ずっと気になっていたニューヨークへ。思いつくまま、ノープランで行ってみた。
☆
機内もこれまたすいていた。
私たちは、3人がけのスペースをシェアして
ゆうゆうと座席にすわった。
行きのDVDは「繕い裁つ人」。
日本独特の美しい世界。
緊張感があって美しい。
この美しい絵図らを見ていて、
そういえば、ふと、思い出す。
お寺育ちの私は、お客さんが来るたびに
3つ指をついて挨拶をさせられていた。
ってなことを。
形式的にそうさせられること。
いくら美しくたって、心がなければ、
形式には、意味がない。
気持ちがNYになっていた、私は
この独特の形式的な緊張感から解放されに、
いくんだ、ワーイ、NY!
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飛行機にすわっていたら拍子抜けするぐらい
あっさりとNY到着。
私たちはNYの地下鉄で
ホテルのあるマンハッタンを目指した。
「ボク、トイレに行きたいかも」
マンハッタンに入った頃、不安げに野村さんが言う。
地下鉄の中、トイレがどこにあるのかわからない。
駅にいた黒人のおじさまに聞く。
トイレはどこですかね?
黒人のおじさんは気前のいい笑顔で答えてくれた。
上にあがったところにあるさ。NY楽しんで〜!
黒人のおじさまの話し声は、
まるでJazzの生演奏のような響き。
不思議な満足感とわくわく感で、背中を押されて
私たちは地上に出た。
☆
地下から地上へ階段をのぼると、
そこにはまぶしいNYの日差しがふりそそいでいた。
マンハッタンの何番街なのか。
そびえ立つビルに刺すような光。
さっそうと歩く、白人、黒人、アジア人。
みんなカラフルでピカピカしている。
地下から出てきた私と野村さんは、
もぐらのようにアップアップしながら、
地図をなんとなく見てみるもよくわからず、
ホテルの方向と思われる歩きの流れに
よたよたと合流した。
トランクを引きずりながらも、
けっこうなテンポで歩きながら、
このまま行くと着くのかな?
ふと、疑問になり立ち止まる。
「大丈夫?」
NYのビジネスマンに声をかけられた。
ああ、そっか。この気さくさなつかしい。
ホテルの場所をつげると、
「そこまで、歩いていくなんて、頭がおかしくなるよ。タクシーにのって!」
適切なアドバイスにより、タクシーにのって、
ACEHOTELに無事、到着した。
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