【3】痛みと温度が同居した日 ~決意の瞬間~

前話: 【2】痛みと温度が同居した日 ~ブラウン管の向こうに想像した世界~
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中学校に入り 相変わらず地に足のつかない日々。
自らに押した できない子という烙印も もはや日常に溶け込んでいました。


いまなら よくわかる。
自分にとって そして誰かにとって ひび割れたように見えていたって
それは ちょっとした味わいなのだと。


変わらずに映画だけは愛していました。
たくさん見た訳じゃなかった。
こころに響く作品を何度もみた。

この頃はデビッドリンチ監督作品に魅せられていました。
TVで放送された ツインピークスシリーズは本当にすきだった。

人の闇が美しく思えたのは この作品のおかげ。
現実と夢が交差する世界。
監督はわたしに見えている世界を見ている人なのかもしれないと 安堵した。

そして わたしが愛してやまなかったのはジョナサン・デミ監督作品
ジョディフォスター主演の「羊たちの沈黙」
作品は非道なまでの残酷をうちつけるモノで好きだったわけではない。
わたしが恋をしたのは主人公クラリスの 瞳 。

その瞳はガラス玉とシャボン玉のあいだにあった。

とても強くて でも弱くて 
怯えているのだけど やさしい。

大人なのに・・・
とても素直で正直なその瞳に恋をした その時

わたしは女優になることを決めました。
そして必ず 映画で主演デビューをすると。

その時、13歳。

そして3年後の15歳のトキ

わたしは生まれてはじめて出逢ったのです。

息づく鼓動と衝動を おさえられないほどの自分に。




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【4】痛みと温度が同居した日 ~息を切らせて本屋に駆けた あの日~

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