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「日本に来て人生が180度変わった。」イタリア出身の著者が明かす、日本語での執筆の挑戦と著書に込めた日本文化への愛

著者: クロスメディアグループ株式会社


クロスメディアグループ株式会社は、数々のベストセラーを生み出してきたビジネス書出版社の株式会社クロスメディア・パブリッシングからスタートしたグループ会社です。近年では、働く人と企業に寄与したいという想いから新たな「空間メディア」として疲労回復ジム「ZERO GYM」の運営なども行っています。今年3月には子会社3社が「健康経営優良法人2021」に認定されました。健康経営のロールモデルを目指しながら、そのノウハウを他社に提供するサービスも行っています。


日本特有の価値観と習慣についてイタリア人ならではの鋭い視線と感受性で『日本人に気づいて欲しい健康的な習慣』を著したパメラ・デ・サンティス。日本で生活する海外出身の方がぶち当たる悩みやその乗り越え方、日本での生活の中で見出した健康的で充実した生き方を紹介しています。彼女はイタリア・ローマ市出身で、ローマ大学で日本文化を学び、2015年にお茶の水女子大学に留学生として来日。卒業後、オランダのライデン大学大学院にて日本映画について学び、上智大学に留学しました。現在はクロスメディア・グループで海外事業担当として日本文化やマインドフルネスの情報発信を行っています。


「日本に来て人生が180度変わった」という彼女は、海外出身者ならではの鋭い視点で、日本の文化や習慣について一冊にしました。本書の誕生秘話と、その完成までの苦労話についてお聞きしました。


(先月出版した『日本人に気づいて欲しい健康的な習慣』)

友人からの「ありがとう、パメラ」をもっと聞きたい。だから本を書く決意ができた

(クロスメディアグループでは社長室で海外事業を担当する)


ーーもともと本を書くつもりで日本の出版社で働き始めたのですか?


いいえ。イタリアでも本を書いたことはありませんでしたし、まさか自分が日本で著者デビューするなんて思ってもいませんでした。


本を書くきっかけになったのは、社長と本の企画を考えていたときのことです。「健康やマインドフルネスに関する本を企画してほしい」と言われ、私の日本での体験を話しながらアイデアを膨らませていました。すると社長がいきなり言い出しました、「パメラさんが書けばいいんじゃない?」って。


正直、戸惑いました。日本語のライティングスキルに自信があったわけでもないですし、すぐにその場では返事できませんでした。一週間くらい、「私の知見と体験は果たして本にするに値するのだろうか」と、ずっと考え続けましたね。


寝れない日もあるくらい、とにかく考えました。振り返ると、来日してから自分が見違えるほど健康的でハッピーになったこと、そしてそれを友人に語るといつも感謝される自分がいることに気づきました。その内容を本にしたらどうなるだろうか?って。


何げなく日本文化や日本での日常生活の話をすると、友達はいつも何か新しい気づきを得たように「ありがとう、パメラ!それすごくおもしろいよ」と言ってくれるので、自分が本を書くことで、見知らぬ人にまでポジティブな影響を与えられるかもしれない。社長に返事しました、「私、書いてみます」って。

執筆活動開始と共に直面した数々の挑戦


ーー日本の大学での留学経験があり、日本語がとても堪能ですが、日本語での執筆はやはり大変でしたか? どのように執筆されたのでしょうか。


まず最初にぶつかったのは言語の壁でした。限られた時間の中で原稿を完成させなければならないとなると、やはり、英語でも日本語でもなく、母国語のイタリア語で書くのが一番速いと思い、まずイタリア語で執筆しました。約5ヵ月かけて原稿を書き上げました。


また、ターゲット層を途中で海外出身の方から日本人にシフトしたため、内容も少し変えねばなりませんでした。例えば、日本人が当たり前に知っている「納豆」についても海外出身の方は知らないですよね。

納豆がどういう豆でどういう時に食べられるかなど詳しく書いていましたが、読者が日本人だと決まればカットしたり、逆にイタリア人が当たり前として知っているものを喩えで使っている部分は日本人には向いていないな、とか。でもそのように原稿を作成する中で自分が伝えたいことは日本人が意外と気づいていないことが多いと思いました。なので日本人をターゲットにして正解だったと思います。


次は日本語に翻訳する作業が私を待ち構えていました。イタリア語の微妙な表現や、イタリア人ならではの感覚を日本語にするのはとても難しく、苦戦しました。時間ばかりが過ぎていき、予定通りに進まず、胸が痛みました。


(イタリア語のメモ。書きたい内容を整理していった)


ーー「海外出身の一般人女性」として初めての執筆でしたが、不安などはありましたか?


もちろんありました。私は健康アドバイザーでも医者でもなければ、ライターでも、世間のいわゆるインフルエンサーでもありません。そんな「ごく普通の女の子」が本を書いても誰が読んでくれるんだろう、とか、どうやって説得力をもたせたらいいんだろう、本当に価値ある本に仕上がるのか、など最初はそんな不安が何度も押し寄せてきました。しかし、「一般人の私だからこそ書ける本がある!」と強みとしてとらえ直しました。


私はこの本に恥ずかしくて思い出したくないような実体験もたくさん書いています。私の武器がそれしかなかったからです。本当のことをそのまま書くこと、私のすべてを見せること。それでしか読者の方々に説得力をもって、日本での生活で得られる健康法について語ることはできないと思いました。


以前お付き合いしていた方との出来事や、セラピーの話、過食症、不眠症の話など、もちろん抵抗はありましたが、すべて書きました。10ページ、15ページ書き進めては、「ここが違う、あれが違う」と何度も書いては消しました。執筆期間中は、日中はクロスメディアグループで海外版権のお仕事をして、夜はライティング。多忙を極めていたと思います。プライベートの時間も削りに削って、時間と労力をとにかくこの本に捧げました。

この本を通して、著者の自分自身が一番健康と幸せに気づかされたと思う


ーー本書を書き終えてご自身が得られたものは何だと思いますか?


この本を書いて良かったと心から思っています。執筆の経験が私に与えてくれたものははかり知れません。執筆のために、マインドフルネスや細かい日本ならではの作法についての文献をたくさん読んだり、日本の各地に足を運んで実際に見聞きしたり、多くの新しい学びを得ることができました。


そして、日本の素晴らしさを改めて言葉にすることで自分の中にある日本への愛を実感しましたし、当たり前になっていた日本での生活のあらゆる側面に改めて感謝することができました。以前気にしていたことや、すぐに気をとられていた小さな悩みに振り回されなくなっていることにも気が付きました。私自身が大きく成長していたのです。自分の変化をいまは誇りに思います。


(執筆のため日本の各地の名所を巡った。富士山がみえる三つ峠にて)


ーー様々な挑戦を乗り越えることができた大きな理由は何だったのでしょうか。


とにかく最後の出来上がりだけを意識して、恐れと不安を振り払うように自分を奮い立たせていました。マインドフルネスという大きなテーマを取り上げていたので、まず自分がマインドフルネスを実践しなければという思いがありました。自分の感情に振り回されることなく、優しく包み込むような気持ちで自分の心と向き合いながら書き進めました。


「今やってることは本当にすごいことだよ、パメラ!楽しんで!誇りに思って!」そういう風なポジティブトークを自分自身と繰り返ししていました。以前に比べてストレスを感じても、しなやかな心で対応できるようになりました。これはクロスメディアグループの素敵な仲間のサポートのおかげです。


(社長室のメンバーと共に。イタリア風ケーキをつくり、社長の誕生日を祝う)


ーー最後にパメラさんの想いをお聞かせください。


出版してまだ一カ月程ですが、たくさんの方から「この本の影響で瞑想を始めてみました」とか「この本を読んでから小さな幸せを感じられるようになりました」などの嬉しいコメントをいただいています。


どれだけの人や人生にこの本が影響を与えられるかと考えるとき、深い喜びと執筆した意義を感じます。この本を通じて、日本で手に入れることができた健康的な習慣と日本で生活できる喜びを知っていただきたいです。そして少しでも健康でハッピーな人を増やしたい。それが私の強い願いです。











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