コロナ禍で閉店寸前の飲食店が、新たにオンラインサービス『バーチャルチアガール』の事業開始が出来た理由
『バーチャルチアガール』スタートまでの経緯
弊社は、設立3年目の小さな会社です。私は代表の船原新と申します。
「がんばりたいあなたを応援する、元気になれる新しいカフェ」をコンセプトに、チアダンスカフェ『チアーズワン』を2019年11月にオープンしました。
池袋にオープンした店舗は12坪・全15席の本当に小さな店舗で、隣のビルにはラブホテルがあるなど決して立地が良いとは言えません。
店舗の順調な滑り出し
オープンした『チアーズワン』は、そのコンセプトがお客様に好評で、一緒に盛り上がってくださるお客様や、感極まって涙を浮かべるお客様もたくさんいらっしゃいました。
私は、お客様のキラキラした笑顔を拝見するたびに、誰かに特別な体験をもたらすこのビジネスにはこれまでにない可能性を感じずにはいられませんでした。
加えて、2020年に計画されていた東京オリンピックに伴うニーズの高まりや、日本のチアリーダーのレベルの高さや若年層におけるダンス人口の増加などもあり、「この事業を軌道に乗せて、大きく育てていきたい」と強く思っていたのです。
『チアーズワン』は、ありがたいことにスタッフにも恵まれました。
ガールズバーやコスプレ飲食店と勘違いされないために、チアーズワンでは自由な中にもチアリーダーがもつ「チアスピリット」の実践を意識しました。チアスピリットを体現するため、所属するチアリーダーには勤務中の立ち姿まで気を配るよう指導しているほどです。
「カフェのレベルでここまでする必要があるのか?」と言われることもありましたが、これが『チアーズワン』のこだわりであり、プライドです。
オープン以来、私が厳しくハイレベルなことを求めているにもかかわらず、すべてのスタッフがそれに一所懸命に応えてくれました。
そのこともあり、年末の忘年会シーズンにはたくさんのお客様がご来店くださり、2020年2月には銀座店をオープンするに至りました。
新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が発出
滑り出しは順調だったものの、その勢いは2020年3月後半でストップしてしまいます。
世界的に新型コロナウイルス感染症が流行していることを受け、3月後半から売り上げが激減してしまったのです。そこに、さらなる感染対策のために緊急事態宣言が発出され、その結果4月の売り上げはゼロになってしまいました。
緊急事態宣言が発出されているあいだ毎日池袋と銀座に行っていましたが、夜の銀座の人の少なさは、まるでゴーストタウンのようでした。
いつもたくさんの人が行き交う銀座の街は、人が増え始める夕方でもしんと静まりかえり、「新型コロナウイルスの影響はここまで深刻なのか」と愕然としたのを今でもはっきりと覚えています。
緊急事態宣言が終わればお客様は戻ってくるはず。でも……
緊急事態宣言が発出されてからというもの、不安な日々が続いていました。しかし、どこかで楽観的に考えていたのも事実です。
遠くない将来、このコロナ禍の日々が落ち着きを取り戻し、緊急事態制限が解除されればお客様も少しずつ戻ってきてくださるはずだと考えていたのです。
そこで、私たちはいつでも営業が再開できるよう、準備をはじめることにしました。
お客様の不安を取り除くため、海外における飲食店の感染症対策などを参考にしながら、飛沫感染や接触感染を防ぐ独自の対策を考えたのです。
新型コロナウイルス第二波到来でピンチに!心優しいスタッフに感謝
万全の対策をとったうえで営業を再開しましたが、お客様はかんたんに戻ってきてくださいませんでした。
毎月約250万円以上の赤字が出ていましたが「もう少しがんばればお客様が戻ってきてくださる。それまでの辛抱だ」とスタッフ同士励ましあいながら、営業を続ける毎日――その甲斐もあって、5~7月と少しずつ売り上げが戻ってきました。
しかし、ここにきて二度目のピンチが私たちを襲います。新型コロナウイルスの第二波がやってきたのです。
このとき初めて「カフェだけでは事業の継続が難しくなるかもしれない」と強い不安を抱きました。時を同じくして、これまで店舗を支えてくれていたスタッフも、半数が見切りをつけて去っていきました。
それでも、半数のスタッフが残ってくれた――このことが、私の支えになったのは言うまでもありません。
現在も、Bリーグやテーマパークで踊っていた方などプロのダンサーなどダンススキルを持つチアスタッフが多数在籍しています。
資金が底をつく前になんとか資金を調達せねば……政府や自治体に感謝
残ってくれたスタッフのためにも、なんとしてもこの難局を乗り越えなければなりません。
そこで、私はふたつのことを実行しました。
ひとつは、コロナ禍を乗り切るため・新しい手を打つための資金調達です。
政府や自治体が提供しているありとあらゆる給付金・助成金・協力金の申請を行いました。この給付金・助成金・協力金は、大きな助けになりました。事業者のニーズにマッチしたものが多かったからです。
次に、日本政策金融公庫の「新型コロナ対策融資」と東京都保証協会の「セーフティ4号」に融資を申し込みました。
私事ですが、過去に起業した会社を倒産させたことがあったので融資を受けるのは無理だろうと思っていたのですが、なんとか審査に通り、融資を受けることができました。
政府や自治体の手厚いサポートに大変感激するとともに、心から感謝しています。
本来、事業というのは、すべて自己責任で行うものです。うまく事業が展開できれば大きな恩恵が受けられる一方で、うまくいかなければそれは個人の負債となります。
しかし今回は、どこの企業も厳しい状況に置かれています。
それでも、なんとか事業が継続できているのは、コロナ禍において打ち出された政府や自治体のさまざまな施策のおかげと言わざるを得ません。
ひとりの事業主として、政府の自助・共助・公助と絆の精神に強く共感しています。
8月21日バーチャルチアガールスタート!
もうひとつ行ったことは、私たちがお客様に提供できるモノ・コトの価値とお客様のニーズを見つめなおしたことです。
「がんばっている自分を認めてほしい」
「一歩踏み出す勇気がほしい」
「明日もがんばるためのエネルギーをチャージしたい」
そんなお客様のニーズに対して、『チアーズワン』が何を提供できるのかを一から考え直しました。
その結果行きついたのが、『バーチャルチアガール』です。
チアーズワンのミッションは「がんばりたいあなたを応援すること」です。
応援するのに一番大切なものは何か――それを考えたとき、距離ではなく「心」なのではないかと思い至りました。
距離が離れていても、チアガールのエールや「応援されることの価値」は、お客様に届けられるのではないか?
『バーチャルチアガール』は、大学生のアルバイトのスタッフがZoomを使って授業を受けていることがヒントになりました。
早速Zoomを通じてテストをしたのですが思うようなクォリティではなく、激しい動きのダンスや元気いっぱいのコールの魅力が伝わらず、もどかしい気持ちになったことを覚えています。
『バーチャルチアガール』のサービスがローンチに至ったのは、8月21日のことでした。
チアガールの魅力を余すことなく伝えるためにWebカメラやマイクにこだわり、何度もテストを重ね、ようやく納得できるものになるまで、実に3ヶ月近くかかったことになります。
現在は、少しずつ『バーチャルチアガール』をご利用くださるお客様が増えてきています。
実際に9~11月までの売り上げは着実に伸びてきており、この新しいサービスに大きな可能性を感じている昨今です。
『バーチャルチアガール』は、距離を問わずにご利用いただけるサービスです。
- 新たな一歩を踏み出す仲間を応援したい!
- 受験を控えた我が子を勇気づけたい!
- 失恋してしまった友人を励ましたい!
ご利用いただいたお客様にお話を伺ったところ、実に様々なニーズが見えてきました。なかには、5,000km以上離れた船の上からご利用くださったお客様もいらっしゃいます。
いつでもどこでも、スマホから気軽にご利用いただけるのが、『バーチャルチアガール』の魅力です。
現在、『チアーズワン』は従来のカフェと『バーチャルチアガール』、ふたつのサービスをハイブリッドで提供しています。
店舗でのサービスにもほかにはない価値がありますが、最近は次のことから『バーチャルチアガール』の価値を高く評価しているところです。
- 新型コロナウイルスに感染するリスクがない
- 店内の空きスペースでサービスが提供できる
- 人件費が増えない
今後は、さらにサービスを洗練させ、お客様のニーズに合わせて柔軟に変化させながら、withコロナの時代に即したビジネスの柱として成長させていく所存です。
再チャレンジを目指す中小零細企業の皆様へ
今回のコロナ禍で志半ばに閉店・廃業した中小零細企業経営者もチャンスがあれば再度チャレンジしたい!を考えられてる方も沢山いらっしゃると思います。
政府・自治体の施策を積極的に活用し、夢を諦めずチャレンジしていただきたい。私が今回身を以て体験しましたが、皆さんの実現可能な計画と諦めない姿勢があれば、政府・自治体はきっと暖かく耳を傾けてくれ再チャレンジをサポートしてくれるはずです。
【関連URL】
バーチャルチアガール
チアダンスカフェ チアーズワン
【お問い合わせ】
ベスティ株式会社
TEL: 03-6914-2035
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