塀の中へ 11,Trial and error 試行錯誤
昼休み。
やっぱり所内の昼ごはんは食べられるはずもなく、ひとりでトルコライス屋へ向かう。
今日こそ食べておかないと、今度いつ来れるかわからない。
すると、なにやら店の玄関が乱雑になっており一枚の張り紙。。。
「来春リニューアル予定。ここの物は持って行ってください。無料!!!」と書いてあった。
無くなっていた・・・
エンジニア2人と行った日がどうも最終日で、だからあんなに混んでいたんだなと納得する。
結局食べられなかった・・・
いったいどんな味だったんだろう??
縁がなかったようだ・・・
仕方なく、別の店で食事を済ませ刑務所へ向かう。
午後からは、ほぼ二人に作業を任せ、わからないところを質問してもらうことにした。
その間に、根木技官と色々お話させていただく。
てっきり、印刷のことをずっとやられていると思っていたが、そうではないらしい。
技官という仕事も大変である。
時には受刑者とともに成長しなければならない時もある。
なんとも、やるせない話である。
個人的には、工業よりも農業の方がいいかもしれないと思っている。自然を相手にすることによって人間の小ささを思い知ることができるし、自分たちの生命の源を作ることによって、命の大切さを考えると思う。
人間というもの、使命を与えられて自分の創意工夫で乗り切ることができる環境ならば、いきいきするのである。
ここの工場の雰囲気を見ていて確信する。
団結力も生まれるわけだ。
そのうちに、予定の時間が来てしまう。
今日は、風呂の日なので14:30で終了。
時間が来ると一斉に号令がかけられて作業終了。
受刑者へのオペレーションも終了となった。
ヒルマンさんに
といってくれた。一週間かけて説明した甲斐があった。
ヒルマンさん、谷田さんに慌しく
と約束をする。
ヒルマンさんは最高の笑顔で、谷田さんははにかみながらそれぞれうなづいてくれた。
彼らはこれから彼らなりに試行錯誤するのであろう。
心なしか、彼らとの別れが辛く感じた・・・
受刑者が待機している横をすり抜けて、工場をあとにした。
刑務所も国の設備。ということは税金で作られている。お役所というところは、国民の目というものを非常に意識する。むやみと使うわけにはいかないということだろう。。。
特に、政権が変わってから経費関係はうるさくなったとのこと。
色々考えながら、管理棟まで戻ってきた。。。
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