10伝えたいことを、10話したらダメだとうこと

著者: 塩川 誠

先輩「あのな、今からお前に大事な話をしよう。自分が言いたいことが10あってとしてだな。それを伝えるとき、どのぐらい伝える?」

後輩「そりゃあ、素直に10言いたいなら、10伝えればいいんじゃないですか」

先輩「ああ……。そう思うだろ。俺も昔はそうだった。しかしな、これが肝心なんだけどな」

後輩「何ですか?」

先輩「10言いたいことを10伝えようとしたら、相手に伝わるのは限りなくゼロだ!」

後輩「そ、そんな馬鹿な」

先輩「いや、これマジ。いるだろ。ずっと自分の話ばかりしてくるウザいやつ」

後輩「酔ったときの、先輩とか」

先輩「うるせえ。まあ、俺はともかく。相手が聞きたくないなと思ってるのに話しまくっても、まあダダ漏れだよな」

後輩「そうですね」

先輩「要するに、10言いたくて10話してしまったら、伝わるのがゼロなら、もう黙ってても同じということだ」

後輩「確かに。じゃあ、どのぐらいの比率がいいんですか」

先輩「経験上、自分の言いたいこと4割で、後の6割は相手の話を聞くぐらいがいいんじゃないか」

後輩「なるほど。じゃあ先輩、今からぼくの話を聞いてもらえますか?」

先輩「……」

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