「来年まで待てない人がいる」高齢者へ"バーチャルツアー"で季節をお届け!
「今年のお花見は自粛して来年まで待ちましょう」
この呼びかけをメディアで一斉にされたのは今年3月下旬のことでした。この報道を見たとき、コロナ禍での納得と「来年まで待てない人がいる」という思いが同時の頭を過ぎったのを今でも覚えています。
そこで、来年まで待てない方々に向けた、高齢者向けバーチャルツアーを配信し、高齢者施設や病院、訪問看護などで活用いただいています。
はじめまして。
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル 代表取締役 春山哲朗と申します。当社は介護関連の商品やサービスの開発・販売を行っている会社です。その一つのサービスに要介護度の高い高齢者専門の旅行事業『Good Time Travel』があります。
例年であれば、1月~2月にかけて春先のお花見ツアーを高齢者施設から受注を受けます。しかし、本年はコロナウィルスの影響で受注していたツアーも全てキャンセル。理由は、コロナウィルスに感染した場合の重篤化、クラスターリスクがあるからでした。
来年まで待てるのは、僕たちだけだ!
3月下旬、桜前線が北上してきた頃、連日コロナウィルスのニュースがメディアを独占していました。そんな中、日本全国のお花見スポットも今年は中止を発表。ニュースを見ながら「今年はしかたがない」と寂しくなる気持ちを抑えこんだ一方で、例年当社のお花見ツアーに参加いただいている高齢者施設のお客様の顔が頭を過ぎりました。
「来年まで待てない人がいる!」
「僕たちは来年の桜が見れても、今年の桜が最後になる人がいる。」
「こんな時だからこそ、喜んでもらえるエンタメを提供したい。」
と強い気持ちになり、いてもたってもいられなくなったのです。
桜の映像+お花見弁当+友人との会話=バーチャル花見
強い想いとは裏腹にどうすればお花見ができるのか初めは検討もつかなかったのですが、お花見に必要な条件をピックアップしてみることにしました。
- 桜の木の下で、
- お弁当を広げ、
- 友人、家族と談笑
この中で今年叶わないのは「桜の木の下」に行くことだけ。それであれば、桜の映像を提供し、高齢者施設内でお花見弁当を注文してもらえればご入居者同士で談笑しながら“バーチャル花見”が完成すると繋がりました。
「来年もバーチャル花見がしたい!」が50%!?
4月初旬から桜の開花状況を確認しながら桜のスポット5カ所を撮影。4月13日には当社YouTubeチャンネル「Good Timeチャンネル」で配信しました。
4月下旬、当社のお客様からお喜びの声が届き、その内容に驚かされました。
それは「来年もこういう形でお花見がしたい」と半数の方が思われたとのことです。高齢者にとって外出することはその日の体調に左右されることや、出かけても直ぐに疲れてしまうから、なかなか楽しめない方もいます。
このバーチャル花見は、あくまでリアルお花見のセカンドコンテンツだと考えていただけに、実行してみて新たなサービスの芽が生えたと実感しました。
『4 SEASONS Delivery Project』
よくよく考えてみると、コロナ禍でなかったとしてもあらゆる理由で外出したくてもできない高齢者は存在します。しかし、このバーチャル花見のような楽しみ方ができれば、外出できなくても新たなエンターテイメントになり得ると思いました。
恐らく年内はコロナ感染者数の増減を繰り返し、ワクチンの開発も間に合わない。外出できず季節を感じれない方が高齢者に増えると予測。そんな方に向けた映像をお届けする『4 SEASONS Delivery Project』を立ち上げました。外出できなくても日本の素晴らしい四季折々の映像を見て季節を感じてもらい、これが新しいエンタメになるのではと直感しました。
売上が見込めないサービスの予算は計上できない
強い想いや大義名分とは裏腹に大きな問題点が出てきました。それは映像制作と編集にかかる費用です。少なくても一つの映像制作費に30万円から50万円がかかります。1回、2回は当社で捻出できても、まだビジネスとしてなり得ていない以上、持続可能な展開は現状難しいと感じていました。
そこで、以前から興味があった共感を資金に変えるクラウドファンディングに挑戦してみることにしました。バーチャル花見はそれなりの反響もあり、多くの共感もいただけたので、想いをぶつけて新しい高齢者のエンタメを皆で創ろうと提案してみたのです。
当然80歳や90歳の方々からネットを通じてご支援いただけるわけではありません。また成功した時のコミットが高齢者向けの映像制作です。支援いただく方の年齢は30歳から60歳ぐらいまでと予測していたので、リターンメリットが少なく失敗するのではと心配の声も多くありました。
約2週間で目標達成し、達成率238%でフィニッシュ!
目標は秋と冬の映像制作費の約120万円。予想以上に大きな反響を呼び、クラファンスタートから13日で目標を達成。NEXT GOALに300万円を掲げ、本格的なバーチャルツアー2つの映像制作を追加したところ、合計308万円のご支援をいただくことができました。
『4 SEASONS Delivery Project in Autumn』
夏以降、GoToトラベルキャンペーンなどの効果もあり、これまで控え気味であった国内旅行は一気に息の根を吹き返しましたが、当然高齢者施設では気を許せない状況が続いています。僕たちは10月中旬から八ヶ岳の標高1200mの地点でロケを実施。八ヶ岳の雄大な山々の紅葉をドローンで撮影。また昔懐かしい暮らしや原風景を撮影するため古民家でも撮影しました。景色だけではなく、昔懐かしい自然豊かな暮らしを思い出してもらいたいと力を入れ制作し、11月16日に当社公式YouTube「Good Timeチャンネル」に公開しました。
今後の展望と想い
まずはクラウドファンディングでコミットした残り3本の映像制作を行うことです。しかし、僕たちの目標はこの3本で終わりではなく、持続的なエンターテイメントを提供し、高齢になっても最期まで楽しめる環境を創ることだと考えています。
そのためにはどうビジネススキームを創るか、今も模索しています。この想いに共感いただけ、協業いただける方と高齢期の新しいエンターテイメントを創りたいと思っています!是非、ご興味ある方はお気軽にご連絡下さい。
お問合せ先:
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル
tel:072-725-3388
mail:info@hni.co.jp
担当者:春山哲朗、渡邉由美
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