ベルリンでStartup Bootcampのワークショップいってみた

著者: 矢野 圭一郎

色んな人が言っている通りStartupってとのは小さなチーム、あるいは準備中のグループ(いずれにせよ投資するために法人が必要になるけど)の一つの形態で短期間でEXITを狙うごくごく特殊な会社を指すのが本当の意味に近いものだと理解している。ベンチャー企業って言われてたのがいつからかスタートアップ(たぶんリーマンショックの後くらいでしょうか)と言われるようになって、その後、なんか起業したらスタートアップみたいなのは気持ちが悪いし、やってるひとたちより周りで応援したりしてる人たちのビジネスが潤っている。。これは多分あたらしいFinance(錬金術)のいち形態で、世の中のお金を回すためのハイリスクな金融商品みたいな位置づけなんだろうと勝手に想像している。逆にそうでないのは普通の零細企業や中小企業(いい意味でも)。ふつうにいい会社を作るって考えるとあえて自らハイリスク商品になる必要ないのだろうけど、いっぽうでお金が回らないとものごと進まないのも事実。

この前Startup Bootcampというアクセラレーター事業者がやっている投資についてのワークショップ(実際は講座)が自分がたまにいるThe Place Berlinという所でたまたまオープンにやっていたので受けてみた。講師はその道に詳しいというニューヨークの弁護士。面白いと思ったポイントを幾つか

25人くらい受講者がいる中で実際に会社を設立した経験あるひとは2人 (実際にCoWorkspaceでもそんなもんなんだろか)

USの投資家はUSの企業しか基本投資しないとのこと(効率性考えると自然かも)

投資関係の書類のフォーマットはドイツでもどこでも基本はUSフォーマットと同じである場合が多い。

法人設立は法人税も高く結果的に高コストになるドイツは好まれない。USか、アイルランドあたりがおすすめとのこと。(これをベルリンで言っているところがポイント)

Convertible Noteがシード調達にオススメとのこと。(初めて聞いたので調べてみたらUSのシード投資で最近増えている様子。)

https://gust.com/に登録するのもいいよ、とのこと

全体的な感想としては、Startupって現象は世界的にもかかわらずやっぱりローカルとは全く違うもので、どこであるべきか?は全く関係ないということ。仕組みは大部分がUSで創られて伝播されていること。そして、US中心のいろんな仕組みがこういったCoWorkスペース等を通してどんどん浸透していくんだなあと。ドイツ人の一般人は感覚的にUSのやり方を嫌う人が多いので、なんか変な違和感。そういえばCoWorkspaceはどこもドイツ人じゃない人がおおい。そのながれからいうとベルリン=スタートアップ都市というのは成り立たない。僕が受けたメッセージは ”ベルリンのみなさん、是非USで会社設立してくれたら、USフォーマットで投資するから頑張って” でそれは変にしっくりきた。ほんとにもう、どこに住んでいるとか関係ないなーと。逆にUSフォーマット以外のスキームってあんまり情報が外にでないというか、ローカルな世界ってグローバルな世界とは色々違うので、あるいみブラックボックス。

ベルリン市は色々税金使ってベルリン=スタートアップ都市キャンペーンを行っているけど、狙ってるのは法人税払ってくれて現地の雇用増やす事であって、皆が海外で法人つくってUSフォーマットが増えてきたら基本こまるはず。でもこういうアプローチをすると、けっかグローバルなお金の流れが入ってきて、国としては諸刃の剣になるかも。そういうのを規制したりするのが法律なのかな。なんか世の中いろいろ絶妙なバランスで成り立ってますね。

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