第6話 ワクワクで生きる。【少し不思議な力を持った双子の姉妹が、600ドルとアメリカまでの片道切符だけを持って、"人生をかけた実験の旅"に出たおはなし】

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とにかくまた目標を探さないと!
頑張らないと!!



そしてその大学見学の帰り、

私はプツンと何かが切れたように、駅のすみっこで立てなくなってしまったのだ。



本当の本音



ヒドイ頭痛と吐き気となみだで、下を向いた顔はもうぐちゃぐちゃだった。



本音から逃げる言い訳探しばかりだった頭が、急に真っ白になった。

もう自分にうそはつけなかった。



 ーわたしの生きたい人生って?



人生で一番楽しかった時が思い浮かぶ。

それは子供の頃、双子のなっちゃんと毎日一緒にいた日々だった。


こどもの頃は最強だった。

今日が楽しくてたまらなくて、明日も楽しみでたまらなくて


毎日がキラキラしていた。



私の世界は、いつもカラフルで、

なっちゃんといた日々は絵本から飛び出したように、



ーそう、ワクワクしていた。



そのとき、ふと頭痛が止まったことに気づく。

球に力が抜け、何だか身体も軽くなった気がした。




小さいころ楽しくて何も悩んでなかった、あの感じに包まれていた。




そして顔を上げたとき、本屋が目に飛び込んできた。

正確には本屋ではない。

沢山並べられていた青いカバーの絵本が、しかもその一冊だけ、

本当に光って目に飛び込んできたのだ。




吸い込まれるようにその絵本を手に取ると、そこに書いていたのは




ワクワクして生きなさい。




という言葉だった。

そしてその言葉に、身体中の血が巡って行くのを感じた。



耳が熱くなって、お腹から何かがこみ上げてくる。




そう、これだ!!




もう私は何者にもなりたくなかった。

肩書も資格も、そんなものいらない。

もう、”自分で生きたい”。



ワクワクした自分の人生を、歩きたいんだ!

そして、双子のなっちゃんと!



それはすごい衝撃だった。

頭から雷が落ちたような、そんな感覚が身体を突き抜けた。




ワクワクした人生なんて、送ってはいけないと思っていた。

もっともっと頑張らないと!目標を建てないと!

自分の中の誰かが、いつも言っていた。




でも、答えは絶対にこれだった。

頭では何も考えれなかった。



身体が、ココロが、”これなんだ!”と

全身全霊で反応していた。



ノートいっぱいの答え



そのまま急いで恵比寿の自宅まで帰る。

どうやって帰ったかはもう分からない。



振りまくった炭酸がはじけたように

身体中がスパークして、ワクワクがとまらなかった。



家に帰ると、書きかけのノートをひっぱりだし、床に突っ伏したまま

とにかくワクワクする事を書きなぐった。



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