【プロジェクトの裏側】突発性を孕む災害シミュレーションに最適な計算環境をAXXE-Lで実現 〜「建設コンサルタント業で水圏解析」 聞き慣れない業種と業務が天災から救う〜
テクノロジーの急速な発展により、膨大なデータを高速で処理するHPC(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)への注目は年々高まりをみせ、これまで学術機関など限られた分野での利用にとどまっていたスーパーコンピュータなどの高性能なコンピュータを導入する民間企業が増えています。
”HPCの民主化”を目指すエクストリーム−Dでは、HPCの専門知識がなくてもご利用いただけるよう、HPC環境に必要な要素を集約したHPC as a Service※1「AXXE-L by XTREME-D(以下 AXXE-L)」をサブスクリプション形式で提供しています。
気象予測や災害・防災シミュレーションも、昨今HPC利用が進んでいる分野の一つです。災害シミュレーション分野をリードされている応用技術株式会社と当社で進める「水圏解析」を実行する上で最適な計算環境構築の裏側を実例と共に紹介します。
※1 HPC as a Service…HPCをサービス化し、利用者が必要な時に必要なだけ扱える仕様にして提供される手法のこと
写真左: 応用技術株式会社 国土防災情報部 水圏解析ユニット 統括エンジニア 足立忠行 様
写真右: エクストリームーD株式会社 創業者/CEO 柴田 直樹
建設コンサルタント業でも数値解析を主な業務とする同社が取り組む「水圏解析」とは
エクストリーム−D 柴田(以下 柴田):本日は、建設土木分野で建設コンサルタント事業を担われ、当社サービスを活用しながら防災シミュレーションなどの業務を行っている、応用技術株式会社の水圏解析ユニット 統括エンジニア足立様にお話を伺いたいと思います。それでは足立さん、自己紹介をお願いいたします。
応用技術株式会社 足立忠行様 (以下 足立さん):ただいまご紹介にあずかりました、応用技術株式会社 国土防災情報部 水圏解析ユニットの足立と申します。どうぞ、よろしくお願いいたします。
柴田:それでは早速、応用技術株式会社様の事業内容や足立さんが携われている業務について教えてください。
足立さん:当社は建設コンサルタント業※2を担っており、その中でも少し特殊な数値解析やシミュレーションなどを主に扱っています。それらソリューションを活用して防災シミュレーションや、環境解析シミュレーションなどを行っています。
※2 建設コンサルタント…社会資本整備全般における調査・計画・設計等の業務などを支援する役割に加え、社会的合意形成や事業執行のマネジメントを事業者に代わって担当する役割や第三者の立場で設計審査や施工監理を実施する役割を担う
柴田:足立さんはご自身は御社の「水圏解析ユニット」に所属されておられますが、水圏解析ユニットではどういった事をやられているのか、もう少しお伺いしてもいいですか?
足立さん:私達は「水」に関わるもの全般をターゲットとし、シミュレーション・解析を行っています。具体例でお伝えすると、津波や高潮のシミュレーション、海域や河川の水質や流れに対する解析、ダムや湖沼の水質解析などになります。
「多くの計算ケース処理」と「計算時間の短縮」を解決するために AXXE-L 導入を決定
柴田:海や川など、様々な水質の調査やシミュレーションをなされているのですね。実際解析やシミュレーションを行うには高い計算パワーが必要になってくると思いますが、これまで業務をなされてきた中で、ビジネス課題や困難に感じたことなど何かありましたか?
足立さん:そうですね、近年の防災シミュレーションにおいて重要視されているのは、「想定外をできるだけ無くそう」ということ。これを達成させるためには、膨大な計算ケースを対象にしたシミュレーションが必要となります。(シミュレーションに用いる)条件も膨大で、計算ケースを数多く同時に流さないといけない、かつ計算時間も極力短くさせないといけない、これが防災シミュレーションの大変なところです。
柴田:防災シミュレーションは時間との戦いということですか?
足立さん:はい、災害に直結する情報を住民の皆様に提供していますので、時間はシビアですね。
柴田:そうなのですね。防災シミュレーションで瞬時に膨大な計算が必要とされているなか、エクストリーム−Dが提供するHPC as a Service「AXXE-L」の利用によって、適切な解析環境がつくられているということでしょうか。計算環境を構築する上での課題を教えていただけますか?
足立さん:「AXXE-L」を導入する前は、(膨大な計算ケースの実行ができる)計算環境を全て自社で揃えようと何とか頑張っていましたが、サーバーを設置する場所の確保であったり、費用も嵩んでいったんですね。とはいえ、計算を実行する上では絶対に必要な環境・設備なので投資をしていかなければならない…
この(環境に)上手く代わるものが無いかを常に模索する中で「AXXE-L」が選択肢にあがったということですね。
AXXE-L を活用した防災シミュレーションで天災から救う
柴田:災害解析は突発性に対応し、かつ高速計算による瞬時の解析を要する一方で、災害の無い時期など閑散する場合もありますよね。そうした状況に「AXXE-L」が上手く対応したということでしょうか。これまで水圏や防災シミュレーションについてお話を伺ってきましたが、水圏解析ユニット内で「AXXE-L」を使われた事例をご紹介いただくことはできますか?
足立さん:そうですね、水圏解析ユニットで関わる情報ということで広く公開されているものでいうと「ハザードマップ」の基になるシミュレーションで(「AXXE-L」を)活用しています。先程も話した通り、河川の氾濫解析や、津波・高潮の浸水解析であったりですね。ハザードマップ作成の資料になっていますね。
柴田:応用技術様が携われている各シミュレーション・解析の業務も当社が提供する「AXXE-L」もどちらもソリューションとしてはマニアックなサービスのようで、実はお客様の身近なところで役立っているということですよね。
足立さん:そうですね、なかなか何をやっているのか説明するのは難しいものではありますけど、「ハザードマップ」であったり、皆さんが目にするものを事例に紹介するとあれを作っているんだと理解していただけますね。
AXXE-L への今後の期待
柴田:これまでいろいろ伺ってきましたが、最後に「AXXE-L」に対して希望や期待することがあれば教えて下さい。
足立さん:一つに、マシンのスペックをどんどん上げて欲しいなと思います。ウェブブラウザで全て操作できるのは非常にやりやすいですよね。我々も HPC の知識が乏しい面もあるので、簡単に動作できるのは凄いメリットだと思います。ただ、まだ専門性がないと難しい部分もあったりするので、もっと簡単に利用できるようになると、なおいいなぁと思います。
柴田:ご要望ありがとうございます。計算機パワーという観点でいくと、 当社のサービスは、Intel, AMD, NVIDIA社製の最新の CPU、GPU などを搭載していますし、今後も使いやすいサービスを実現すべく機能のアップデートを定期的に行う予定です。ウェブページもより使いやすくなるよう継続的に開発を行っておりますので、是非御社の他のチームの皆さんにもご利用いただけると幸いです。
足立様、本日は貴重なお話をありがとうございました。
この内容は動画でもご紹介しています。
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