ドアパンチの修理代を全額支払って貰えなかったので少額訴訟してみた(17)
私が出てくるのを待ち構えていたかのような相手の言葉は、やはり意外なものでした。
「どうも、お疲れ様でした」当り障りのない言葉で私が挨拶をすると、相手からの言葉は今回の件で最も意外なものでした。
「何か、色々と迷惑を掛けてしまって申し訳なかったね」
え!?今、謝りましたか!?ドアをぶつけた際に一言の謝意も無かった人が、ここに来て謝って来ました。もしかしたら司法委員が何往復もしていた際に私が「事故から今まで一言の謝罪もないですから」と話した事を何かしらの形で相手側へ伝えていたのかも?とか頭のなかでは色んな考えがかなりの早さで回ってましたが、私のリアクションも自分で言ってて何ですが意外なものでした。
「いえ、こちらこそこんな形になってしまい申し訳有りませんでした」
つい、謝り返してしまいました。ただ、なんとなく反射的に出た言葉ではなくて一番聞きたかった相手側からの謝りの言葉が聞けたことや、年齢が二回り以上上の方からの謝意に対して自然と恐縮した気持ちになっていたような気がします。
しばらく裁判所の中で立ち話をしていましたが、他の人の目もあるので何となく連れ立って駅へ歩き始めました。駅までは徒歩5〜6分程度です。その間も多少ギクシャクしながらも会話を続けていました。今回の件に関して、事後的にですが気になってたことが確認できました。
・領収書の日付がずれている件
相手側もなぜかは分からないが、4万円の支払いをした際に領収書を受け取ったか後から郵送されて来たかを覚えていないので、もしかしたら郵送されてきて日付がずれているという可能性があった。
・事故当日、一言も謝って頂けなかった件
「奥様に謝ったんですよ」とのことでした。さらに後で妻に確認したら「謝ってないよ」とのことでした。まあ、いまさらなので気にしないことにします。ちなみに「奥様にも迷惑をかけて申し訳ないと伝えて欲しい」とさらなる謝りの言葉も頂きました。
・任意保険を使わなかった件
修理が3万円程度で済むと思い、保険会社を利用するつもりはなかった(保険を利用すると保険料が上がってしまうため)。
・少額訴訟を無視しなかった件
「無視すると不利になると考えていた」とのこと。恐らく訴状に「審理に出頭しないと原告の要求が認められる可能性があります」的なことが書かれていると思われる。
駅も近くなった頃、「迷惑を掛けてしまったので、お茶でもごちそうしますよ」と言われましたが、こちらとしては溜飲は下がりましたが仲良しになった訳ではないので「この後用事がありますので」と遠慮させて貰いました。
以上で、ドアパンチから始まる一連の騒動は終了となります。あと少しだけ今回の件から学んだ点などのまとめを書こうと思います。
著者の秦 和夫さんに人生相談を申込む
著者の秦 和夫さんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます