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チャットで個人情報を安全に扱いながら、利便性も向上させたい。「顧客対応変革」を目指すモビルスのサービス開発とは

著者: モビルス株式会社

みなさんは、購入した商品やサービスのことについて企業のお客さま窓口やコールセンターに問い合わせの連絡をしたことはありますか? おそらく、一度は連絡したことがあるのではないでしょうか。

では、その時どんなことを感じましたか?


わたしたちモビルス株式会社は「Support Tech Company」を掲げ、コールセンター向け SaaS プロダクトの開発・提供をしています。




今回ご紹介したいのは、金融機関をはじめとした個人情報の取り扱いが必要なお客さま窓口を対象にした、モビルスの新サービス開発の取り組みです。


まずは、モビルスについてご紹介いたします

「コールセンター向けプロダクト」とは、多くの人にとって想像しづらいのではないかと思います。

わたしたちが開発・提供している製品は、


  • AIチャットボット(自動応答)と有人応答によるシームレスなチャットサポートを実現するチャットシステム「MOBI AGENT(モビエージェント)」
  • チャットボット「MOBI BOT(モビボット)」
  • AI電話自答応答システム「MOBI VOICE(モビボイス)」
  • LINE公式アカウントに対応したセグメント情報配信システム「MOBI CAST(モビキャスト)」
  • 問い合わせ導線を一元化しガイダンスとフローをビジュアル化する「Visual IVR」


などで、業界を問わず様々な企業のコールセンターや自治体に導入頂いています。




例えば、コールセンターに電話で連絡したときオペレータが対応します。お客さまからの質問に答える際、すべての答えを暗記しているのではなくあらかじめ用意されたFAQ(よくある問い合わせと回答)やAIエンジンの提案の中からオペレータが適切な回答を探し、それを元に回答したりもします。


最近は問い合わせをWEBやLINEなどのチャットでもできるようになり、その場合も裏でAIが自動応答していることもあれば、人のオペレータが対応することもあります。


冒頭で「コールセンターに連絡したときにどのようなことを感じたか?」と伺いましたが、多くの人は「電話がなかなかつながらない」「待たされる」と感じるのではないでしょうか。モビルスは、このような不満を減らし、コールセンターに連絡する一人でも多くのお客さまが「問題が解決した!」「連絡して良かった!」と感じていただくために、チャットシステムを中心に、AIを活用した製品開発を行っています。


コールセンター業界の課題。そのなかで注目したものは


そんなモビルスでは日頃、顧客のニーズや課題をヒアリングしながら新サービス開発をしています。

その中で「より多くの課題を解決できるように、当社の事業自体も拡大をしていかなければいけない。そのためには、コールセンター業界がどのような課題を抱えていて、どのマーケットへの発信を強化すればいいかを再整理しよう」という議論が社内で繰り広げられました。


社内での検討を重ね、私たちが注目したのは「個人情報を扱う問い合わせ業務ではセキュリティ課題があるためチャット応対は出来ず、電話応対になってしまう」という課題でした。

そこから「従来のサービスに加えて、金融機関をはじめとした個人情報の取り扱いが必要なお客さま窓口の課題解決ができる新サービスも開発すべきだ!」という方針が見えてきたのです。





個人情報の取り扱いが必要な場合、他の問い合わせ応対とどのように異なるのでしょうか。

まず「お客さまの契約情報や登録情報の確認」や「登録情報の変更」等の問い合わせでは、最初にご本人確認のため「氏名・生年月日・住所」等の個人情報を取得するケースが多いです。


ですのでチャット問い合わせを受け付けている企業は多いものの、そのような場合多くは「本人確認不要な問い合わせ種類に限定」または「チャットで受け付けて、本人確認が必要になったら電話番号をお伝えしてそちらに誘導する」というものになってしまっていました。


これではお客さまがせっかくチャットで問い合わせをしても「登録情報の変更ができない」「結局は電話窓口に回されてしまう」「本当はチャットだけで解決したい」となり、お客さまの満足度が下がってしまいます。

一方でチャット(テキスト)で個人情報を入力・確認することは、企業側でも個人情報取扱い上のリスク懸念がありました。モビルスではこの顧客課題・ニーズに着目したのです。


モビルスではそれまでもプライバシーマークやISMS認証を取得していました。

それに加えて新サービスでは信頼性を考慮して、利用するシステムとその運用に非常に高いセキュリティが求められるクレジットカード業界基準のセキュリティ認証である「PCI DSS準拠認定」の取得を目指すことにしました。

PCI DSS準拠認定を得ることで第三者機関のお墨付きが得られ、またプライベートクラウドシステム開発でのコスト課題とパブリッククラウドのセキュリティイシューの両面を解決することが可能になります。

すべてが初めての経験。少人数のチームの試行錯誤が始まりました


「これは大変なことになった....」そう語ったのは、開発責任者の李と、マネージャ―の宮川です。PCI DSS準拠のシステム開発経験者は当時社内で皆無、しかもシステム構築や認証取得、維持保守の工数も膨大でした。また当時は人員も少なく、本来であれば専任で十数人でとりかかるべきプロジェクト規模でしたが、人的リソース的にアサインできるのは兼任でも7人。

2021年2月から検討が始まり、同年秋までにサービス開始することが目標でしたが、検証期間を含めると6カ月でシステム構築+2ヵ月で検証というタイトなスケジュールです。


開発中、最も大変だったことはPCI DSS認証取得のため、すべての開発プロセスをPCI DSSのガイドラインを遵守しながら進めなければならず、またそれをドキュメント化しなければならなかったことです。これには膨大な工数がかかりました。


また暗号化のモジュールもすべて最強レベルのモジュールを用い、さらに独自ロジックを加えて行う必要があったほか、システムそのものの監視や脆弱性の仕組みをインフラに組み込む事、さらにモジュールも認証と照らし合わせると再構成する必要もあり、手戻りが何度も発生。まさに「試行錯誤」という状況でした。


深夜までの業務が続き、開発メンバーにも疲労が溜まっていった時期もあったようです。しかしそのような状況の中、メンバーたちを突き動かしたのは「0→1で新サービスを作り上げるダイナミックさや楽しさ」でした。



(左)執行役員 Platform Development Div.長  李

(右)Platform  Development Div. Security Suite Sec.マネージャー 宮川




そうして作り出された新サービスは「Secure Path」として2021年9月より株式会社ベネッセコーポレーション様にて実証実験を開始しました。

(当時のプレスリリースはこちらをご覧ください https://mobilus.co.jp/press-release/29105 )


ついに実証実験開始。導入企業からは「お客様利便性向上」と「安全な対応」を評価いただきました


導入していただいたベネッセコーポレーション様では、「こどもちゃれんじ・進研ゼミ問い合わせ窓口」LINE公式アカウントにて、お客さま登録情報変更を行いたいというニーズがありました。

通常企業側にとってチャットでのお客さま対応は、電話と比べ、複数のお客さまの対応に同時にあたれる「同時対応」数にメリットがあります。しかし個人情報を扱うチャットでは、同時対応を行うことでお客様を取り違えてしまうリスクもありました。


ベネッセコーポレーション様へ導入時には同時対応を行う効率性よりも、むしろ「チャットで対応可能なことによるお客様利便性向上」「PCI DSS認証下での安全な対応」をご評価頂きました。また、ご利用いただいた一般のお客様からも「利用満足度95%」「今後の利用意向95%」という非常に高い評価を頂きました。まさに開発メンバーの努力も報われ、お客様の課題解決も実現されたのです。





2023年夏、「Secure Path」の導入企業は金融機関やベネッセ様のような他業種をはじめ着実に増えています。ご導入頂いた企業様からは、細かいUI/UX改善のヒントを頂きながら、更なるサービス成長の兆しを見せています。現在の開発メンバーは10人程度ですが、今後は開発の効率化も図りながら、更なる拡大を目指していきたいと思っています。




企業概要

会社名:モビルス株式会社

代表者:石井智宏

所在地:東京都港区芝浦一丁目1番1号 浜松町ビルディング15階

設立:2011年9月

上場市場:東京証券取引所 グロース(証券コード:4370)

事業内容:コンタクトセンター向けSaaSプロダクト(モビシリーズ)などのCXソリューションの提供

公式HP:https://mobilus.co.jp/

IR情報:https://mobilus.co.jp/ir





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