8話 寒い

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と、どれだけ文句を言ったところで現実は変わらない。

ストレスをぶつける相手もいない。

荷物のサービスセンターみたいなところに並ぶ。

後ろに並んでいた北欧人っぽいおじさんに「どうしたの?」と声をかけられる。

『バッグがないんだよ~』

「私もだ。全くどうなってるんだ!」

静かに怒っているようだった。そーだよね!怒るよね!困るよね!腹立つよね!

怒っているのは自分だけじゃないと思って少し気持ちが楽になったサンジョーであった。

・・・しかし、英語力が上がるわけではなかった(汗)

案の定カウンターで何を言われているかよくわからない。なんとなくで通す。

荷物が見つかったらホテルに電話する。と、言われたと思う・・・

書類を書いて他の場所へ行けと言われる。

案内通り他の場所へ行って手続きみたいなものをする。

こちらでもやはり何を言われているかわからない。

相手もテキトーに案内していいわけではないので何度も同じ言葉を繰り返す。

なんとなくニュアンスを理解して、多分大丈夫だと思って『イエス』と『ノー』だけで会話は終了。警察みたいな人と話して、こりゃまた何言っているかわからないからなんとなくで終了。

空港の人から1泊分のアメニティをもらったけれど足しにならない。

というか手荷物が増えて邪魔だ。いや、ありがたいから持っていくけれどね。

空港からの送迎バス予約してあるところへいく。

なんかイメージと違う。

冷たい!!!

バスは往復分予約してある。

予約書を往復分のチケットと交換するように日本の旅行会社に言われていた。

しかしながら片道分だけ渡される。

え!帰り道の分もちょうだいよ!というと、予約書は自分で持っていろと言われた。

いいのか?これで・・・話と違うけれど・・・

現地の人がそういうのだから仕方ない。

帰りのバスも予約してある。何時にホテルに来るのか確認するように、これもまた日本の旅行会社に言われていた。

訊いてみても「知らねーよ」みたいな顔をされる。

・・・

最後に、バス乗り場はどこか聞くと、愛想のない顔でバス乗り場の場所を案内される。

別にこの人が悪いとは思わないけれど、心弱って言葉が通じにくい時にはキツイ。

空港の外に出てバスを待つ。

ビューーーーーーーー!

ものすごく風が強い。

防寒着は預けたバッグの中にあった。空港を出て寒かったら着ようと、バッグを開けたらすぐに取り出せるようにしてあったのに・・・あ~・・・なんかあの時間を思い出すと泣けてくる。


寒さと英語の通じなさのダブルパンチの嫌なものを抱えながらバスを待つ。

バスは30分に1本。

次のバスが出るまで20分ぐらいある。

この格好でサンジョーはバスを待つのか・・・

サンジョーの後ろに並ぶヨーロッパ系男女が不思議そうな目でサンジョーを見る。

(もしかしたら気のせいだったかもしれませんが・・・)

アジア人がほとんど荷物も持たずに寒そうにしているのだから気になったのだろうか。

普通アジア人は長い滞在のためにスーツケースを持っているからね。

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