すっぴんパキスタン3 北朝鮮は、日本より住みやすい?パキスタンの食についてきいてみた

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「『日本には、あんまりパキスタン料理店がないんでしょ?北朝鮮には、日常的にたくさんパキスタン料理店があるんだって。だから北朝鮮のほうが住みやすい国だ』ってパキスタン人の友達に聞いたよ。面白いよね。そういう見方するんだね。」
じゅんちゃんが、にこにこと笑って言った。
いやいや、いやいやいやいや。そこはさ、主張するところでしょ、日本の名誉を守るために。名誉棄損で怒るところでしょ、日本人として!日本はいいところだって、その人を説得しようよ。和食は世界遺産だから!(注:正式名称 ユネスコ無形文化遺産)

と、ついつい私は思うけれど、じゅんちゃんは、そういう視点には全く興味がないのだ。ただ違いをにこにこと面白がっている。その姿はさっぱりとすがすがしい。

ところで、パキスタンって、ぶっちゃけ、何がおいしいの?
と、聞いてみた。だって、みんなが(私が)一番聞きたいことといえば、食べ物でしょう?!実際、パキスタン料理、ってよくわからない。ご指摘の通り、日本にインド料理店はたくさんあるけど、パキスタン料理店にはなかなかお目にかかれないのだ。

「あのね、14th street pizzaがおいしいねん。ふっくらしててね、なんかね、チーズがね~こう、生地の中に入っててね、上に乗ってる具もね、選べてね、非常に味がいいの~!!」

ハイ!ふだんきびきびしているじゅんちゃんが、めろめろにとろけています・・・!が、ていうか、

「いや、それ・・・ピザって、イタリアンだし。日本にもあるじゃん・・・。」
「いや、違うねん、単なるピザのコンセプトを塗り替えるような・・・とにかくおいしいの・・・(ハート)」

にこにこ、にこにこ、と幸せなじゅんちゃんは、結局それ以上言葉で説明しなくなってしまい、ピザ屋さんのウェブサイトをみせてくれた。ちなみに英語。パキスタンでは、サイトは基本英語表記なのだ。(現地語はウルドゥ語で、公用語は英語)うーむ。とりあえず、イタリアンは世界を制している。負けてはならぬニッポン!
ちなみに気になるお値段は?ピザ一切れ(といっても、普通女子がおなかいっぱいになるくらいの大きさ)現地価格で約350円。

情報源はお母様方の口コミだそう。女性の口コミネットワークはやはり強し、パキスタン。
さて、パキスタンのカラチはデリバリー文化だ。八百屋さんも、なんと野菜ひとつから届けてくれるそう。すごい。究極のカスタマーサービス。

フルーツはおいしいよ!フルーツはおいしいよ!フルーツは、おいしいよ。
と、いきなり、じゅんちゃんが強調し始めた。マンゴー、オレンジ、スイカ、メロン、などなど、フルーツはなんでもおいしいらしい。
「自分で料理を作るときにはフルーツいっぱい入れるの。」

え?パキスタン料理は、フルーツをゆでたり煮たり焼いたり?とかなんですか?

「うんとね、オレンジソースとグアバの冷製パスタとか。」

あら。なんと、おしゃれで美味しそうではないですか。でもそれはきっとじゅんちゃんの料理で、パキスタン料理の話題になかなかいきつけないワタクシ。

「飲み物とかは?普通に飲むの?」
イスラムなので、公式には、お酒は売ってないし買ってはいけない。でも、コーヒーなんかは普通に飲む。あと、メジャーなのがさとうきびジュース。じゅんちゃんは、砂糖の代わりにサトウキビを料理に使ったりする。おっ!いいね!なんて素敵!

「そうだ!『ドゥーパティ』!『ドゥーパティが好き』というとおっちゃんとかむっちゃ喜んでくれるよ」

ドゥー(ミルク)と、パティ(茶)だから、チャイとかいわゆるミルクティーの親戚です。チャイはお湯だけど、ドゥーパティはミルクでお茶を濾すからより濃厚でこくがあるそう。(ミルクティーとロイヤルミルクティーの違いみたいな感じかな?)

ちなみに、ミントティもメジャーらしい。

「おなかがいたいとき飲んだら一気になおったよ。その辺にいっぱい生えてるから。飲み方があってね、喉が痛い時は蜂蜜を入れる。おなかが痛い時は、ミントと砂糖と、シナモン。」

ちなみに、日本人の皆さまに。幸いパキスタンにも、釜めし屋さんも、お寿司屋さんもあるらしいですよ。

カレーが好きな人は、パキスタン料理を楽しめるよ。パキスタンは、香辛料の文化だから、辛さをひかえめにと言っても、日本でいうサンカラ(3辛)くらいの味で出てくるの。もうね、素材の味を消すぐらいスパイスを使うから。三段階、四段階と辛さをえらべるときもあるけど。」
 
ここで、じゅんちゃん流、パキスタンのレストラン攻略術を大公開します。

1、事前にどういう味付けか、かなりじっくりと聞き込む。
2、出汁の素(粉末のやつ)をこっそりレストランに持って行く。

以上。

やっぱ大事なんだよね、うまみが。日本人的には。サンドイッチとかにもかけて食べるよ。」

・・・。

今度海外旅行に行くときには、持っていくものの中に加えてみようかな、しかし、粉末とか大丈夫なのかな。税関とかで疑われたらどうしよう。(実際、山芋の粉で疑われた例を聞いたことがある。)まあ、そしたら「これぞ日本の心!美味しいから食べてみて(ハート)」とか言ってみようかな。
 なんだか、パキスタンではこんなに珍しいものを食べるんだよ。みたいな話は結局あんまり聞けなかったなあ・・・でも、それはつまり、たぶん、じゅんちゃんが異国で、彼女の日常を生きていると言うことなんだ。彼女にとって、パキスタンは生活の場であり、観光でふらりと行き、二度と戻らない場所じゃないからなんだ。
とりあえず、パキスタン料理がなかなかに辛いってことはわかった。後は、自分で試してみるしかない!先入観にとらわれずにね。ふふふ。

~おまけ~
じゅんちゃんのホームステイ先の方は在日経験があるそう。じゅんちゃんが親子丼を作ってあげたところ、もう、魂から熱烈な感動をいただいたそうだ。日本にはパキスタン料理屋さんがなくても、親子丼があるぞ!Welcome Japan!

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