STORYS.JP出版第三弾

STORYS.JP出版第三弾!タイトルは、

「社長が逮捕されて上場廃止になっても会社はつぶれず、意志は継続するという話」

世を騒がせた2006年のライブドアショック。筆者の小林さんは、当時まさにその現場にいた。ライブドアに2度勤め、あの事件の前後およそ10年間で見てきたこと体験したことを、あれから約9年の歳月を経て本書で綴られた。
ライブドアショックとは何だったのか?当時の現場を知る元ライブドア社員が語る、あの事件の真実に迫る一冊。
今回は筆者である小林さんに、本書にかけた想いを心ゆくまで語ってもらった。

著者インタビュー

著者の小林佳徳氏

━━ 小林さんよろしくお願いします。本日のインタビューに先立って、当時ライブドアという会社は、一般の人から見ると、一種のブラックボックスのようだったと思うんです。有名だけど具体的にどんなことをやっていた会社なのか分からない、また、そこで働く「人」もどこか覆い隠されていて。
そんな中あの事件が起きたことで、皆が抱えていたモヤモヤがそのまま残ってしまった、そういう所があるんじゃないかと思っています。

そこで今回は、あの事件の裏、ライブドアという会社の中では、社員の方々はどんな想いでどう過ごしていたのか、そういった所からインタビューさせて頂ければと思っています。

早速ですが、事件が起きたあの日、社員の方々はどのような一日を過ごしていたのでしょうか?

小林

それはもう特に変わらず、普段通りだったんですよ、本当に。ご存知だと思いますが、あの頃ライブドアという会社では、それこそ近鉄を買うとか、政治に参加するとか、色んなことがめまぐるしく起きてたんです。それも、起きることのレベルが日々グレードアップしているというか(笑) だから、何が起きても「あ、またか。」みたいに、もう驚かなくなってたんですね。良い意味でも悪い意味でも、どこか慣れてたというか、麻痺していました。だから、事件のあの日も何か起きたんだなって印象しかなくて、次の日くらいまで全く事の大きさに気づかなかったんですよね。まあつぶれたりはしないだろって。

━━ そうだったんですか。もっとてんやわんやになっていたのかと思ってました(笑)

小林

そうなんですよ。だから、自分があの会社をやめたのは、あの事件があったからとかでは全然ないんですよ。むしろその前から、そろそろ潮時かなって感じてました。当時は自分含め、皆限界まで仕事してたんですよね、ほんとに。もう精神的にも体力的にも限界まできていて、ぎりぎりの所で踏ん張ってて。それこそ、事件前に、もう限界という感じでやめてった仲間も多くて、普通にしてても燃え尽きてましたね。それがあの事件で、張りつめてた糸がぷっつりきれてしまったというか。
世間はあの事件をきっかけにライブドアが180°変わったように見てるけど、あの事件を理由に何かが大きく変わったとかではなく、内部は落ち着いてたんです。...あの事件はどこか、"必死に試合してた中で鳴ったハーフタイムの笛"のようなもので、笛が鳴って休憩に入って、実はちょっとほっとしたんです。(笑)

駆け抜けすぎた故に生まれたライブドアという会社と世間のズレ

小林

世間が見ていたような時価総額というのは、意図せず膨らんでいたというのはあります。 なんかよくわからない会社だけど、なんかよくわからない期待で皆が株を買うみたいな。その面で敵も多くつくっていたように思いますね。そんな中、自分たちが、目に見えてこれだっていう事業(=社会的な評価が得られる事業)を作って逃げ切るのが先か、それともつぶされるのが先か、そういう所だったと思うんです。今ではグリーやモバゲーのようなソーシャルゲームに代表するように、この業界の認知も社会的地位もあがっていますが、当時はITはまだ何をやってるのか分からないという時代、まだ世間が価値を認めてくれなかったんです。
だからもし当時ライブドアが、その先5年10年続くような、誰からも評価される飛び抜けたサービスを生み出すことができていれば、違った結果になっていたかもしれません。

ライブドア本社で、幹部からの「堀江社長逮捕」の説明に耳を傾ける社員(撮影:吉川忠行)

「もしライブドアがあの時失速していなかったら、こんな会社になっていただろうに…」本書では、小林さんの夢のような想いも綴られている。彼の中で、堀江氏の中で、夢描いていた世界があったのかもしれない。

━━ 話は少し変わりますが、今回あの事件を振り返って、ついに本を出版することになったわけですが、ずばり本書にかけた想いというのは何だったのでしょうか?

小林

それはやっぱり、事件後の社員たちの納得できなかった想いを伝えたい、ということですね。あの事件から約9年、いつか清算したいというのがずっとあったんです。だから、最初に出版が決まった時、書きたいことは山ほどありました。
その中でも一番は、事件であれだけ叩かれたけど、中にいた自分たちはまじめに仕事をしていたということ。当時はそれが認められなくて悔しかったんです。その想いを本書でぶつけたいと思っていました。
もしかしたら世間は、ヒルズ族の言葉に代表するように、僕らが豪遊するくらい金を使っていたというイメージがあったかもしれないけど、一切そういうのはなくて、むしろ貧乏だったくらいで、それこそ真面目にやっていてバカを見たみたいな感じでした。
「このまま何も言わないでいたら、負け犬になってしまう。だけど、反論したところで『虚業』だの『金の亡者』だのと全力で叩かれている中では聞く耳を持ってもらえない。」そんな気持ちから今まで言えなかった想い、それを本書でぶつけたかったんです。

━━ そう考えると、本当に長かったんですね。9年は。

小林

長かったですね。(笑)

もちろん、社員皆がいつか見返してやるって想いだったわけではないと思うんです。もう、昔のことだし興味がない人も多いと思います。だけど、やはりみんなには、大小抱えている想いってのが必ずあって。
自分たちは誇りを持って仕事に取り組んでいたのに、事件のせいで「社会的に認められないことをやっていた会社」という後ろめたさを押し付けられてしまった。ライブドアで頑張っていたあの頃を誰にも胸をはって話せないとしたら、それはすごく悲しいことだなって。だからそこは堂々と声をあげていくべきじゃないかって思っていました。

「皆、自分からは言えなかった。誰にどういえばいいんだろうって。」

小林

だから今回、社員を代表して、皆が伝えたかったことを代弁して書いた気持ちもあります。 もしかしたら、(本を)出して欲しくない人もいたかもしれないけど、それはもう、信じるしかありませんでした。出してほしい、伝えてほしい、という人が多いということを信じて書こうと。
空気を読んでほしいという気持ちもあるかもしれませんが、ライブドアは空気を読まない会社だから。(笑)
だからあの会社で働いていた皆なら、きっと分かってくれると思います。

── それはやはり、皆がそれだけ必死に頑張っていたのを見てたからですよね、小林さん自身が。

小林

そうですね。事件前からも必ずしも好評価ばかりじゃなかったし、怪しい変な会社ってイメージがあったと思うんです。でも、まだ誰も見たことのない景色、何か大きなことを成し遂げようとしていた人たちがあそこにはいました。
本来仕事って、そのくらいの情熱と誇りがあったと思うんですよ昔は。そういう想いを取り戻してほしいです。働くってそういうことだってくらいの、それこそ、本当の働き方ってなんだ?という問いかけを本書でしたかったんです。そういう気持ちがあったんです。その辺は本書の最後を読んで頂ければと思います。

小林さんの傍らには、彼が二度目にライブドアを退社する際、同僚から送られたかばんがあった。共に働いた仲間の想い、ライブドアという会社のDNAは今なお彼の中に確かに受け継がれている。

「頑張ったんだけど、報われなかった人たちがいた。そういう人たちの気持ちを少しでも軽くしてあげたい。」

小林

あの事件から10年近く経って、今初めて整理出来る状況になり、みんな冷静に見れるようになりました。
あれは何だったのか。世の中の人もモヤモヤしたまま終わってしまった部分があったと思うんですが、それを明らかに出来ればと思ってます。

── やっと気持ちの整理がついたというか、そういう想いがあったんですね。...小林さんは、まず本書をどんな人に届けたいですか?

小林

それはやっぱり、当時働いていた社員の方々ですね。そして事件を見て180°見方が変わってしまった人たちに真実を語りたいと思っています。

━━ そういった人の他には、例えばどんな人に読んでもらいたいとかありますか?

それは、一つは40~50代の、特に今に疲れているサラリーマンですかね。

━━ それはどうしてですか?

小林

なんか40~50になっていきなりリストラされたりとか、人生の目標を見失っているみたいな状況が起きていると思っていて、これからそういう人ってさらに増えていくんじゃないかって。
そういう時に、働きがいとか、生きがいとか、人生ってなんだろうって考えることが増えると思うんですよ。そんな時、この本が、「こういう生き方もあるよ。」と、良い影響を与えられたらと思います。がむしゃらに仕事を頑張ってきて、どこか燃え尽きてしまった人に届けたいですね。

━━ 小林さん自身も一度、燃え尽きた時期があったわけですもんね。 そういう人が、一度事件を振り返って、立ち止まって考えてみた言葉ってのは、今悩んでいる人にも、一度振り返って考える力を与えてくれるのかなって思うんですが

小林

そこは難しい所もあったんです。今壁にぶつかっている人にかける言葉って。鬱病の人に頑張れって言ったって解決にはならない。
そういう意味ではよくあるベンチャー経営者の成功本、というよりは、普通なサラリーマンに共感するという形で何か一つでも刺さるものがあればいいという想いで書いています。何か一つでも自分事として捉えられれば、その人にとっては読んで良かったってなるのかなって。

「全てと協調するのは無理、ここを捨てるとか、ここだけは譲れないとか、そういう決断は必要だなって思う。」

小林

...今は、これも守らなきゃいけない、あれも守らなきゃいけないってルールにがんじがらめになっていて、それでいて最後には会社に捨てられたりします。自分が今までやってきたことは何だったんだみたいな。
それが大企業の中で起こっています。大企業は今、ルールが厳しくて、やりたくてもやりたいことが自由にはやれないんですよね。ベンチャーに行ったとしても、大きなインパクトが世間に与えられるとは限らない。これからどういう働き方が良いのか悩んでいる人はとても多いと思うんです。

でも、もうそろそろ、大企業でもライブドア的にやってもいいんじゃないかと思うんです。現に、今はサイバーエージェントだったり、DeNAがあって、もうそういう所にきてるんだと思います。あの時は「なんか分からないけど、インターネットでもうけてるんでしょ」みたいな空気がありましたが、今はもうそうじゃないはず。

━━ 最後になりますが、小林さんが本書で伝えたかった想いをもう一度、お願いします。

小林

昔の時代は「いい会社に入る」という目標が誰にでもありました。いい会社に入って、やりたいことをやって楽しく働く。そして後世に誇れる結果を出す。でも、今の会社はそれぞれどれだけできているのかな。

仕事が人生の全てではないけれども、もし働くということに今の子どもたちが希望を持てないとしたら、それはそれは夢がないというか、悲しいというか。

いくら仕事で頑張っても必ず何か達成できるわけじゃない。でも、自分の人生を振り返ったときに、「ああ、あの時、確かにがんばったよな」って生きた証が残せてると思うんですよ。そういう働き方、生き方が、子どもたちに夢を与えるんじゃないかなって。

この本で「小林」の人生を読むことによって、読者がその人自身の人生を振り返って、もう一度、どうして今頑張っているんだっけ?追いかけていた夢ってなんだったっけ?と立ち止まるきっかけになってほしいです。
上から目線で諭すのではなく、書き手自身(小林)が自分を振り返ることで、読み手も自分自身を振り返るっていう風に。

...やっぱり難しいと思うんですよ、自分の人生を振り返るのって。だから、自分の本が、自分の振り返りが、そういう人たち背中を押すきっかけになればって思います。そこまでいってくれればなって。

━━ 書ききれなかった想いも、きっと多いんですね。ぜひ後日談を!

小林

そうですね。ライブドアというムーブメントを総括するにはまだまだ時間がかかると思っています。(苦笑)

━━ 本日はありがとうございました!

作品情報

社長が逮捕されて上場廃止になっても会社はつぶれず、意志は継続するという話

著者:小林 佳徳

出版社:宝島社

定価:本体1,200円+税

仕様:四六判/並製/256ページ

ISBN-10: 4800226678

ISBN-13: 978-4800226679

宝島社の書誌紹介ページ
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書籍に関するお問い合わせ:宝島社 03-3234-4621

社長が逮捕されて上場廃止になっても会社はつぶれず、意志は継続するという話 [単行本]

書評一覧

"一番ウケたのは後書きにある出版にあたっての記述。

もちろん、「堀江さんに事前許可を取ったほうがよいのか?」とも考えた。だが、きっとそうしたところで一言、『全然興味ない。どうして俺に聞く必要があるの?勝手にやりたいようにすれば』と言われるだろう(苦笑)。なので無粋なことはやめることにした。

よーわかっとるやんけ(笑)"
書評全文

━元ライブドア社長 堀江貴文氏(引用元: HORIEMON.COM )

"やはりこの本は、今だから出版できる本だと思う。(中略)...日本の情報化社会へ向けた歴史の1ページを知るには、最適の本となっている。"書評全文

━元TechWave編集長 湯川鶴章氏(引用元: TheWave )

"これ読んで色々考えたんですが、
「人様に迷惑をかけないように」というのが、日本の親御さんの言葉でよくある表現です。「とにかく、人様には迷惑をかけないようにしてくれればそれだけでいい」と。 「でも、それって絶対無理な望みなんですよね。 むしろ、「人にたくさん迷惑かけたけど、たくさん愛してくれる人が1人はいる。」
そんな人生こそ、目指す指標なんじゃないかなと思いましたとさ。"
書評全文

━青藍義塾・塾長、「学年ビリのギャルが〜」著者 坪田信貴氏(引用元: 坪田氏のAmebaブログ )

" 私も、うまくいったベンチャー、うまくいかなかったベンチャー、色々な体験をしました。それでも、自分のかつて在籍した企業には、「愛憎」を持っています。なんでだー!という気持ちと、あの時感じた勢いと青春っぽさによる気持ちの高揚、というのが混ざっています。 この本にはそんな小林さんのどっちかというとライブドアに対する「愛」の部分多めに感じました。"書評全文

━ Fringe81株式会社 代表取締役 田中 弦(引用元: Fringe81百人力日記 )
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著者プロフィール

小林 佳徳 (こばやし よしのり) 1973年5月16日、山梨県甲府市生まれ。

幼少期にパソコン少年のバイブル『こんにちはマイコン』(小学館)に出会い、『NEC PC6001』を購入。コンピュータの無限の可能性に惹かれる。

新潟大学工学部に進学後、『パソコンサンデー』(テレビ東京系)の影響で『SHARP X68000XVI』を購入し1200bpsのモデムでパソコン通信を始めネットの面白さに衝撃を受ける。

1998年新潟大学大学院終了後、大日本印刷、ベネッセコーポレーション、ライブドアなど、大企業とベンチャーの6社を経験。一貫してインターネットビジネスの制作業務に従事した。また、ライブドア事件後には管理部門にて会社の立て直しに参画し、人事制度の設計・導入や、コーポレート・採用全般などを経験。

現在は、再びベネッセコーポレーションにてデジタル教材の開発にあたる。人生の夢はスーパーカーの代名詞、ランボルギーニカウンタックに乗ること。

個人サイト:http://xbeeing.com/

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著者:坪田信貴

発売日:2013年12月27日

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