納得感ある仕事人生を築きたい方のためのオンライン相談付きキャリア手帳「odoriba」が誕生するまで
SOARist(大阪市北区/代表 キャリアコンサルタント 岡本陽子)は、『年1回こころの健康診断』として働く気持ちを回復し、働く気持ちのリズムを整えることで前向きに次の1歩を踏みだすためのキャリアカウンセリングやキャリアセミナーを開催しています。
この度、2021年4月の新年度に向けて「もっと身近に気軽に相談できる文化をつくりたい!」と思い、新しい環境の変化に起きる不安や葛藤など働く気持ちのリズムがざわつき始めたときに、気持ちのリズムを整えていくためのツールとしてオンライン相談付きキャリア手帳「odoriba」をプロデュースしました。
『手帳』は、強くしなやかに働く心(レジリエンス)を育む記録として
『オンライン相談』は、いつでも気軽に安心・安全に相談できる機会提供として
キャリアコンサルタントとして独立4年目の私が、なぜアナログ手帳とオンライン相談を組み合わせるサービスに至ったのかについてお話しさせて頂きます。
手帳愛用者だけではなく、春に新社会人になる方や転勤等、新しい環境に向かうビジネスパーソンの方に読んでいただけると嬉しいです。
カウンセリングやセミナーという「点」の関わり方から、もっと身近に継続的な「線」の関わりへ
この4年間、多様な業界で働く個人のキャリアカウンセリングをおこないましたが、相談者のほとんどが一人で深く悩み抜いてどうしようもなくなってカウンセリングに来られます。きっとキャリアカウンセリングを受けるという文化はまだ身近ではないのでしょうね。
またキャリアセミナーを開催していますが、セミナーで気づくことは単発的であり、継続的に関わることの難しさを感じていました。
だからこそ自己分析やキャリアチャートなど、いつでも気軽に見返して振り返ることができるような「日常にある身近な存在は何か」と考えたときに、スケジュール手帳が納得感ある仕事人生を築くためのお守りの存在として活用されるのではないか、と考えるようになりました。
IT化が進む中でアナログ手帳を持つ層の人気は根強く、手帳は感情記録として、デジタルは情報管理として棲み分けができています。3年以上使い続ける手帳愛用者は8割以上実在し、手帳は日記の役割を担いスマホ同様に肌身離さず持つ身近な存在だからこそ、キャリア手帳としての意味があると考えました。
また、コロナ禍でオンライン化が進んだことも理由の一つです。コロナ禍以前は多様な働き方・価値観の中で起こるストレス過多時代において、およそ6割近くの方が職場や働き方に関する相談窓口がないとアンケートに答えていました。(労働政策研究報告書 No.191キャリアコンサルティングの実態効果および潜在的ニーズ―相談経験者1,117名等の調査結果より)
そして先日、政府が孤独・孤立対策室を立ち上げる発表があったように、コロナ禍で自殺や引きこもりが増加している中で今、孤独・孤立は大きな社会課題となっています。
安心できる場所がない
安全な環境ではない
私だけが頑張っている
私は頼りにされていない
私は必要とされていない
このような「心の満たされ度」の実感が低いことがきっかけとなり、深い孤独や孤立が生まれていきやすいのではないでしょうか。
孤独は幸福とは言えませんよね。実際、国連世界幸福度ランキング2020で日本は62位でした。とくに主観満足度(人生評価において楽しいか)が極端に低い傾向でした。
だからこそ今、私は必要とされている、私は(精神面で)安心・安全な環境にいると実感できる社会になることが求められているのではないでしょうか?
仕事をする上で、誰でも不安・困難・悩みは訪れます。新社会人や新しい職場環境に異動される方は、仕事に慣れるだけではなく環境に慣れることも必要になります。今まで無理なくできていたこと、自分の強みと思えていたことが上手く発揮できず、自信を失ってしまうこともあるかもしれません。
普段であれば上司や同僚、友達に相談できるのに、身近だからこそ相談できないこともでてきます。そのような状況が数か月、中には数年以上経ってから限界を感じてキャリアカウンセリングに来られる現状があります。
だからこそ、普段から日常のフィールドとは異なる相談機会提供は必要だと感じました。安心・安全に自由に話せるオンライン機会提供をすることで、孤独感を和らげるきっかけになれたらと感じています。
そのような働く方々の身近なソーシャルサポーターとしての役割を担うサービスとして、オンライン相談付きキャリア手帳「odoriba」が生まれました。
4年間の要望が詰まったサービス構想
独立してから4年間、キャリアカウンセリングの相談を受ける中で上記のような声を多く頂戴するようになりました。その声を集約したサービスが「odoriba」です。このように社会人のために、日常の中にキャリア相談できる場を提供したいと考え始めた時期は2020年冬頃でした。
ちょうどその時期は、様々なビジネスプランコンテストの締切と重なっていることもあり、広報に繋がるきっかけにできればと思い応募締切前のセミナーなどに積極的に参加していました。
ただ「手帳とオンライン相談の組み合わせは面白そう」「継続的に相談や日常の疑問を投げかけられる場所があることは心の支えになる」と肯定的な意見がある一方で「サービスの仕組みがイメージできない」と言われることが難点でした。
「手帳ってよく思いつくケースだよね」
「キャリアコンサルタントの人はよくビジコン案持ってくるけど、なかなかビジネス化できないよね」
と厳しい言葉も多くあり、その方々が見聞きした過去のイメージと一括りにされた感覚が、私個人を見てくれていないような気がして悔しくもありました。
しかし、ある起業家支援をしている方から「想いがあるならやってみた方がいい」という一言が私の転機となりました。当初ビジコンは広報の一環になればという気持ちでいましたが、いつしかビジコンに選ばれることを目的化してしまい、本来の「気軽に相談できる文化をつくりたい」という働く個人に届ける目的を見失っていたことに気づきました。
たった一言何気ない言葉ですが、私個人の考え・想いを尊重してくれた言葉をもらえた気がして、とても前向きになれた瞬間でした。
それからは、過去カウンセリングやセミナーを受講してくれた方や、メルマガ会員等に向けてキャリア手帳に関するアンケート調査をおこない、働く個人の生の声を聴くことに注力しました。そうすることでぼんやりとしていたサービス内容が明確化されていく一方で、個人によって気軽に相談する捉え方の違いに気づきました。
当初は気軽に相談しやすい場はチャット相談のようなものと感じていました。でも働いている方々の生の声には、同じような悩みを抱える方は他にいるのだろうかという疑問や、1対1で安全に自由に話したいという声もありました。「odoriba」はその要望に全面に応えた仕組みづくりをしています。
「いつでも好きな時間に、文字に書いて気持ちを整える」
「グループで同じ悩みを共有し、他者の考え方・捉え方の視点に気づく」
「しっかり話す時間を持ち、現在の気持ちと今後に向き合う機会をつくる」
など、その時々の状況に応じた使いやすいオンラインサービス提供が多様な働き方をしている社会において必要だと感じるようになりました。
またキャリアを築いていく中で、困難や悩み・不安は複合的に起こります。仕事の悩みだけに関わらず親の介護問題や子どもへの悩みなど、あなた自身だけではない周りの関係性が絡み合って深いトンネルに落ちてしまうことがあります。
仕事で忙しく、子どもにきつくあたってしまう
仕事と介護で時間に追われ、心に余裕が持てなくなっていく
このような時間が長くなればなるほど、心の回復には時間がかかります。時間が解決することもあると言いますが、そんな時間をかけることもできないくらい本人は切迫していきます。
多くのコミュニケーショントラブルは、ボタンの掛け違いによるコミュニケーションエラーから始まります。少しの考え方・捉え方の違いで大きく湾曲し取り返しのつかないことになる前に、このサービスを通じて気持ちの回復力・復帰までの時間を短縮し、健やかに豊かな仕事人生を築ける個人を増やしていきたいですね。
三方良しから五方良しへ
近江商人の経営哲学に「三方よし」があります。 商売をするにおいて売り手と買い手が満足するだけではなく、社会に貢献できてこそよい商売だという考えである「売り手よし、買い手よし、世間よし」です。
今回のサービスは転職するときに相談するという単発な関わりではなく、働く個人の方を対象に継続的に仕事人生に関わる伴走をする仕組みです。一つの企業で働き続ける選択もあれば、転職をすることもあるかもしれません。また結婚や出産等で働き方を変えていく方もいらっしゃいます。
そのような一人ひとりに異なる仕事人生において、継続的に働く気持ちのリズムを整えていくことで、働き続けていく体力が身につきます。それは孤独・孤立を防ぐことにつながります。
その三方よしに加えて、私は「働き手よし、未来(次世代)よし」という五方よしを目指しています。
「働き手よし」とは、キャリア相談をおこなう専門家であるキャリアコンサルタントの仕事領域の拡大です。厚生労働省は2024年度末までに10万人計画を掲げ、キャリアコンサルタント資格取得者は年々増加傾向にあります。
一方で資格取得者だけが増えて仕事がない、活躍できる場がない、という現象が起きています。10万人計画をおこなっているから世の中から必要とされている資格だと思いやすいのかもしれません。ただ、全国のコンビニ店舗数が6万店舗満たない中で、コンビニ以上に身近さと気軽さを感じてもらえるサービスにしていかなければ、資格難民者が増えてしまうだけだと感じています。
だからこそ、今回のサービスを通じてキヤリアコンサルタントの働く市場が増えていくことを目指しています。
もう一つの「未来(次世代)よし」は、健康的な心で主観満足度が高い大人が増えることです。活き活き働く大人を見て、子どもに良い連鎖反応・相乗効果が生まれることを期待しています。
このような五方よしを意識したサービス展開を今後もしていきたいと考えています。
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