20年の固定概念を覆し、革新的なラベル自動貼付機が生まれるまで~食品業界から物流業界まで、様々な業界で利用広がる~
ラベルの印字と貼り付け作業までを1台で実行するラベル自動貼付機。例えばペットボトル飲料をシュリンク包装でまとめて出荷する場合や、ネット通販の商品を段ボール箱で出荷する場合などに、ラベルにバーコードや商品情報を印字して貼り付ける工程において、様々な業界で利用が広がっています。
ラベル自動貼付機VJ9550は、発売から6年で世界中で8000台以上を販売し、日本ではIndexPro Award 2020 産業ICT・IoT部門賞を受賞しました。
見た目にもシンプルな設計と使いやすさで、多くの生産現場で利用されているVJ9550ですが、発売までの道程は簡単なものではありませんでした。開発プロジェクトに携わった大文字用印字機/ラベラー事業部長のJames Wolffが振り返ります。
ーーVJ9550の販売台数が8000台を超え、日本ではIndexPro Awardを受賞しました。世界中のお客様に使って頂けて嬉しいですね。
James:はい、VJ9550が革新的なラベラーだとお客様に認知されているという手応えを感じられて嬉しいです。これだけの台数を販売できたということは、価値ある商品を開発できた証だと思います。
ーー失礼ながらラベラーカテゴリの商品はビデオジェット社内ではあまり売れてない印象だったのですが、VJ9550が多くのお客様に支持して頂ける理由は何でしょうか?
James: お客様に支持して頂けている最大の理由は、従来のラベル自動貼付機のお悩みとしてよくあったラベル詰まり、皺寄り、貼り損じや機械的な調整をほぼなくしたことだと思います。また、かなりシンプルな構造にしてあるので、使いやすいとのお声も頂きます。例えば、従来のラベル自動貼付機では、印字をするサーマルヘッド部分とラベル貼付部分でコントロールパネルが別々だったのですが、それをひとつのタッチスクリーンにまとめました。
ーー確かに見た目にもシンプルで、慣れてない方でも使いやすそうですよね。最初からこの構造にしようというアイディアがあったのでしょうか?
James:いいえ、これは数年に渡ってお客様にヒアリングを重ね、エンジニアたちが試行錯誤した結果です。実は過去20年くらい、ラベル自動貼付機の基本的なデザインは変更されてこなかったんです。お客様からは繰り返し、稼働率や信頼性の改善をして欲しいとクレームが来ていたのにも関わらず…。
ーー20年間もデザインは変わらなかったんですね!その間、クレームにはどう対応していたんですか?
James:もちろんお客様のところに行ってヒアリングして、ラベル詰まりなどの不具合をできるだけ減らそうと改良を加えたり、新製品を出したりしました。しかし、結局のところクレームは減ることはありませんでした。改善しているはずなのに、同じようなクレームが繰り返される状況が続いて、もどかしい思いをする時期がありました。特に昨今のパッケージング工程における生産ラインスピードの向上やオペレーションの効率化といったニーズには、従来のデザインでは対応できないことが増えていました。
ーーそれでVJ9550を開発しようと思ったのでしょうか?
James:そうですね。お客様から「私たちが現場で求められるパフォーマンスレベルは年々高くなっている」というお話を聞いて、今までのやり方を続けていてはお客様を満足させる製品は作れないと思いました。ビデオジェットだけでなく、業界的にもラベル自動貼付機とはこういうもの、という固定概念があったので、まずそこから抜け出さないとダメだと思いましたね。
ーー開発時にはどんなことを意識しましたか?
James:顧客第一主義を念頭に、エンジニアたちと様々な業界のお客様に話を聞いて回りました。不具合を解消することを目的とせずに、お客様が普段何に時間をとられているのか、どんなことにストレスを感じているのかなどを聞いていくうちに、そもそもラベリングという工程自体を見直すべきではないかという考えに至りました。ただ、ここに至るまでには2~3年かかりましたね…。どうしても既存のラベリングシステムをベースに考えてしまうので、余計なことを考えずに「ただお客様の話を聞く 」ことは簡単ではなかったです。
でもフラットな気持ちでお客様の話を聞けるようになると、そもそも不具合の原因になる要素自体なくしてしまえばいいという発想になりました。最終的に極力部品を使わずに(従来製品と比較して80%削減)高い能力を発揮できる機構を考案して製品化に至りました。
ーー苦労されたんですね。発売後は割とスムーズに販売数は伸びましたか?
James:そうですね。実は最初に新しい製品作ったので紹介させて欲しいとお客様に打診したときは、微妙な反応でした(笑)使い慣れたものの方がいいという考え方のお客様が多いので。でも実物を見て頂くと、これはすごいね!と興奮気味に言ってくださるお客様もいて安心しました。そこからは私たちが想定していた以上に多くのお客様に受け入れて頂いたと思います。
エンジニアたちの地道な努力のおかげで革新的な製品を作ることができました。これからもお客様を第一に考えた製品やソリューションを市場に提供していきたいと思っています。
<IndexPro Award受賞のリリース>
本件に関するお問合せ先:
ビデオジェット社
マーケティング部 合田宛
email:marketing.japan@videojet.com
https://www.videojet.co.jp/jp/homepage.html
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