次女の誕生日

著者: 永井 隆太
1年前の今頃、破水した妻がタクシーで一人
病院に向かった後、寝ている長女を見つめながら
これからの日々のことを考えていた。
長女は、1歳と11ヶ月。
まだまだ赤ちゃんな部分と、しっかりした
子供の部分が入り交じる、扱いにくい
年ごろになっていた。
入院中の長女の世話、仕事を片付けて休暇の取得、
何をどう進めていけばいいのか?
新しい命への期待と不安よりも、
幼い長女のことが心配だったような気がする。
長女は、破水してから3日以上たって、帝王切開で
この世に登場した。
長い長い、陣痛と戦う妻と数日間病院を行き来しながら
つきあった経験から、今回も勝手に長丁場になると
覚悟を決めていたのであった。
うとうととしていると真夜中にいきなり長女が目を覚まし
「ママ、ママ」と母親がいなくなっているのに気づいて
猛然と絶叫して泣き出した。
夜中に母親がいなくなったことはないので
相当不安だったのだろう。
だっこして、歩き回ると寝るくせのある長女も
この時ばかりは、まったく寝る気配をみせなかった。
30分ばかり近所を歩いて
最後には、病院に向かうタクシーに乗り込んだのが1時後半だった記憶がある。
分娩室につくと、看護婦さんがおめでとうございます。
と声をかけてくれた。
ムスメは、ママを見ると泣き止み近くに走りよっていった。その後、驚愕の光景を目にすることになる。
布団をまくると妻の横に、ちっちゃな赤ちゃんがいるのである。
前回は3日以上の死闘を経て、長女の出産に立ち会った私は、勝手に生まれてしまったいた次女:ムスメを見て、とても驚いたのです。
破水から、数時間でサクッと生まれた。。。。。
妻は、私は寝ている間に子供を生んでいたのである。長女が夜泣きをしたので仕方なく産院にきたのだが、看護婦さんも妻もメールを見て来たのだと思っていたのだ。。
おかげで、生まれたての次女にもあえて善かったのだが、出産に立ち会えなかったことが凄く残念でもあった。
その後、病室までエスコートしたのだが、個室にも関わらず、幼児の宿泊がNGのため、泣き叫ぶムスメを連れて家に帰らなければならなかった。
ムスメはずっとないていたが、家でだっこをしている間に寝てくれた。
翌朝は、しっかり一緒に朝食を食べて、また、妻に会いにいき、親子4人で改めて対面できた。
今振り返っても、長女と格闘した記憶ばかりが走馬灯のように過っている。
でも、あと2時間で次女の誕生日。
なるべく、彼女との思い出も作りたいと思うのであった。
そして、妻よ、ありがとうと言わせて欲しい。

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