第三十九話 すいません写真を撮ってもらえませんか?(鳥取県島根県編8月18日)~偶然は神様がくれたボール 運命は女神とのキャッチボール~全国47都道府県ツアーから得たこと

前話: 第三十八話 Saya受かったと思うよ!!大阪府和歌山県編(8月17日)~偶然は神様がくれたボール 運命は女神とのキャッチボール~全国47都道府県ツアーから得たこと
次話: 第四十話 教え子が、教える側に回った日(島根県編8月19日)~偶然は神様がくれたボール 運命は女神とのキャッチボール~全国47都道府県ツアーから得たこと

第三十九話

すいません写真を撮ってもらえませんか?

大阪府大阪市⇒鳥取県米子市⇒島根県出雲市編
前回までの補正移動距離 8853.7km
区間移動距離 319.6km
概算総移動距離 9173.3km

≪大阪府大阪市 阪急梅田高速バスセンター≫

8月18日AM10:00
 山陰方面へは、JRを使って行くルートと高速バスを使っていくルートがある。
 俺は、安さ重視で高速バスを使った。
 
 バスに乗っていたら、旅で出会った女の子達から、Lineが鳴り出した。
 「出雲いいですね」
 「私も出雲に行きたいんです」
 「幸せになるように祈っておいてくださいね」
 島根県の出雲大社は、縁結びだけでなく、パワースポットとしても有名である。
 何か、役に立つ≪サービス≫は、作れないかと、出雲の街を歩き、調べてみようと思っ
た。
 そんな色々を思いつつ、エントリーシートを眺めながら、添削をしていたら、あっとい
う間に鳥取県の米子駅に到着した。

≪鳥取県米子市 米子駅≫

8月18日PM 2:20
 駅に着いたら、島根県の出雲市に行く列車まで、1時間ほど時間があった。
 そこで、周囲を散策していると、旅行バックを持ったおしゃれな女の子を見つけた。
 『どうも。こんにちわ。どちらから、来られたんですか?』
 と俺は尋ねた
 「岡山へ買い物した帰りなんです。」
 『えっ、この辺ではお買いものしないの?』
 「岡山の方が、色々なものを買えるので」
 こうやって、会話をしていくことは、未知の発見につながる。
 『俺は、全国一周して可愛い人を写真に撮っているんですけども、もしよければ…』
 「いいですよ。迎えの車来るまでに撮れますか?」
 『はい。チーズ』





 『また、いつの日か会いましょう』
 頭を下げ、俺は島根県出雲市に行く列車のホームに向かった。

≪島根県出雲市 出雲大社≫

8月18日 PM4:30
 山陰本線で、1時間強。
 列車は、出雲市駅に着いた。
 着いたら、直ぐにホテルにチェックインして、荷物を置き、出雲大社に向かうバス停に
向かった。
 なんとか、陽がある時間帯に向かいたかった。





 
 
 

 ここでは、面白いことがあった。
「すいません。写真撮ってもらえませんか?」
 と尋ねられるのである

 それも、女性の一人旅やカップルの方から、何人も。
 何人目かのときに、俺は口上を作り、言ってみた。
 「すいません。シャッター押してもらえませんか?」
 『いいですとも。おいらが撮る写真は、一人で映れば、幸せが訪れ、二人で映れば、永遠(とわ)の愛、家族で映れば、家庭円満、健康祈願だよ』
 「ほんとですか?じゃあイッパイ幸せ下さい」
 『あいよっ』
 こんな会話が、飛び交う街になれば面白いだろうなと思った。
 
 出雲大社を参詣した俺は、平成2年に廃止になった大社線大社駅を訪れた。
 
 線路の一部は、サイクリングロードになっており、もうこの線路を走る列車はいない。
 

 
 線路の上から、望む出雲大社の鳥居と夕焼けの風景を見て、俺もまた来れる様に、走ろ
うと思った。
 再び、歩きだして、一畑電車の出雲大社前駅に戻った。

≪一畑電車 出雲大社前からの車中にて≫

8月18日 PM6:40
 黄昏ていたら、時間が過ぎるのが早い。
 電車に間に合わない。時間も差し迫っており、出雲市へ行く列車は、一時間に
一本。
 列車発車7分前に到着し、映画の舞台にもなった車両を撮り、電車に乗った。


 その車内では、出雲大社で写真を撮ってくださいと言われた方がいた。
 『どうも。お帰りですか?』
 「あら。どうも」
 『どちらから、出雲へ見えられたんですか?』
 大社では、口上に夢中で、そういったことまで話す余裕もなかった。
 「神奈川県からなんです。元の同僚に鳥取に会いに来ていて、それで出雲に足を伸ばし
たんです」
 『俺も、神奈川なんですよ。今は、全国一周の旅の途中で、約1か月になりますね。』
 「何をなさっている方なんですか?」
 『小さい会社をやっていますが、学者です。喰うために会社を。逆に何をなさっている方なんですか』
 「学校で教える仕事をしています」
 
 こんな感じで、会話は始まった。
 聴けば、俺と大学が同じであること。

 同期の先生と、鳥取で会って、色々実現してみたい夢ができたこと。
(鳥取の生徒と神奈川の生徒で、一緒に学ばせたい。)

 そして、生徒さんに対する想いを色々と聴かせていただいた。
 素敵な会話は、どこでも出来る。それを改めて実感した。 

 出雲市駅に着いて、俺はこう言った。
 『良かったら一枚、このカメラで撮らせてもらってもいいですか』
 「イイですよ。生徒に、こんな面白いおじさんがいたって言いますね」
 『はい。チーズ』

 
おじさんというフレーズに苦笑いをしながら、彼女は、関東行のバスへ、俺は、ホテルへ、
向かった。

 別れ際に会釈をして
 『また、会えるといいですね』
 と言って別れた。

≪ホテルにて≫

8月18日 PM10:40 
 この旅、秋田で出会った学生さんと、夜パソコン越しで連絡を取り合う。
 昼間エントリーシートを添削していた学生だ。
 
 距離は、離れていても現代の情報機器を使えば、対面式の授業ですら、可能になる。
 この旅、そして写真撮影をきっかけに、俺の教え子になった。
 だから、全力で尽くすことが、俺の役目だ。
 「ミスター(俺のあだ名)。志望する職種への想いを見てください」
 『あいよ』
 パソコンからデータを見る。
 データから、文字に起こし、添削・修正する。
 『これは、こういう意味で書いたよ』
 「ミスター、ありがとうございます。好きと嫌いが聴かれているんですけど、嫌いがお
もい付きません」
 『うん。学生の世界では嫌いはある意味≪悪≫や≪ネガティブ≫だけど、ビジネスの世界では、≪普通≫や≪どちらでもいい≫また≪無関心≫が一番の≪悪≫なんだ』
 少しづつだけど、秋田の≪ドリカフェ≫が、始まりつつある。
 遠く離れた、島根県で、蒔いた種から、芽を出していることを感じた。


著者の日高 啓太郎さんに人生相談を申込む

続きのストーリーはこちら!

第四十話 教え子が、教える側に回った日(島根県編8月19日)~偶然は神様がくれたボール 運命は女神とのキャッチボール~全国47都道府県ツアーから得たこと

著者の日高 啓太郎さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。