ドアパンチの修理代を全額支払って貰えなかったので少額訴訟してみた(10)

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2万円弱の支払いに対して、訴訟まで起こすのは行き過ぎか?


周りの人の反応は、「訴訟を起こしたら赤字なんじゃないの?」というものが多数でした。訴訟を起こすとスゴイお金が掛かるイメージがありますが、それは多くの場合弁護士費用が高いのであり、今回は訴訟費用だけで言うなら6千円程度なので赤字ではありません。勝訴した場合は訴訟費用も基本的に被告の負担となるので、その場合は確実に黒字です。ただ、勝訴しても相手側から支払いがない場合は強制執行の手続きなどで数万円、場合によってはそれ以上掛かるので、もしそうなってしまったら大赤字です。


ただ、この頃の私は「たとえ赤字になろうと、相手側に応分の支払いをさせたい」という気持ちになっていました。最終的に強制執行へ進み大赤字となっても、相手側が本来支払うべきだった修理代は全額支払うところまで漕ぎ着けたいと考えていました。


正直な話、未払いの2万円弱という金額は生活に支障が出るような額ではなく、むしろ「もういいや」と全部忘れてしまったほうがあれこれ調べたり手続きをしたり、そのために仕事を休んだり休日の時間を費やしたりするよりも楽だったかも知れません。ただ、こちら側に何も落ち度が無いのに相手側の逃げ得となってしまう状況が許せない気持ちは無くなりません。


普通の人はどうするだろうか」と考えると、面倒でここまでやらない人が多いような気がします。私の場合は感情のやり場として少額訴訟という手続きを見つけ、あとはほんの少しの正義感と「どうせやるなら納得できるところまでやろう」という気持ちが原動力でした。


ドアをぶつけたその場で相手側から「迷惑をかけて申し訳ないが、年金生活者なので修理代をなんとか安く済むように配慮して頂けないだろうか」と言った言葉が聞けていたら…。何はともあれ警察を呼んで、お互いの保険会社同士に交渉を任せていたら…。何か一つ違っていたら、ここまでやっていなかったかも知れませんが、すでに賽は投げられたのです。


いよいよ、審理の場に臨みます。

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