実録 訪問販売会社潜入記 浄水器を売りつけろ! 7 誘惑する奥さんとオカマの同僚編

<

3 / 4 ページ

>
前話: 実録 訪問販売会社潜入記 浄水器を売りつけろ! 6 月の給料の額と社内の雰囲気ってどうなの?
著者: Yamamoto Yuri

サンプルを受け取るときも、厳重にくさりをつけていた。

もうかなり不信感を抱いているようで、この時点でこの人はダメだ

なと思った。

カマさん( オカマっぽいのでカマさんと呼ぶ) もそれは感じたよ

うで、班長とは違いすぐさま車に戻り、事務所へ連絡を入れた。

数分後、2 件目のアポが取れたとのこと。

早速現地へ向かう。

が、今度は居留守

何度鳴らしても反応がない。

カマさんも諦めて、事務所に連絡。

結局午前中は全て空振りとなってしまう。

移動だけで終わった午前中だった。

コンビニで弁当を買い、車で昼食。

食べ終わると休む間もなく3 件目のアポ先へ向かう。

が3 件目も門前払い。

玄関を突破出来ない。

そして夕方4 時頃。


やっと玄関を突破することが出来たのは、高級マンションのお宅であった。

4 件目

4LDK 近い間取りで、広いリビングに通された。

早速、カマさんがセールストークを開始する。

食いつきは中々いい感じ。

やっぱりこいつ、オカマだ!

もうしゃべり方、仕種が全部カマっぽいし、 妙に奥さんと話が合うのは、女同士だからか? ( 笑

私は・・・ というと、3歳くらいの子供と遊んでいた。

奥さん、妙にカマ先輩と話が合うみたいで赤ちゃんほったらかし。

赤ちゃんはひょこひょここっちにやってきて、

ボールを投げてきたり、積み木を持ってきたりする。

流れ的に、子供のお守りをするはめに。

そうこうしている間に、時間が流れていき、約3 時間もの長丁場となりました。

その間、私は子供と積み木をしたり、ボールの投げあいをしたり、はたまた線路を組み立てて、電車を走らせたり・・・・・と もうまるで保育園状態。

その頃、カマさんは奥さんと談笑中。

相当な金持ちと思われるこの家庭

水には相当関心があるようで、いま利用している浄水器を交換しようと思っていたとのこと。

これは売れるんじゃないの?

と思っていたが、ダメでした。

高価なものは、旦那に相談しないと買えないの

と言われてしまったのだ。

まあ、普通そうだよね。

カマさんも必死に説得したが及ばず。

後日、旦那と相談のうえ、連絡するとうことで本日の訪問は終了。

3 時間の戦いは終了し、カマさんの善戦? もむなしく、そのまま退却

となったのでした。


ちなみに、後日連絡すると言われた場合

担当者の名刺を渡して帰ります。

後日、購入する意志のある場合、その名刺に書かれた電話番号にかけて、担当の名前を告げれば、購入することが可能なわけです。 この場合、歩合は名刺を渡した担当に入ります。

が!

後日連絡します。

と言った奥さんのほぼ9 割は連絡してきません。

なぜなら、旦那がOK するわけがないから。

考えてもみてください。

自分の奥さんが、今日昼間に来た訪問販売の人が薦めてくれた浄水器が凄い良かったから買いたいんだけどいい?

と聞かれ、値段を3 0 万円といわれたら、あなたは買っていいよ!

と言えますか?

言えませんよね。

私も絶対OK なんて言いません。

だから、名刺を渡した時点で負け確定なんです。

カマさんも、まず連絡はないと嘆いていました。


旦那の相談

夕方3 件目

この日は2 件目で既に1 台売り上げていたので、3 件目はとっとと

終わらして、 公園脇に車を停めて寝ていようかと思っていたのだが。

15 時過ぎに訪問したマンションの奥さんに捕まってしまった。

もとより、15 時以降の訪問では売る気が全くないので、サンプルだけを渡すつもりだった。

しかし、サンプルを渡すと、

「お茶でも飲んでいかない? 」

という。

うーん、早く寝たいので、断るのだが、少しだけでいいからと強引に茶の間に。

アイスコーヒーを出され、ここから約2 時間、旦那の愚痴が始まった。

「うちの旦那はね、消防署に勤めてるんだけど、毎朝体を鍛える為といって、

朝6 時に家を出て、2 時間もジョギングして出勤するの」

「はあ、凄いですね」

「それでね、夜もジョギングして帰ってくるんだけど、夜は少し遠

回りして帰ってくるみたいで、

いつも23 時頃に帰ってくるの」

「いや、相当ジョギング好きなんですね」

「ほんと、体力馬鹿なのよ」

とまあこんな感じ

長いので全部は書けないが、 ようするに、旦那は週休1 日しかなく、残り6 日間は、朝6 時に家

をでて、夜23 時頃に帰宅する

夕飯も朝ごはんも会社で食べるので、家では食べない

1 日の休みも、朝起きたらジムに行ってしまい、夜20 時頃帰ってきて、プロテイン等しか飲まないので、夕食も簡単なおつまみ程度しか食べない。


そのうえ、疲れているので、夜の営みも全くない。

結婚してから、夜の営みがあったのは新婚初夜のみで、それ以降は何も無い。

という話。

これは要約しているけど、これが詳細に延々と2 時間続くのだ。

これを読むと、じゃあ奥さん誘ってるんでしょ?

と思うかもしれなけど、そうではない。

というか、旦那が抱かないのもわかる。

これ以上は言わないが。

しかしよく結婚したなと思う。

たぶん、浮気というか間違いなく浮気でしょ? これ。

形だけの結婚ってこういうことを言うんだろうなと思ったのでした。


勤務時間

ここで勤務時間について書いておきます。

朝は7 時に事務所に向かいます。

事務所に入ったら、掃除を開始します。

その後、ミーティングを行い、8 時30 分頃会社を出発します。

1 件目のアポは大体9 時過ぎから10 時

1 件の平均滞在時間は約2 時間なので、1 件目が終わると、昼休憩となります。

2 件目は、13 時頃がアポの時間になります。

大体15 時頃に終了するので、ラストは16 時頃

これで1 日のノルマ3 件となります。

ただ、門前払いされた場合や、2 時間ではなく、1 時間や30 分で終

わった場合には、次のアポを入れられてしまう為、この時間がどんどんスライドして

遅くなります。

ようするに、売れない人間程、帰宅時間が遅くなるわけです。

また、次のアポが取れていない場合もあります。

おばちゃん達が必死に電話していますが、アポが全営業社員に行き渡らない日もあります。

その場合、指定された市や町で待機することになります。

週に2 回程、夜8 時頃より約2 時間から3 時間

事務所で研修と称した、社員に対するシュミレーション特訓が実施されます。

特に成績の悪い社員に対し、成績の良い社員が、指導を行うわけです。

これも本当にメンドクサイのですが、全員必須参加なので、嫌々参加します。

休日は土日です。

著者のYamamoto Yuriさんに人生相談を申込む