お金の知識は日本復活のカギ。学校で"お金の教育"が当たり前に行われる世界を目指して。
株式会社ArtBizが運営するマネリテDAOは、お金の教育で社会を前に進める活動をしています。
実際の学校での授業や、お金の授業を行う講師の育成、お金について語って学ぶサードプレイスの運営など、その活動は様々です。
今回は、マネリテDAOの誕生にまつわるエピソード、お金の教育の重要性、未来に向けての課題などを、創始者の大河内薫が話します。
なぜ、お金の教育なのか?
日本は「失われた30年」などと言われ、経済は低調で賃金は上がらない時代が続いています。この結果には様々な要因が絡み合っていますが、その1つが日本全体のマネーリテラシー=お金の教養や知識の低さだと思うのです。日本人の大多数がお金に強かったら、30年もの低調はなかっただろうと心底思います。
仕事をして稼いで、生活費として使うことはできる。けれどそれ以上の知識がないのが日本人です。加えて、お金の話を大っぴらにすることを良しとしない文化。これは現代日本人が悪いのではなく、社会構造が招いた結果です。お金については学校で習わなければ、社会に出ても学びません。
知っているだけで人生を向上させるお金の知識はたくさんあります。例えば、失業手当のもらい方1つをとっても、知識があれば早期にたくさんの金額を受け取れる可能性があります。日本の健康保険は世界でも有数の制度で、各個人が理解をして活用することで大きな家計改善につながります。こういった個人の人生を確実に向上させる知識が、お金の知識です。
このお金の知識こそが日本復活のカギの1つだと信じて疑いません。「日本人=お金に弱い」から、「日本人=お金に強い」に変わることができれば、失われた30年みたいなものは二度と起きないでしょう。だから僕たちは、お金の知識の普及活動を続けています。
全国の学校から依頼を受けて「お金の授業」を展開
僕は税理士事務所を経営しながら、一般の方々には税金とお金の知識が広く伝わっていないことに疑問を持っていました。2017年ころからSNSを中心に、その重要性と知識を発信し続けています。
その間、2019年にいわゆる「年金2,000万円問題」、2020年に新型コロナによる家計の不安など、社会がお金と向き合うきっかけはたくさんあり、お金への興味関心は高まっています。本屋でお金に関する本がたくさん並んでいる光景は、10年前にはなかったものです。
お金の知識の普及という流れには追い風で、学校現場からの授業依頼も増えて、僕自身が全国各地の学校で「お金の授業」を行っています。
教育現場で授業をすることと、教育制度に導入されることの違い
学校での授業は何ものにも代えがたい時間で、目の前のこどもたちの人生のために持ちうる知識を可能な限り伝えます。
ただ一方で、それを続けるだけでは社会が変わることはないと断言できます。教育現場で授業を行うことと、教育制度に導入されることは全く別物です。
お金という、人生で一番使う、そして一番便利な道具について、全員が学ぶ機会を得るためには教育制度そのものに導入するしかありません。そしてそれは個人のお金の知識向上もさることながら、お金の話は外でするものじゃないという悪しき文化の打破にもつながります。
マネリテDAOの誕生
お金の教育を教育制度へーーーそんな青写真を描きながらも、僕一人でそれを実現することは不可能です。どんなに授業を重ねようとも、砂漠に水を撒くような感覚で、必要なことを愚直にやっているものの社会が変わる実感はありません。
一人で変えられないならチームで。お金についてみんなで気軽に話せて、自分の家計について考えるもよし、我が子への教育を考えるもよし、社会でのお金の教育を考えるもよし・・・そんな想いを乗せてマネリテDAOが生まれました。お金についてみんなで向き合うサードプレイスです。
オンラインコミュニティという形で、お金の教育だけではない様々な話題がやりとりされています。オンラインコミュニティでありながらも、実際の現場でお金の知識を普及させるための授業やワークショップを行っています。
日本の金融教育は”追い風”であり、”向かい風”でもある
2022年度から高校の家庭科の一部に「資産形成」という項目が入り、いわゆる金融教育が本格化しました。
「学校でお金について学ぶという文脈」では、とても追い風になった出来事です。しかしながら、お金の知識というのは資産形成だけではありません。
・お金とはそもそも何なのか?
・お金を学ぶとどんな良いことがあるか?
・日本のお金の制度(社会保障など)とその活用
・家計管理の基本
・お金を稼ぐ、使う、守る、納める、譲る、増やす・・・
など、ここでは書ききれないくらいのお金の基礎知識があり、資産形成は後半のフェーズに登場するものです。日本の金融教育は基礎をすっ飛ばして資産形成を教えようとする印象があるので、正しい順序で学ぶという文脈では向かい風になっています。
ただし、「お金×教育」という分野にこれほどまで目が向けられているのは初めてのことです。このチャンスを何とか結果に繋げていきたいと、マネリテDAO一丸となって活動しています。
マネリテDAOの現在と未来 ~価値あるものを持続可能に~
マネリテDAOの現在地は、気軽にお金について向き合える場所=サードプレイスとしての価値と、お金の教育を普及する集団という価値があります。僕一人で始めたお金の授業も、その基礎を教えられる講師が15名ほどになり、全国の学校からの授業依頼を受けている状況です。
ただし、僕がお金の授業をずっと無償で行ってきたこと、また学校側は予算がないことなどが原因で、いまも授業は無償で行われることがほとんどです。
これは良い状態とはいえません。価値があるものに正しい対価を支払われていない状況でお金の教育を続けることは説得力がありませんし、そもそも持続可能な状態ではありません。ですから、なんとか講師料を受け取りながらお金の教育を学校現場で行う仕組みを探っています。
その1つの解が、地方自治体との連携です。
地方自治体と連携をしながら、自治体下の学校にお金の授業を導入していく。もちろん税収から教育予算を組んでもらっての導入を目指します。
これができれば、価値あるお金の授業をする講師に対価を支払いながらお金の知識の普及ができますし、結果を出せば自治体単位で広がりを見せて、社会に好影響を与えられる可能性があります。
株式会社ArtBizでは、「地方自治体との連携」を中期目標に掲げて、マネリテDAOは今日もお金の知識の普及につとめてまいります。
【マネリテDAO公式サイト】
【マネリテDAOおよびお金の教育についてのお問い合わせ】
https://monelite-dao.com/contact/
【会社概要】
社名:株式会社ArtBiz
代表取締役:大河内薫
HP: http://artbiz.jp
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