ちょっと大阪からママチャリで神奈川まで帰った話 第4回
<
3 / 3 ページ
そして、程なく蕎麦が運ばれ、2分で平らげた。。腹が減っていた。いつの間にか客も僕一人になり、一段落終えたおばちゃんが話しかけてくれた。
私
(なんだなんだ?)
おばちゃん
どっから来はったん?
私
大阪です
おばちゃん
ああ。大阪からぁ?ドライブか何か?
私
いえ、家へ帰宅中です
おばちゃん
家どこなん?
私
川崎です
おばちゃん
え!?どーやってかえるん?
私
あそこの、自転車です
そう言って、窓から見えるママチャリを指さした。最初遠くを探しながら、ママチャリにピントが合うおばちゃん。
全盛期の加藤茶を彷彿させる
二度見(笑)
笑った。そらそーだ。何年もきっとこの場所へ勤めてきたんだろう。標高もかなり高い。遠いところからきっと車のお客さんも沢山おいでたんじゃないかな。スタッフだって車で数十分かけて出勤してる。でも、駐車場に
ママチャリ
がとまってるのは初めて見たんじゃないかと、思わせるほどの見事な二度見だった(笑)
私
(笑)
おばちゃん
何があったん?!
そーいうと、おばちゃん
私
え....とですね...
おばちゃん
ちょっと!ちょっとー!!来てきてー!
奥へとスタッフを呼びに行くおばちゃん。さぁ、尋問タイムのスタートだ。
何故ママチャリなのか?
何故ママチャリなのか?
どうしてママチャリなのか?
一通りのいきさつをお話する。するとどうだ。涙を流してくれる人までいるではないか!?
アホのアホな話のアホな結末に涙
一周回って感動秘話に(笑)
私
だから今からまた出発なんです。
おばちゃん
そんなんきいてしもーたら、お代はもらえんわ。
私
え!!?
私
いやいや!!そーはいかん!!
おばちゃん
えーよえーよ!その代わりちゃんと無事に帰るんやで
私
おばちゃん...(´;Д;`)
おばちゃん
ほら!お腹も空くやろうからこれもってき!
と、大きな大きなおにぎり(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
私
え...!?こ..これ..!?
おばちゃん
喉もかわくやろ?入れもんあるか?お茶入れてけ!
私
・゜・(ノД`)・゜・
おばちゃん
道もわからんかもしれんな、おばちゃんの電話番号教えといたるから、いつでも迷ったらかけてきーや!!
_| ̄|○ ぼばぢゃぁぁぁーん!!!!!
何だ!?この溢れ出る優しさにともなって出る、
脇汗は!!!!!
こういうのですよ。旅って。凄い嬉しい。こんな経験してると、頑張ってる人を応援したくなるんです。助けたくなるんです。 さらに続けた。
私
シクシク...
おばちゃん
おーい、この子ちょっとあんたんとこの近くまで連れてってあげられへん?
奥から、一人の男性が姿を表した。どーやら1週間に1回、この店へお酒の配達に来ている酒屋さんだった。例にもれなく訳わからんまま出てきて、話聞いて外見て、
「二度見」(笑)
男性
凄いね!?かまんよ!乗ってき乗ってき!
神様....。
当初は誰の力も借りずみたいにおもってもいたが、そのあたたかな出会いと、優しさに喜んでお願いした。
つづく
著者の門田 隆稔さんに人生相談を申込む