登録者が1年前の8倍に。「農家」と「農業をやりたい人」をつなぐマッチングアプリ『農mers』で、業界の人手不足を解決したい
株式会社マイナビが運営する、農業に関する総合情報サイト『マイナビ農業』(https://agri.mynavi.jp/)は、農業に興味を持ってくれる人を増やすことを目的に、2017年からサービスを展開しています。
そして、2019年9月に正式リリースした『農mers(ノウマーズ)』(https://noumers.jp/)は、農家と農業をやってみたい人をつなげるマッチングアプリです。農家の方は、「慢性的な人材不足だが、人材募集しても人が来ない」という悩みをもっています。
一方、農業に興味を持つ人も「どうやって始めたらいいかわからない」「いきなり就農という形ではなく、まずはお試しで農業をやってみたい」という悩みを持っており、両者にはギャップがあります。
『農mers』は、そんなギャップを解決するために開発され、「働いてほしい農家の方」「農業をやってみたい人」どちらも完全無料で利用できる業界初のマッチングアプリです。
開発責任者の池本に、サービス立ち上げのきっかけや今後の目標を聞いてみました。
池本 博則(いけもと・ひろのり)
農業活性事業部 事業部長
徳島県出身。2003年に株式会社マイナビ入社。就職情報事業本部で国内外大手企業の採用活動の支援を担当。17年8月より農業情報総合サイト「マイナビ農業」をスタートし、本格的に新規事業として農業分野に参入。「農業の未来を良くする」というVISIONを掲げ、日々農業に係る全ての人に「楽しい」「便利」「面白い」サービスを提供できる事業の創出に向けて尽力している。
きっかけは「働く人が集まらない」という農家の声
―『農mers』を開発することになったきっかけを教えてください。
(池本)農業といえば、現在日本の農業従事者は5年前の調査に比べ39万6000人減と過去最大の減少数となっており、平均年齢は67.8歳と高齢化が進んでいます(※)。さらに、新型コロナウイルスの影響で、日本の農業を支えてきた外国人技能実習生が入国できないなど、深刻な人材不足が叫ばれている業界です。
※農林水産省「2020年農林業センサス」https://www.maff.go.jp/j/tokei/census/afc/2020/
実際に我々が農家の方に取材をしていく中で、「人材の募集をしても応募が来ない」という声を多く聞いてきました。そんな時に、"待つ"だけじゃなく農家から農業をやってみたい人に能動的にアプローチできる手段があるといいな、と思ったのです。
そのような手段があれば、今まで人材確保に対して「待ち」の姿勢しか取れなかった農家が、より積極的に行動できるのはないかと。これが『農mers』のスタートのきっかけです。
業界初の、無料で使えるマッチングアプリが完成
―具体的に『農mers』がどのようなサービスかご説明いただけますか。
(池本)『農mers』は、「農家」も「農業をやってみたい人」も、どちらも無料で使えるスマホアプリです。
農家の方が働いてほしい案件を公開し、農業をやってみたい人は興味のある案件を見つけたら、農家にコンタクトをとります。両者がマッチングすると、直接メッセージのやり取りが出来るようになります。チャット形式なので、堅苦しい会話も抜きにして、勤務時間などの条件をすり合わせ、お互いの合意が取れれば実際にお仕事をしてもらいます。
具体的なお仕事内容としては、「稲刈り」「野菜の栽培・収穫・出荷」などの農作業がメインですが、中には「ネット販売の立ち上げ・運営」や「商品企画」などの募集もあります。
農家は応募を待つだけでなく、『農mers』に登録している「農業をやってみたいユーザー」を直接スカウトすることも可能なので、是非積極的にアプローチをしてほしいですね。
―「農業」と「スマホアプリ」がなかなかイメージとして結びつかないのですが、スマホアプリとしてサービス提供しようと思った理由は何でしょうか。
(池本)スマホアプリにした理由は、農業に興味のある方と農家の方が気軽にコミュニケーションをとれるようにしたいと考えたからです。
行動が始まるまでのスピード感も重視すると、スマホアプリしかないなと。
農家さんがスマホを駆使出来るのか?という声も頂きますが、みなさん普通に使っていますね。
―ユーザーの反応はどうですか?
(池本)ユーザーの方からは、「今まで農家と一般の人との接点がなかったので、新しい可能性が広がるのではないかと期待している」「低迷している日本の農業に活気が出たらうれしい」「農業をやりたいと思っていても、どうすればいいのかわからなかったのでこのようなサービスがあってよかった」という、ポジティブな声を頂いております。
そして、コロナ禍で農業に興味を持つ人が増えていることもあり、2020年1月に比べると、現在の登録ユーザーは8倍以上に増えています。「密集した都会での仕事から離れ、田舎で農業をしたいと考える人の増加」や、「リモートワークの普及で必ずしも都会に住む必要がなくなり、「半農半X(※)」をしやすい状況」が影響しているのではないでしょうか。
※半農半X:「農業」と「農業以外の仕事」を組み合わせること
ゆくゆくは、農家の後継者不足解決の糸口になれるようなサービスへ
―最後に、『農mers』の今後の目標を教えてください。
(池本)『農mers』を通して、農業をやってみるというハードルを出来るだけ下げたいと思っています。今(インタビューを行った2020年12月時点)は時期的に閑散期ですが、これから春先にかけて案件が増えてくるので、動きとしてはどんどん活発になっていきます。
長期的な目標としては、就農人口を増やし、農家の後継者不足解決の糸口になれるようなサービスにしていきたいですね。
コロナ禍で様々な影響を受けている農業界ですが、少しでも業界の力になれるようなサービス展開を引き続き行っていきたいと思います。
『農mers』
『マイナビ農業』
株式会社マイナビ
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ