流れに任せて遊んでいたら、大好きなNYに住めるようになった話。#3 大混雑の空港にこだまする「ビッチ!」の怒鳴り声

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なんとか乗り換え時間に間に合い、北京発ニューヨーク行きの便のシートにおさまることができた。あとはビールでも飲んで寝てしまえば、14時間後には到着だ。



14時間後、ほぼ定刻通りにニューヨークのJFK空港に到着する。


さあ、ニューヨークだ!




…でもまだ安心はできない。なぜならわたしには最後の関門、



入国審査



が待っているのだ。




以前のストーリー、【ニューヨーク滞在記#1】空港のカウンターで出国を拒否される?!


にも書いたけれど、わたしは無謀にも片道航空券でアメリカに入国しようと試みており、それを知った中国国際航空の職員に出国を拒否され、急遽その場でカナダ行きの航空券を取る羽目になった。


そう、アメリカは帰りのチケットまたは第三国への出国のチケットがない限り、入国できない恐ろしい国なのだ。



カナダ行きのチケットを取ったとはいえ、油断はできない。なぜなら中国国際航空の男性係員に、「大丈夫だとは思うけど、100パーセント入国できるとは限らないからね。そこは保証はできないから…」と不安になることこのうえない忠告を受けていたのだ。



「入国がんばってね!」という謎の激励も受けており、不安を背負ってわたしは入国審査に挑んだ。








飛行機を降り、しばらく通路を歩くと人だかりができている。まだ入国審査のフロアに入る以前の通路から、すでに列ができているらしい。まじかよ…時間かかりそうだなあ…。



そう思いながらもおとなしく並ぶ。周りは中国人だらけ。まあそりゃあそうだ。北京発の飛行機に乗って来たのだから。



少しずつ列が動き、係員が立つ場所までたどり着いた。



係員は列に並ぶ人たちのパスポートをチェックし、先に進んでもいい人、そのまま列に並んでいる人を振り分けている。



早く進みたいので自ら彼らの元へ行き、パスポートを見せる。


係員
ビザのページ開いて!
(え?ビザなんて持ってきてないよ!1週間くらいしかいるつもりないんだから)
ビザないです!
係員
いや、ビザ出して!ビザ必要だから!


わたしの頭に不安がよぎる。




もしかして、、、、、ビザないと入れない、、、のか、、、、、、!?





周りのを見るとみんなビザを提示している。マジかよ…ビザ必要なのかよ…ビザ……ビザ

………ビザって10回言って、、、ってそんなあほなこと言ってる場合じゃなくて!




一瞬パニックになりかけるが、待てよ。と冷静さを取り戻す。



日本人は、90日以内の滞在ならビザはいらないはずだ。それは間違いない。もしかしたら中国人がアメリカに入国するにはビザが必要で、だからみんなビザを持っているんじゃないか?そしてこの係員は、わたしを中国人だと勘違いしているんじゃなかろうか?





そうだ、きっとそうだ。





自信を取り戻し、係員に「わたしは日本人だ!」と伝える。






一瞬疑わしげな目でわたしを見つめたが、パスポートがわたしを紛れもない日本人だと証明している。パスポートを数秒見つめ、ついに係員はわたしに「行ってよし」の合図を出した。





よっしゃーーー!これでやっと入国審査のフロアにたどり着けるぞ!




少し歩いた先に階段があり、そこを下ると入国審査のゲートが見えてきた。


ようやく入国できる!とよろこんだのもつかのま。そこにはありえないほどの人、人、人!


おびただしい数の人が列をなしていた。





いろんな国へ行ったが、こんなにも人だかりのできた入国審査を見たことがない。一体どれだけ時間がかかるんだろうか……気が遠くなりそうだったが、とにかく並ばないことには始まらない。



しかし列が複数あり、一体全体どこの列に並んだらいいかわからない。



わたし
あの、どこに並んだらいいですか?
係員
日本人?エスタで来るの何回目?
わたし
2回目です。
係員
じゃああっちね!



指示された方向へ行くと、そこには何やらコンビニのチケット発券機のような機械が置かれていて、みんながタッチパネルを操作している。



なんだろうこれは……と戸惑ってあたりを見回すと、バックパックを背負った日本人っぽい人を発見!


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