創業140年余、繊維商社ブルーミング中西の新たな挑戦!ホテルリネンを通して「最良のおやすみなさい」を提案するブランド「Nokton」誕生秘話。
今年で創業142周年を迎える繊維製品企画販売のブルーミング中西株式会社。主要事業であるハンカチの他に、シーツやタオルなどのリネンを展開しています。「リネンは、もっと、ホテルの新しい価値をつくることができる。」という想いから、ホテルリネンのコーディネートブランド「Nokton(ノクトン)」を立ち上げました。ホテルで体験する感動をご自宅でも味わっていただきたく、一部商品をオンラインショップでも販売しています。ホテル事業部西日本部長の池田より、OEMを主軸にしていた営業スタイルから自社ブランドを立ち上げた誕生秘話についてご紹介します。
ブルーミング中西株式会社 ホテル事業部西日本部長 池田 靖啓
世界を目指すために
この十数年で大型のチェーンホテルが進出。徐々に外資系も増えはじめ、アメニティや寝具などの環境にも力を入れるようになってきました。そして、観光だけが目的ではなく、宿泊自体をひとつの体験として楽しむゲストが増える中、シーツやタオル、パジャマなどのリネン類はあまり重要視されず、デザインや素材も同じようなものばかりでした。
折しも当社の企業理念も「世界中の人々にモノ作りを通して潤いと豊かさを提供します。」と新たに「世界」というワードを入れて設定しなおしたタイミングでもあり、より「日本」を意識することもありました。日本には良いモノがあり、それを生産する工場もあることを、改めて気づかされたのです。
リネンはゲストに直接触れ、五感に訴えかける存在。最高級の素材、日本の伝統技法、モダンな感性を融合した上質なモノであれば、ホテルの宿泊体験に新しい価値を提供できるのではないか。と同時に日本のモノ作りの良さを世界に伝えたい。そのためには、やはり自分たちの「ブランド」を作ろうと思うに至ったのです。
自分たちのブランドの価値は何か
ブルーミング中西のホテルリネンは戦後間もない頃からはじまりました。これまではOEMを主軸にシーツやタオルなどを単品納品することが多かったので、ブランドを立ち上ることはもちろん、客室をコーディネートすることも新しい試みです。これまで培ってきたモノ作りのノウハウはありますが、デザインにおいては株式会社 KAJIHARA DESIGN STUDIOテキスタイルデザイナーの梶原加奈子さんと一緒に取組むことにしました。そうして「最良のおやすみなさい」を体験いただけるような、ホテルリネンのコーディネートブランド「Nokton」への取組みをスタートさせました。
サンプルが出来上がるにつれ、メンバーの気持ちがひとつに
当時(2015年)のホテル事業部は、観光業界が盛り上がっていたこともあり、既存のOEMビジネスは非常に順調でした。既存商品でも充分に売り上げを伸ばすことができる中、膨大な時間とお金と労力を新しい挑戦に費やすことへ、部内から不満の声も出始めます。ですが、実際のサンプルが出来上がってくると、元来モノづくりが大好きな人達の集まりでもあったので、徐々に興味をもつ人も増え、メンバーも熱中してきました。今までにないような滑らかで光沢のあるシーツや、洗濯をしても柔らかさが持続するタオルなど、自分たちの想いとともにカタチになってきたのです。
高品質とメンテナンスの両立への苦労
実は私たちが商品を販売するのは、大半がホテルではなくリネンサプライヤー(業務用のクリーニング会社)です。生産性や耐久性が重要な工業洗濯と、肌触りや使い心地の良さなどを保つことは、実は対照的なことで、両方を軸においた商品開発には、試作と洗濯テストを繰り返す日々が続きました。
例えばタオルも家庭用の洗濯とは異なりハードな工業洗濯で、30, 40回洗っても新品時と変わらない耐久性のあるモノ作りが求められます。みなさんが普段ご家庭で使っているようなタオルを業務用洗濯機にかけた場合、洗濯機はもちろん洗剤や乾燥の仕方も違うので、とても固い仕上がりや破れてしまうこともあるくらいです。
さらにNoktonのタオルは、最高品質の超長綿「ラグジック」を使用しています。当社は、元々主要事業であるハンカチでも、このデリケートな素材を扱っており、業務品質に通用する自信がありました。それでも数十回の洗濯テストで、吸水性と柔らかさを保つことが、なかなかできなかったのです。その後、糸の撚り回数や細さを何度も研究。生産過程で使用する水の成分や量、天然酵素にまでこだわった結果、洗濯を重ねても、吸水性を備えながらも、絹のように上品な光沢と柔らかさを持続するタオルが出来上がりました。
工業洗濯後の工程であるロールアイロンにも悩まされました。シルクのラインナップも検討していたのですが、シワや黄変、まだら模様に生地が焼けてしまうことなど、やはり扱いが難しい。そこで、シルクのパジャマを直接生地に熱を加えない温風器で仕上げてみました。特別な加工技術により、滑らかなシルクの風合いを損なうことなく、洗濯機で洗える強度を実現しました。
プロジェクトがスタートし1年半が経った2017年の春に、いよいよブランドが誕生。現在は、高級旅館やホテルなどにも導入していただき、当初思い描いていた五感で味わっていただけるようなリネンとして、トータルコーディネートされた客室も増えてきました。導入先のスタッフや宿泊者の方からも、嬉しい反響をいただくようになりました。その先にあるお客様に、素晴らしい商品を日本から世界に届けたいという気持ちがより一層強まりました。
テキスタイルデザインのディレクター梶原加奈子さんが、札幌に構えるゲストハウス「COQ」では、Noktonのシーツやパジャマ、タオルなどをご体感いただけます。
ホテルリネンのコーディネートブランド「Nokton」
最高級の素材、日本の伝統技法、そしてモダンな感性を融合させて、美しく心躍る、五感で味わうようなリネンがうまれました。ブランド名は「Nokton(ノクトン)」。
*[Bonan nokton! おやすみなさい!](エスペラント語)最良の「おやすみなさい」を体験していただく。そんな思いを込めた名前です。
宿泊者がホテルを決める選択肢のひとつに「Noktonのリネンを体験したい」と思っていただけるよう、今後も新しい商品開発をすすめていきます。また、タオルやパジャマなど一部商品をオンラインショップで展開しています。なかなか旅行や気軽に外出ができない今の時期、上質なリネンで特別な時間を過ごしていただきたいと思っています。
■公式ウェブサイト
https://nokton.hotel-blooming.com/
■これまでのプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000042497.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000087.000042497.html
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