教科書に載っている、いい話②

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「二十一世紀に生きる君たちへ」司馬遼太郎

         1989年「小学国語六年下」大阪書籍

私は、歴史小説を書いてきた。

もともと歴史が好きなのである。

両親を愛するようにして、歴史を愛している。

歴史とはなんでしょう、と聞かれるとき、

「それは、大きな世界です。かつて存在した何億という人生がそこに

つめこまれている世界なのです。」と答えることにしている。

私には、幸い、この世にたくさんのすばらしい友人がいる。

歴史の中にもいる。そこには、この世では求めがたいほどにすばらしい

人たちがいて、私の日常を、はげましたり、なぐさめたりしてくれているのである。

だから、私は少なくとも二千年以上の時間の中を、生きている

ようなものだと思っている。

この楽しさは、<もし君たちさえそう望むなら>

おすそ分けしてあげたいほどである。

ただ、さびしく思うことがある。

私が持っていなくて、君たちだけが持っている大きなものがある。

みんなの読んで良かった!