原因不明の肝疾患で肝移植してから約10年, 闘いは今も続く その③ はじめての長期入院

前話: 原因不明の肝疾患で肝移植してから約10年, 闘いは今も続く その② 原発性硬化性胆管炎 診断確定
次話: 原因不明の肝疾患で肝移植してから約10年, 闘いは今も続く その④ ERCP再び~肝移植へ

かゆみとだるさ

ここまでの約1年半で、原発性硬化性胆管炎(PSC)の診断確定が確定し、それから2年程は定期的な通院・検査を続けるだけで、特に大きな変化もありませんでした。

しかしこの年(2004年)の夏前から、肝機能の異常が具体的な症状として出始めてきます。


まずひとつが、《だるさ》です。

よく肝臓が悪くなると身体がだるくなる, といいますが、まさにそれです。

通勤の電車待ちのときに毎日のようにホームで座り込んでいたり、仕事場に着いてからも始業ぎりぎりまで仮眠できるところで寝ていたりと、尋常ではないだるさがありました。


もうひとつが《かゆみ》です。

皮膚のかゆみですが、こっちはかなり悩まされました。

なにせ全身がかゆくてたまらなく、手足は血が出ても止められないぐらい常に掻き毟っていました。掻いたところでかゆみの原因がなくなる訳ではないので、掻き続けてしまうのです。

かゆみは生活に支障をきたすレベルにまで至っていて、皮膚科の診察を受けようと思っていました。


このときは肝機能由来でこういった症状が出るとも分からず、疲労の蓄積やアレルギー症状(鼻炎から皮膚炎になることがあります)が原因と考えていて、そのことが分かったのは後からでした。

また、これだけ症状が出ていれば、黄疸で眼や肌が黄色くなっていてもおかしくはないのですが、当時はそれを確かめることもしていませんでした。

(これから先は、体調おかしいな, と感じたらまずは鏡で眼や肌の色を見てみることが習慣となってきます)

胆管狭窄

そして並行するようにMRCPの画像からも、胆管が狭窄している様子がはっきり分かるようになってきました。

血液検査・画像診断・自覚症状と、各方面から疾患の進行が表面化してきました。


そこで、医師から、より詳しく状態を診るためにERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査)という検査を打診されました。

どういう検査かというと、

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1.口から内視鏡を突っ込んで胃を通じで十二指腸まで進める

2.この内視鏡から胆管に、細いチューブを使って造影剤を入れる

3.胆管のレントゲン画像を撮影する

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という手順で行う画像診断です。

また、実際に胆管まで進めた内視鏡を使って、狭窄部位を拡げたり、狭窄進行を抑えるためのステントを入れたりという処置もできます。

PSCは今をもって効果的な治療法はないのですが、このような対症療法は可能とのことでした。


以前の肝生検のときと同じく検査することには何の問題もないのですが、ERCPも入院が必須であり、障壁となるのは入院期間です。

今回は期間が2週間程度は必要ということで、即決もしにくかったのですが、結果的には避けては通れない検査・処置ということで納得し、この話が出た日に日程まで決めてしまいました。

ERCP1回目(失敗)

さて入院です。

このときも入院初日は前準備や検査だけで、数日後に実施, という流れでした。

ERCPは今まで合計6回していますが、当時は喉元の麻酔と軽い鎮静剤ぐらいしか使わない状態でするのが一般的だったようです。

私のときもそういう状態の下で、太い内視鏡を口からどんどんと入れていくため、かなり身体への負担が大きかったです。元々嘔吐反射もきつい方なのが余計に作用するのかもしれません。

実際にかかった時間は1時間程度でしたが、その間、ずっと内視鏡でいじられている訳で、途中からはもうぐったりです。

結果なのですが、胆管狭窄がそれまでの検査で予測されていた以上に進行していたため、内視鏡を上手く進めることができず、中断となりました。

失敗です。

画像撮影はできて、狭窄の様子は確認できたが、予定していた狭窄部の拡張はできなかったと説明されました。

ここで初めて、

非常に厳しい状態です

ということと、近い将来のこととして、《肝移植》について詳しい話がありました。

が、まだまだ本人の中では現実問題として降りかかってきているという認識はありませんでした。


ERCPについては、入院期間を延ばして再度行うことに決まりました。


ERCP2回目(なんとか成功)

2回目のERCPの準備として、炎症を抑え、胆管の狭窄をすこしでも和らげるためにステロイドを使うことになりました。飲み薬です。

ステロイドの効果を発揮させるためには、短期間で大量の摂取が必要で、さらに副作用を抑えるため、一度始めると期間をかけて徐々に量を減らして中止する必要があります。


ただ決められた量の薬を決められた時間に飲むだけという、とてつもなく退屈する日々が始まりました。

これだけで2週間ほど使ったでしょうか。


そして再度ERCPです。ステロイドの効果もすこしはあったようで、前回より内視鏡はスムースに進められ、胆管狭窄部の拡張とステント留置もできました。

狭窄部の拡張は、内視鏡の先につけたバルーンを胆管狭窄部まで進め、空気を入れるように膨らませて行います。これが実際に空気を入れて膨らませるのですが、メリメリメリ・・っと膨らんでいく感覚が分かるのです。

この処置で狭窄を一時的には抑えられますが、放っておくと同じように徐々に進行していくので、それを防ぐためのステントを膨らませた箇所に置きます。

後は、入れてきた経路を遡るように内視鏡を抜いて終了です。


はじめての長期入院

さて、一応はERCPが上手くいったので、あとは経過をみて問題なければ退院, なのですが。

予定通りいかないのが今回の入院です。


ステント留置が合わなかったらしく、当日から高熱が続きました。もう尋常ではない発熱で、時には40℃を超えることもあった程です。

結局、折角入れたステントですが、すぐに抜いてしまうことになりました。


しかしそれだけでは発熱が治まることはなく、食事再開ですぐに発熱したり、夜中は毎晩発熱で汗びっしょりになったりと、延々と入院期間だけが延びていきました。

※この時点で入院から1ヶ月弱で、その間ほとんど絶食で、栄養は点滴で補給していました。


どうにか発熱しなくなり、退院できるようになるまでにも日数がかかり、入院期間は当初の予定を大幅に過ぎて約1ヶ月半に及びました。


ERCPでの処置は一定以上の効果はあり、およそ1年間は安定した状態が続きました。

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