結婚恐怖症と罪と罰と〜砂粒のようなチャンスを生かす方法〜

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人間はこれほどまでに

恐ろしく自己を制御出来なくなることを知りました。

まったく哀れな男です、

哀れというより学びも何もない男です。


やる気も気力もなく

日増しに痩せこけていく私

ただ惰性で仕事をする日々


もちろん、クライアントの前では

笑顔を見せながら気づかれまいと必死でした。


そして11月に入ったある金曜の朝

会社へ向かう電車の中

運命の女性と出会うのです。


*****


この男は何を学んだというのか


東横線武蔵小杉駅のホーム、

私は渋谷方面行きの電車を待っていました。



遠くにちょっと気になる女性が

それが運命の一ページになることに

まだ気が付いていませんでした。


最後尾の車両に乗り込み

無意識に空いてるシートに座る。


目を上げると

先程の女性が目の前に座っているではないですか。


これからどこに行くのだろうか

それにしてもなんとも幸せな顔をしている

自分とは真逆の明るく健やかな表情に

心が一瞬で惹かれていくのが分かりました。


あの時の気持ちは

“DNAが反応した!”です。


気が付くと、カバンから名刺を取り出し

自分が降りる学芸大学の駅で

その女性に渡していました。


それも、“すみません”

たった一言だけ添えて。


相当気持ち悪かったと思います。

ただ、自分の名前だけでも

その女性が一瞬でも目にしてくれるなら

それだけで幸せ、そんな気持ちでした。


ヘンタイですね、フシンシャですね

その日、そのことを友人に話すと

“まったく意味が分からない行動ですね”

そう言われました。


その通りですね。


しかし、その夜・・・


11月の忘れもしないあの寒い夜

早めに布団に入って寝ていた私


携帯が鳴って出ると

以前勤めていた会社の社長からの飲みの誘いでした。

飲める気力もなくお断りし

電話を切ります。


布団に入り目をつむると

また携帯が鳴るのです。


“はい、だから今日は無理です・・・”

“あの~、今日名刺をもらったものですけど”


???!!!


えぇ===あうおえぇえええ===!!!!!


今朝の電車の女性からの電話でした。

“渡された名刺の意味を教えてください”

私は、素直に、あの時の気持ちを伝えました。


あまりに幸せそうな表情だったこと

正直、私の中で好みだったこと


電話を一分一秒長く話したかった私

あとは何を言ったかまったく覚えていません。


後日、食事をご一緒する約束をし

体の中に何ヶ月ぶりに血が流れ出すのを感じました。


初めて一緒に食事をした自由が丘のお店

そこでこの私

馬鹿正直に二度の離婚の話をしていたんです。


そりゃドン引きですね。


でも、もう失うものはない私

こうして好みの女性と一緒にいるだけで

幸せでした。


それから何かの間違いだろうか

運良くお友達として

スタート出来るのですが


ある日、その女性の携帯が全くつながらない日がありました。

翌日、会ったときにこんな言葉が


“彼氏と別れてきた”


!!!


彼氏がいたんですね。

でもそれは、私に交際を申し込んでもいい、という

相手からの許しの言葉でした。


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