海洋プラゴミの葉っぱを作る。デザイナーが海洋ゴミのアップサイクルブランドbuoyの新シリーズleafにかけた思いとは
テクノラボは横浜市でIoTデバイスなどの筐体を手掛けるプラスチックメーカーです。プラスチックメーカーだからこそ持っている知識や経験を活かした海洋ゴミ問題と向かい合いたいという思いから昨年2020年海洋プラスチックごみのアップサイクルブランドbuoy(ブイ)を立ち上げました。
「海洋プラスチックごみ」という不要な存在をどうすれば「欲しい」といわれる商品になるのか、株式会社テクノラボのプロダクトデザイナーでbuoyのブランドオーナーの田所沙弓が2021年2月中旬より発売を開始した新ラインナップシリーズ「leaf」にかけた思いについて思いをまとめました。
2021年2月17日リリース記事
■新製品の開発背景
leafはbuoyブランドとしての1年ぶりの新製品シリーズになります。この1年間既存シリーズを製造することで得た経験をもとに製造技術が進歩したことと、この1年間で寄せられた声をもとに改良を加えてのデザインになりました。
新製品「leaf」3種。ペントレイ/ツールトレイ/クリップトレイ各3色)
〇技術のステップアップ。海洋ゴミの可能性を広げるために
・製造技術の躍進。エッジのある形状やロゴの彫りこみに挑戦
海洋プラスチックごみを材料に製品を作ることは実は容易なことではありません。プラスチックにはたくさんの種類があり、それぞれ融点が異なります。通常種類ごとに成型することが一般的ですが、海洋ゴミは劣化し選別が困難です。そこでプラスチックとしては型破りな方法である”プラスチックの種類を混在した状態で成形する”という手法を選択しました。この方法により、buøyは独特なマーブル模様が特長の製品となっています。
昨年発表したラウンドトレイシリーズは上記の製作手法を阻害せず、より模様がきれいに流れやすい形状にデザインしてあります。
こうしたラウンドトレイの生産経験を重ねたことや、各地よりいろんな材料を送ってもらい素材による成形エラーを解消していくことで製造技術が1年前より進歩してきました。
そこで新シリーズのleafでは大きく2つ形状面での挑戦を行いました。
1つめはなだらかな形状ではなく、形に緩急をつけたことです。エッジの効いた立ち上がりにすることでプロダクトにメリハリが生まれますが、模様の流れを阻害しやすくなります。ですが温度や金型の調整により、形状由来の模様のムラなく生産することが可能になりました。
もう一つは裏面にbuoyのロゴの掘り込みをいれたことです。buoyの製品は直接海洋ゴミに触れないようフィルムでコーティングがされていますが、その状態でもエンボス形状ができるようになりました。
どちらも通常の射出成型であれば難のない形状ですが、これらの形状を安定的に生産できるようになることで今後のラインナップ展開の可能性の幅が大きく広がりました。
エッジのある形状でも模様がムラなく流れている。
〇ゴミを『使いたくなる製品』に変えたい
・飾りたくなるラウンドトレイシリーズとは対照的に使い道がイメージし易く、模様だけが主張しすぎないデザインに
ラウンドトレイのシリーズは言うなれば一枚の絵を仕上げているようなイメージでした。一枚ごとや材料毎に全くことなる出来上がりになりますし、購入いただいた方によっていろんな使い方があり、「こんなもの入れているよ」という報告を私達も楽しみにしていました。
(右)ラウンドトレイシリーズ
しかし、「なにに使っていいかわからない」「模様は好きだけどいざ使うとなると少し派手」などといった声もこの1年で聞こえてきました。buoyは海洋ゴミ問題を知るきっかけになればとの思いで製作していますが、”実際に使われる製品”であることも大切にしたいと考えています。
そこで少し用途の絞った形状にすることで使い方をイメージし易くしました。また、模様に関してもあくまで使う人のライフスタイルを崩さないことを意識しています。特徴的な形状にすることで、模様が派手になりすぎないようになっています。
デスク回りの小物の収納に
キャッシュトレイとして
■leaf形状にかけた思い。プラスチックが環境と共存する未来を目指して。
プラスチックは人工的に作られた素材です。しかし、buoyの原料となっている海洋プラスチックごみは長年潮や紫外線により風化し独特の風合いを有しています。いうなれば人と自然の手が加わった素材です。
buoyを通して海のことや自然のこと、私たちの生活と環境問題とどう向き合うか考えるきっかけになってほしいと思いをこめてleaf(葉っぱ)のシリーズを企画しました。
プラスチックでできた葉っぱは矛盾しているようですが、一度海に流れてしまったプラスチックごみを人々の手で回収し、一つ一つleafに変えることでたくさんの人の意識の変化につながればいいと思っています。
プラスチックが環境に悪影響を及ぼしていることは事実ですが、私たちの生活に現時点では必要な素材であることも事実です。
大量のプラスチック製品に頼り過ぎている現状を見直しつつ、プラスチックにしか成しえない製品と共存するためにどう変化すべきか、どんな社会になるべきなのか、悩み考えていかねばなりません。buoyが少しでもそのきっかけになればとの思いで活動しています。
今後もより多くの人に海洋ゴミ問題を知ってもらうため、また、海洋ゴミの使い道を導き出すためにもラインナップを増やしていきたいです。
〇現在、leafは丸井錦糸町店で展示販売会を行っております。
ソーシャル・プロダクツアワード2021 ソーシャルプロダクツ賞受賞に伴い展示販売会に出品中です。手に取って製品を見れるこの機会にぜひお越しください。
場所:丸井錦糸町店 3階「イベントスペース」
日時:2021年3月5日(金)~2021年3月14日(日) 10時30分~20時
※丸井錦糸町店での販売はクリップトレイのみ(3色)
(営業時間は変更する場合があります。最新の情報は丸井錦糸町店ウェブサイトでご確認ください。)
また、buøyのleafに続く新製品は室内用植木鉢「buoyプランツポット」の先行販売(クラウドファンディング)を実施中です。
コロナ禍によっておうち時間が増える中、室内で自然を感じたり、海に思いを馳せられるアイテムにしたいと思いデザインしました。
■buøyプラントポットクラファンページhttps://www.makuake.com/project/buoy/
buoyプランツポットは現在下記2店舗でサンプルを展示しております。
・そごう横浜店
場所:そごう横浜店 5階MakuakeSHOP横の特設エリア
日時:2021年2月26日(金)~
・東急プラザ銀座店
場所:東急プラザ銀座の7階「NewsPicks GINZA」内Makuake展示コーナー
日時:3月3日(水)~4月1日(木)頃まで(終了日は予定)
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田所沙弓
株式会社テクノラボのプロダクトデザイナー/buoyブランドオーナー
神奈川県横浜市出身、多摩美術大学プロダクトデザイン専攻卒業後、テクノラボへ入社。IoTデバイスや通信機器のデザインに携わる。プラスチックの素材としての価値の再発見を目的とした「Plas+tech project」の運営。現在海洋ゴミのアップサイクルブランドbuoyのブランドオーナーとしてデザイン提案を行う。
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buøy(ブイ)
海洋ゴミを材料にしたプロダクトブランド。プラスチックメーカーの有志によって技術開発し、クラウドファンディングを経て製品化。海洋ゴミのように劣化しプラスチックの種類がわからない状態でも成型する技術において特許出願中。2020年7月よりreBirth改めbuøyとして一般販売を開始した。
[サイト] http://www.techno-labo.com/rebirth
[facebook] https://www.facebook.com/plastech.project/
[instagram] https://www.instagram.com/plas_tech/
[クラウドファンディングページ] https://www.makuake.com/project/buoy/
<お問い合わせ先>
〒221-0057 神奈川県横浜市神奈川区青木町6-19マークレジデンス1B
株式会社テクノラボ 内 buoy事業部
mail: buoy@techno-labo.com
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