ドアパンチの修理代を全額支払って貰えなかったので少額訴訟してみた(15)
どうしても司法委員は和解で終了させたい、と思ってるように見える。
司法委員が別室で相手側と話している間に、スマホで調べてみたところ和解を勧めるというケースが多いということが見えてきました。そうするうちに、司法委員が再びこちらへ戻ってきました。
「どうもどうもお待たせしました。相手側はね、和解解決でも良いって言ってますよ」
「それは意外ですね、これ以上払うつもりがないようにお見受けしましたが」
「そりゃだって、これだけ証拠揃ってるからこのままじゃ負けるよって言いましたからね!それでね、和解金なんだけど、1万円とかで納得できないかな?」
「先程もお伝えしたとおり、金額がどうこうではないんですよね。相手側に応分負担頂きたいという思いなので」
「やっぱり、2万円弱ってのは譲れないの?」
「そうですね」
「んー、じゃあ1万5千円だったらどうなの?」
「それでも、本来支払うべき金額じゃないですから」
「でもさー、全額払うとなると和解ってことにならないんだよね」
なんかもう、和解じゃないと許されないような雰囲気になってきました。1万5千円ならほぼほぼ未払い分を相手側が支払う形になります、ただ和解となれば訴訟費用は自腹になるので数千円は持ち出しという事になります。初めから持ち出しどころか赤字でも良いから相手側に応分の支払いをさせたいというのが目的だったので、形にこだわらなければ目的は達成されるのか?とも考えられました。
その後、何度か司法委員は原告と被告の控室を往復して似たようなやりとりが何回か繰り返さて、最終的には私が折れました。この先に進んだとしてもその後の手続がまた大変になるので、ここで全てが終了するなら、それも選択肢の一つと思えたのが大きかったです。
「いやー、どうかね?1万5千円を落とし所にするってことで」
「分かりました。では相手側がそれで納得されるのなら」
「そう!じゃあその条件で聞いてくるから!待ってて!」
なぜか、とても嬉しそうです。結果的に相手側もその条件で了承し、今日この場で支払うという運びになりました。最後に和解という結果になったことを法廷で裁判官から説明があるのでと言われ、再び全員で法廷に入りました。
結果はもう聞いたようなものですが、いよいよ結審です。
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