人々がそれぞれのグループで使う食材を求めて集まってくる場だよ」

 行き交う人の姿は、涼子が映画などで知っている、布を巻いているだけの古代ローマの服装、ただ、色使いは個性が反映され、様々な柄や色があり、さらに涼子を驚かせたのは、行き交う人が、涼子たちの姿が見えていなくて、その身体をすり抜けてしまうと言うことだった。        

「これはどういうこと」

青年は「どう言えばいいのかな、たとえて言えば私達は、立体ホログラム映像、私達からは見えているけど、彼らからは見えていないだから観察できるのさ。」

「そうなの」

「そうだよ、この文明の特徴は、貨幣制度も、物々交換も存在しない。」

涼子は「どうして生活するのよ」と青年に聞いた。

「お互いが、お互いのなすべきことをし、与えることによって成立している社会だ。」

「わからないよ」

「すべて無償で得られると言うことであれば、生活のために働くことはあり得ないし、コストを考えなくていいから、サービスが打ち切られることもないだろう。

この文明は様々な仕事があるが、仕事という概念が存在せず、お互い助け合うという概念の方が強かった。農民は食べる人の喜びを生きがいに作物を育て、それを市場に持っていき自由に人々に与えた。そうすることによって、お互いがとても幸福な気分に浸り、それだけで満足をしていた社会なんだよ。」

「私にとってはうらやましいわ」

「そうだろうね、この世界は物を所有する習慣はほとんどなく、必要な物はグループごとで共同で使っていた。」

「なるほど」

「涼子に聞くが電気掃除機、洗濯機は一日の内でどれだけ動いているんだろう」

「掃除機は二十分から三十分だし、洗濯機はよくかかって一時間ぐらいだわ」

「そうだろう、ほとんどの時間使われないで、部屋の片隅に追いやられているだろう、それを時間を決めて何家族で共有して使うと、それらはひとつあれば十分だろう、予備を考えても二つだな」

「そうねぇ、その方が効率的には違いないけど、手元にないと不満だわ」

「そうか、そういった所有すると言った概念が、この文明にはなかったんだよ、つまり、簡単に言えばアクセスと幸福だよ、使うときに必要な物は買わなくても、共同で使えば、皆が幸福な気分になり、誰も不満は出ないはずだよ」

そろそろ、別の場所に移ろうか



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秘密の扉 14

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