わたしは変わっていく「奇跡がくれた贈り物」

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著者: 伊集院 歌子

わたしは変わっていく。
あなたと出逢って。

世の中には、無駄なことなんてひとつもないはず。
出逢いも、別れも、成功も、失敗も、笑顔も、涙も・・・。
だから、物事には必ず何か意味があるんだと思いたかった。
でも、やっぱりただそう言い聞かせているだけで、実際は違った。
想いを伝えなければ、こんなに悲しむことなんかなかったのに、とか。
どうせ終わるなら、どうして出逢ってしまったの、とか。
後悔ばかり。
そして、幸せな瞬間すらも、いつ終わるんだろうっていつも悲観的になって。
言いたいことも言えず、そんな後ろ向きで歪んだ恋愛が続いていた。

だけど、彼と出逢って・・・
わたしは変わった。

今まで、痛みを散らすために自分の心を誤摩化していた。
愛する人ひとりにどっぷり浸かってしまったら、湧いてくる独占欲に押し潰されることになるから。
それには、絶対に耐えられないから。
だから。
人恋しいときは優しい人に寄りかかった夜もあった。
逢えないときは華やかな場所に出かけた夜もあった。
自信がないときは温かい人に電話をした夜もあった。
いつも寂しかった。

でも、あの人がわたしを変えた。
愛する人とちゃんと向き合おうって思った。
人恋しい夜も、
逢えない夜も、
自信がない夜も、
彼だけを想ってたったひとりで乗り越えた。

わたしに安心をたくさんくれた人だから。
大切な時間をいっぱい一緒に過ごしてくれた人だから。
一生懸命わたしを守ってくれた人だから。


だから、もう幸せからも悲しみからも逃げない。
穏やかな時間が流れていても、何も問題は起こってなくても、
この先、彼を失ったときの自分がこわいからって、自らこの愛を手放したりなんかしないって…。

そして、わたしが変わったように、
あなたにも、この出逢いに意味があったと思って欲しい。
この恋があなたにとっても、特別なものになった、と。

わたしはこの恋を忘れない。
だから、少しでもあなたの人生に何かを残せていたらいいと思う。
ふたりでいる幸せを知ってしまったから、今までよりもっとつらくなるけど、
でも、それも真剣な恋に落ちた奇跡がくれた贈り物だと思って、
しっかりと受け止める。

終わってしまったけど、幸せな時間がたしかに存在したことはわたしが覚えてる。
いつか終わることがわかっていたから、
あなたとの幸せの点が、線につながることはこの先ないと気づいていたから、
だからこそ願ってたんだと思う。
ただただ願ってたんだと思う。


今が続いてくれれば・・・と。
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