福岡から歩いて日本を一周する間に出会った人や出来事のお話

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次話: 福岡から歩いて日本を一周する間に出会った人や出来事のお話 其の弐
著者: 白石 悠




8:タイトルの意味


山口県の周南市に着いた。


旅が始まって数日が経った。

相変わらず旅の要領がつかめないと言うか、毎日の野宿場所に四苦八苦し、風呂や洗濯のタイミングなどがわからなかった。


しかし気分は開放的ではあったので数日の間はその気持ちで誤魔化しつつ過ごしていたのだが、その日ある旅人と出会い気分が一変する事になる。


「よお、お兄ちゃん歩き旅?」

そこには自転車に荷物を載せた中年男性がいた。


「はい、でも福岡を出発したばかりでまだ旅初心者というか」


「あ、そう。俺は旅をもう6年やってんだけどさ」


「ろ、6年!?凄いっすね…」


「なんか兄ちゃんの持ってる装備なんか不安だね」


「そうですかね…?」


「ん?これからどういうルートで行くの?」


「今から太平洋側を北上して北海道を目指そうかと思ってます」


「えぇ?今から歩いて北海道!?北海道って盆過ぎたら寒いの知らないの?」


「いや、まぁなんとかなるかなって…」


「いやいや、北海道なめたらダメだよ!何?食事とかどうしてんの?」


「コンビニとかで買ってます」


「そういうのは6時過ぎてからスーパーに行って割引のお惣菜とか買うんだよ!」


「はぁ…」


「ラジオは持ってんの?」


「いえ」


「ラジオなかったら明日の天気わかんないじゃん!雨降ったらどうすんの?」


「そうですね確かに…」


「資金はどれくらいなの?」


「一応40万です」


「それちょっと少ないんじゃない?今から四国に行ってバイト見つけた方がいいよ!」


「そうですかね?」


「そうだよ!そもそも太平洋側北上じゃなくて日本海側にした方がいいな!そっちの方が近いし、まして歩きなんていつ着くかわかんないぞ!」


「そう、ですね…」


「そういえば非常食は持ってんの?」


「いや、それも持ってないです」


「なんだそれ、今まで出会った旅人で非常食持ってないの君が初めてだよ」


「…………」


「正直君は旅はしない方がいいかもね、特に歩いて日本一周なんて」



……………



かなり凹んだ。

やっぱり無謀なのかな…。

今から北海道に行くなんて。




そう思いつつも歩みを辞める訳にもいかず、足取り重く前に進むしか今の僕にはできなかった。





9:自分の信念

おじさんと別れた後僕はどうしたかと言うと


実は全部無視した(笑)


太平洋側を北上するのは絶対に曲げず、特にアルバイトもしなかった。


北海道に着いてやっぱり俺が正しかった!と、もう会う筈もないそのおじさんに言ってやりたかったから。


旅は進みついに一つ目の県、山口県を抜け広島県に着いた。

よし!!よし!!よし!!県を越えた!!


途中で買った地図を見返すと山口県だけで10日かけて歩いていた。


と、10日か……。これがあと最低でも46残ってるわけか…。


あんまり先のことを考えると目眩がするので辞めた。


とにかく広島県についてから1番最初にお目見えしたのが


「世界遺産・厳島神社」


そもそも広島にこの神社があることも知らなかったし、日本三景って言葉も知らなかった。

今までテレビや新聞なんかで見たり聞いたりしたことある物を自分の目で見れるんだな旅って…。

そう思うとこれから何が見れるのかまた楽しくなって来た。


日本三景か…よし!日本三景全部見たる!!



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ここまでご拝読頂いてありがとうございました。

このストーリーを書いてます現在も旅をしている最中です。

これからは旅で経験した出来事、出会った人たちの事などをストーリー別に綴っていきたいと思ってます。

是非応援していただけると幸いです。

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福岡から歩いて日本を一周する間に出会った人や出来事のお話 其の弐