日本ファンの心を放さない、コロナ禍でもチャレンジ精神の行楽
中国人プチ富裕層、ニューリッチ層を熟知した中国インバウンドのリーディングカンパニー行楽。
「インバウンド」という言葉がまだ一般的ではなかった2007年、代表袁氏が中国上海に設立した同社は、2009年より北海道、2011年には九州へのFIT訪日のブーム火付け役として名をはせ、2013年に中国人向け旅行情報誌「行楽」を創刊するなど、中国の日本人気を追い風に成長。
雑誌媒体以外にも、中国SNSや、オフ会の開催などを通じて中国人に日本の魅力を発信し、日本ファンを拡大。2015年JETROの支援を得て東京オフィス開設。2019年増資を経て事業拡大へと展開します。
しかし2020年春以降、長引くコロナ禍により旅行会社やインバウンド系企業は大きな困難に直面しています。
代表袁氏の現在の取り組みを聞いてみました。
行楽代表 袁静
著書 『日本人は知らない中国セレブ消費』
著書 『中国「草食」セレブはなぜ日本が好きか』
(日本経済新聞出版社)
ー思ってもみなかった「コロナ禍」。現状は?
日本の事業を拡大しようとしていた矢先のコロナ。まさかこんなに長引くとは。。。
ですが、行楽は逆にチャンスと捉え、「人の行き来ができない今だからこそできることを」と考え、得意分野である「中国人の生の声」をタイムリーにキャッチアップし、日本側へと連携するプロモーション事業を一層強化する方針へと切り替えたのです。
2020年12月、同じく未曾有の状態に困っていた自治体のニーズと合致したことで、「九州オンライン旅行博」を実施。動画やライブ配信などで九州の魅力を伝えるというものですが、3週間の期間中3300万もの閲覧数があり、日本への注目度は下がっていないと実感しましたね。
(リンク) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000058429.html
ほかにも「深度遊」=「日本文化を掘り下げて知りたいという層」向けに、オンラインでの日本画体験講座なども開催しました。どれもコロナ禍での初の試みでしたが、おかげさまで好評で自信にもつながっています。
ー今、取り組んでいる「テーマ別日本ファンコミュニティづくり」とは?
コロナ以降、特に自治体は観光やインバウンド関連の活動には慎重で、予算削減の傾向があります。ですが、私たちは予算削減のために情報収集が困難になった「日本旅行好き」を放っておいてはもったいないと考え始めました。
「九州オンライン旅行博」参加者の反応を見ていても、「今は攻める時期だ」と思いましたね。ほかがイベントを控えているときだからこそ注目度が上がるというメリットもあります。
また、「行楽ジャパン」の強みのひとつに、中国現地法人にいる専門知識豊富なベテランスタッフの存在がありますので、人の行き来ができないコロナ禍でも現地で日本ファンを増やせるということです。
そこで行楽は、日本が恋しい中国人同士が気軽に情報収集できるように、テーマごとの、数百名単位の小さなコミュニティプログラムの開発に取り組んでいます。
中国でコロナが一旦落ち着いた2020年夏頃には、上海市内で「日本のお酒」や「日本式アウトドアカルチャー」を伝えるイベントを開催したり、現在「JG(ジャパニーズ・グルメ)」のリリースを準備したり、新しいファンを獲得しながら、これまでのファンを逃さないコミュニティづくりを展開しています。
ー代表袁氏が考えるアフターコロナ時代のインバウンドの形とは?
2015年前後のような、爆発的に中国人旅行者が団体でやってくる時代にはもう戻らないでしょう。そうなると必然的に旅行の「質」が重視される。行楽の中国人コミュニティから上がる声を聞いていると、彼らは「日本文化への理解を深めたい」という目的で日本を訪れたいと考えています。
まさに私たちが一番得意な分野。コロナ禍だからこそ「業界のリーディングカンパニー」として、訪日中国人の旅行の「質」を高められるよう、その役割を果たし日中友好に貢献したいと考えています。
今は業務や予算などを削減せず、コロナ禍を団結して乗り越えられる会社でいたい。中国語で言うと「正能量(プラスエネルギー、ポジティブ)」な存在であり続けたいと思っています。
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