秘密の扉 16
アトランティスの秘密
上空から見てみよう
青年が涼子の手を取り、上空に舞い上がり、下を見るとオーストラリア大陸がすっぽり入りそうな、見事な丸いドームで周りの空間は、バリアで守られた空中に浮かぶ人工都市であった。青年は地表の温度は500度あって、とてもじゃないが地表に暮らせないし、地表は未だに荒れ果て、海すら存在していない。
このアトランティス文明は、この地球において人類移住計画の一環としての実験的文明である。元々、このアトランティス人はプレアデス星から来訪し、この地球をテラフォーミングし、住める環境に変えようとしている人々である。
その後、この地球におけるテラフォーミングが完了したので、すべて地球から撤収したのだが、その後6500万年前に、隕石が地球に追突し、恐竜たち絶滅、地球の環境が激変したので、再度テラフォーミングのために来訪し、人類の移住出来る環境に調整したので、地上に都市を創り生活していた。
その後、たくさんの星から、様々な人、それに付随して様々な動植物が移住してきたので、地球は賑やかになった。
それは、様々な価値観が導入されることを意味し、始めはそれぞれの場所を決めて、それぞれの生活を楽しんでいたのだが、それはそう長く続かなかった。
数年後、地球が激変し人々は食料を巡って争うことになった。
だが、アトランティスの人々は争いという概念がなかったので、大変動揺しこの地球を去ってしまった。その後、地球では何度となく核兵器が使用され、崇高な精神も、高度なテクノロージーも失われてしまった。青年はこれが一連の物語だが、別のストーリーも存在する。この話はまた今度と言うことで・・・・・・・・と言ったとたん
高橋凉子は目覚めた、自分の身体に「おはよう、今日もよろしくと言い」起き上がり、昨夜の幽体離脱を振り返り素晴らしい経験だった、さらに凉子の「死」に対する概念がまったく180度変わってしまった。
さて、顔を洗いに洗面場に行くと、家のミーコーがベランダで鳥のさえずりに耳を傾け座っていたが、凉子を見つけるとニャーと言いながら足元にまとわりついて来た。
クローバ
今日はまったく予定がなかったので、どうしょうかと思考を巡らし、昨晩に書いたエッセイ「猫の独り言」の続きをと思ったが、家で書けば邪魔が入り集中できないし、それと自宅にいれば、午後から睡魔に襲われることがあるので、大倉山の神戸中央図書館の閲覧室を利用して続きを、早速身支度を調え出かけた。
電車で高速神戸で降り、徒歩で図書館に向かい、今の時期はツツジが「美しい私を見て」と主張しているかのように華やかだが、他の花々も色とりどりに咲き誇り、神戸の街は色彩豊かな街だなと思い歩いていると、途中の道でクローバーの花を見つけ綺麗と思い、デジタルカメラを取り出しカシャリ、カシャリと数枚撮影した、高橋凉子がカメラを常に持ち歩いているのは写真が上手くなりたいと言うこと、それには知識と実践が必要だと思っている。場数を踏んでいるので、写真撮影はかなり上達したと凉子は思っている。
図書館に着いたので
まず、今日撮影した花は本当にクローバーなのかを図鑑で閲覧した。
「あれ」と小さくつぶやき、説明によると「葉の形がハート三つで似ているためクローバーと混同する方がいますが、これはカタバミ科のオキザリスの仲間、その中でもムラサキカタバミと呼ばれるものです。南米原産の帰化植物で、もともと観賞用だったものが野生化した」
少しがっかりしたが、いい写真が撮影したので、気を取り直して、二階の閲覧室に行き、原稿用紙と筆を用意し「さあ執筆と気合いを入れ」続きを書くことに
著者の大東 豊さんに人生相談を申込む