何をやっても中途半端の意識高い系が社長になった。

次話: 何をやっても中途半端の意識高い系が社長になった。第二回

自分は特別なんだと思っていた20代。からの現実。


今までの人生を振り返る。ずっと無難に生きてきた。

でも、20代の頃は社会のしくみもわからない無邪気な青年だったとおもう。

その頃務めていた会社の上司がいってくれた言葉が思い出される。

部長
貴方は熱意もあるし、きっと将来社長になれる器だからがんばりなさい。
わたし
ありがとうございます(俺は将来社長になれる素質あるんだ!)


そんな会話を幾度となくうけながら過ごした。そしてそれにこたえようとがむしゃらに仕事をして、昇進もしていた。

でも、あることがキッカケで転職をした。

それまでの自分はやりたいことがなかった。

ただ、誰かに必要とされたくて自分が必要とされるようやりたいことがある人に共感し

そのお手伝いをして、一緒に共感し自分を認めてほしかったんだと思う。


そんな自分があるときグラフィックデザインの仕事に興味を持ち始めた。

職場では当時MacG3が出たばかりでイラストレーターやフォトショップをつかえる人がいなかった。その2つをつかった広告デザインなどをおこなう部署を立ち上げなければならなかった。


今までの人生で1番になることはなくても、たいていの事はそつなくこなすことには長けていたので

すぐに独学我流でイラストレーターやフォトショップが使えるようになっていた。


上司の『将来社長になれる器がある』の言葉が潜在意識にあったのかもしれない。

自分は特別な人間なんだとおもった。

そんな自分が広告部門のリーダーになった。


もともとそういった事は好きなほうだった、時間を忘れて覚えていく過程が愉しくて

どんどんのめりこんでいった。


『自分はそういった仕事がしたい』

『特別な自分なら、なにをやっても成功できる』

『ましてや自分がやりたいことなんだから成功する』

いま思えば何の根拠もなく、思い付きの感覚だけでこの選択をしたことを後悔している。


グラフィックデザイナーをめざした

社長の器があるといわれた会社を辞め

飛び込んだグラフィックデザイナーの世界。

当たり前の現実がそこにはまっていた。


独学我流で覚えた知識や技術など、クソ以下の価値しかなく。

知らないことばかりで、これほど身の程をしらされた経験はなかった。

Macをさわることもなく、日々資料整理に明け暮れる毎日。


以前は部署のリーダーをしていた自分がこんな雑用ばかりしている。


『きっとここは自分の居場所ではない』


社会人になって初めての大きな逃避行動だっと思う。


そんな自分を正当化する言葉


『俺は社長になる器なんだ!特別なんだ』


自分が変わることよりも、環境が変わることで今がよくなるという幻想で

アッサリと数か月でその職場をあとにした。


やめたものの、自分が働ける職場がない事に

やめた後に気づいた。

なにも考えていない行き当たりばったりの性格が、より自分に向けられた現実を突きつけてくる。


そんなときも心のなかでは

『俺は社長になる器なんだ!特別なんだ』


今思えば、体のいい現実逃避の呪文だった。

あんなに思っていた熱意(ただの衝動)を、あっさりとあきらめ


自分が生きるための職業を探している自分が居た。

『どこかきっと自分を認めてくれる人を見る目がある人がいる!』


もう呪文のようにとなえた

『自分は社長になる器で特別なんだ』

という呪いにもちかい自分を縛る言葉。


それに突き動かされるように

仕事を探し



とある派遣会社の面接官の仕事についていた。


人並みに恋愛をし、平平凡凡な毎日を繰り返し

『自分は社長になる器で特別なんだ』という言葉も忘れかけていた。

ただただ同じことの繰り返し


でも繰り返しではあるけど、安定でもなくただただ時間を浪費していただけだった。

無意識ではあるけど

潜在意識では呪いの言葉がずっと自分を責めてくる。

『自分は社長になる器で特別なんだ』


このままではだめだ。

でもどういたらいいかもわからない。

貯金もない、やりたいこともない

大した能力もない、熱意もない

でも、

生活しなきゃいけない。

変わらなきゃいけない!このままじゃいけない!

そういう衝動に駆られる。


あせって本屋に行けば

自己啓発の本ばかり手にして

『人は変われる』

そういった成功者の本ばかり読み漁り

読んだ自分に酔って

自分も変われると思い

そこで満足する

実際には何もしない。


そんなことを繰り返していた。


気づけば20代も後半になっていた。


そんなときに一つの転機があった。

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