【投稿テスト】シミ。2

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プロローグ

『ユキは浮気されたらどうする?別れる?』



別れる、簡単に。


そう答えていた。


幸せだった頃の

傷を負った事のない


自分は。


01出会い。

あ、ねぇ!…前会ったよね……?
ユキ
多分違います……



友達と二人で来たカラオケの駐車場。

深夜1時。

ナンパにしてはあまりにもベタな台詞だな…と思いながら

私は声をかけてきた二人連れの男達にそう答えた。


友人は『ナンパですか?』と、面白そうに笑っている。

しかし彼らは、友人の台詞に一瞬硬直し、顔を見合わせる。


ナンパ……?

いや、まじで会った事あるよ!ちょっと俺の顔見て!

そう言われ、チラッと彼の顔を見ると


……確かに、見覚えがあった。

ユキ
会った事ある……かも……


ほら、ナンパとか失礼な!
……でも、どこだっけ?

確かに見覚えはあるものの私も思い出せず

そのまま皆でしばらくああでもない、こうでもないと話し


それから全く違う話題に変わったりと何故か話は盛り上がり

気付いたら、朝方になっていた。


正直、この夜の会話は楽しかった。

不思議な程に会話が弾んだし、よく笑った。


結局、その場では以前どこで会ったのかは解らないままだったけれど

朝方、解散の流れになった時、また話したいな……と、考えている自分がいた。


そんな時。


ねえ、これはナンパだと思われても仕方ないセリフかもしれないんだけどさ……。

また話さない?電話番号聞いたら怒る?



彼を見ると

正直、見た目は軽そうな印象があったのに、その目には少し緊張の色がうかがえて

不覚にも、少し可愛い…と思ってしまい


ユキ
いいよ

私は戸惑うこともなく、返事をしていた。

まじで!うわ……、良かった!

なら近々ご飯誘うね!
ユキ
おいしいモノお願いします……!

本当に嬉しそうにしている彼に

私もまた話したいと思っている気持ちは隠し

冗談っぽく返事をする私。

そしてその日は、解散となった。



2003年8月中旬

運命の出会いだった。



色んな意味で。




***




それから3日程経ったある日。彼から初めてメールが来た。

名前すら知らない彼を

私は携帯に【ナンパ】と登録していて

【メール受信:ナンパ】

と表示された画面につい笑みがこぼれる。


【覚えてる?よね?今日暇ならご飯行かない?】


私はすぐに、行くと返信し

不思議な程テンションが上がっている自分に戸惑った。


【良かった、断られたらどうしようかと思った!19時に前会ったトコで良い?】


そんな素直な返信は

私の鼓動を更に高鳴らせていく。



***



時間通りに着くと、既に見覚えのある黒いRV車が停まっていた。

隣に停めると、彼は気付いて車から降り、軽く片手を挙げる。

おー!

そんな仕草につい笑顔になってしまった私は

そんな彼を真似て、小さく片手を挙げた。


彼はこれから4年

会う度必ずこのしぐさをし続ける。


わたしの大好きなしぐさのひとつだった。



***



乗って!

そう言われ、私は彼の、少し車高の高い車に必死で乗り込む。

スカートは失敗だったなぁ……と、自分のブサイクな乗り方に苦笑している私を見て、彼も笑った。


そして、ようやく車を発進させた彼に

私は唐突に質問を投げる。

ユキ
あの…、名前は?

簡潔であまりにぶっきらぼうな質問に

彼は小さく吹き出しながら、私にチラリと視線をくれた。

ユキ
純……くん、ね
キミは、ユキちゃんだよね。前にそう呼ばれてたし

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