コロナ禍のオープンから約1年半。姉妹二人三脚で立ち上げた新ブランド誕生の裏側
「まるで海外にいるようなワクワク」「心地よいと感じる自分に」をコンセプトに掲げるブランド「Jeane Kathleen(ジーンキャスリーン)」。アクセサリーを中心に、クラシカルな雰囲気のアイテムをセレクトしています。20代の姉妹であるYuiとRihoが運営しており、立ち上げはコロナ禍まっただ中の2020年7月でした。
写真=左:Riho(妹)、右:Yui(姉)
ブランド開始にあたりそれぞれ勤めていた会社を辞めた2人。ブランドが安定するまで仕事を続けるのではなく、社会情勢が不安定ななかでも挑戦の道を選びました。
「Jeane Kathleen」は今夏で1周年を迎え、2021年12月には計2回のポップアップを控えています。もちろんすべてが順調とはいかなかったブランド立ち上げの裏側を、YuiとRihoのインタビュー形式でお届けします。
■今振り返ると最初は「不安が大きかった」
ーー1周年おめでとうございます。まず、ブランドを立ち上げるきっかけについて教えてください。
Yui:妹のRihoとご飯を食べているときに、お互いの夢の話が出たのがきっかけでした。当時、わたしはファッション関係、Rihoは旅行関係の職場にいたのですが、多くの方にワクワクを届ける仕事をしたいという気持ちは、2人で共通して持っていました。
その話をするなかで、子供の頃から好きだったファッションを通してその想いを届けていきたいという気持ちが一致し、ブランドを立ち上げることを決めました。
現在、韓国で生産・仕入れを行なっています。2人とも韓国のシンプルで大人っぽい、かつ一癖あるようなデザインが好きなので、その魅力も多くの方にお伝えできたらと思っています。
ーーブランドコンセプトでは、「ワクワク」が非常に重要な意味を持っていると感じました。具体的には、どのような種類のワクワクでしょうか?
Yui:わたしたちはそれを、「まるで海外旅行をしているような新鮮な気持ち」と考えています。非日常的なワクワクは、何気ない毎日の潤いになります。そのきっかけをブランドを通して届けたいです。
同時に、「心地よいと感じる自分に」という部分もわたしたちにとって大切な部分です。自分らしさも肯定するようなブランドでもありたいと思っています。
写真=ブランド企画当初のイメージ画
ーーブランドを立ち上げるにあたり、それぞれ勤めていた会社を退職していますよね。コロナというタイミングでの決断に不安はなかったでしょうか?
Yui:もちろん、不安だったこと、大変だったことはたくさんありました。ブランドを運営する経験がないうえに、太い人脈があるわけでもない。わたしたちはインフルエンサーの方々のような強い発信力もなかったので、本当に自分たちの力だけでやっていかなければいけないことへの不安は大きかったです。
ーーその不安要素を取り除くために、まず何から始めたのでしょうか?
Yui:始めは、2人とも経営に関する学びに多くの時間をあてました。そしてわたしは今、服飾学校に通っていて、パターンやCADを中心に専門的な内容を学んでいます。
コロナのタイミングでブランドのサイトオープンが3カ月ほど延びてしまったのですが、それをさらに良いものを提供するためのプラスの準備期間と捉え、商品や運営の改善作業を行いました。そのように不安や障害を、一つ一つポジティブに変換していきました。
あとはRihoが学生時代に韓国留学の経験があり、現地取引先とのやりとりなどをすべて担ってくれたので本当に感謝しています。
■二人三脚でブランドを運営するため姉妹が決めた五箇条
ーーコロナで海外との物理的なやりとりに時間がかかる期間と、ブランドオープンのタイミングが重なっていますよね。仕入れなどに影響は出たのではないでしょうか。
Riho:それはもちろんありました。仕入れは、オンラインを駆使して現地の卸を探し、直接取引の交渉をしていきました。商品を配送してもらって現物を見るという工程をたくさん繰り返して仕入れ先を決めて。
本来なら、現地で商品を直接見て選定するところ、コロナの影響でやりとりはメールやオンラインの会議ツール。時間がかかるうえに、仕入れ前に商品を送ってもらい確認しなければならないので、輸送費はかなり高コストで困りましたね。
ーー実際に何件ほどの業者にあたって、今取引されている会社に決まったのでしょうか。
Riho:韓国では個人で卸をやられている方も多く、わたしたちが取引をしている韓国卸グループの業者だけでも1万件以上の選択肢がありました。
今取引をしている卸業者は、アクセサリーだけで10件ほどですね。全体では20件程度仕入れ先があります。
写真=ジュエリーの梱包。ご希望に応じ、メッセージサービスも承っている。
ーー仕入れ以外にはオリジナルの商品も扱っていますよね。そちらもコロナでの影響や困難はありましたか?
Riho:オリジナル商品は、姉がデザイン画などを作成し、わたしが韓国にある工場とやりとりをしているのですが、商品を作っている途中にコロナの大一波がきてしまって。流通がストップし、配送に1カ月かかることもあり、その分当初見込んでいたよりもリリースが遅れてしまいました。
Yui:オリジナル商品はかなり力を入れていて、完成までは約1年ほどかかりました。デザインから作っていただいたサンプルがイメージと違う場合に修正をお願いしたり、場合によっては最初からお願いしたり、とても大変でしたね。
ーーそれぞれの経歴や得意分野を活かし、お互いを支え合っている非常にバランスのよい関係ですね。2人でブランドを運営していくにあたり、衝突などはないのでしょうか。
Yui:これまではないですね。
ブランドを立ち上げるにあたり、絶対に揺るがない五箇条を決めているんです。まず感謝を口に出すこと、子供の頃に感じたワクワクを大切にすること、何事も2人が納得したものであること、利益に捉われず良いものを良い価格で提供すること、煮詰まったときこそ家族の時間を大切にすること。
特にひとつ目は、姉妹だからこそ怠りやすい部分と思っていて。でも、得意分野がそれぞれ違うので、補い合っている関係性だからこそ、お互いに感謝しながら歩み寄ることができているんだと思います。
写真=定期的にインスタライブで商品紹介を行なっている。
ーー1年半ほどブランドと併走してきて見えた「Jeane Kathleen」の強みとはなんでしょう?
Riho:ひとつは、仕入れから撮影や編集、SNS・HP運営、そしてお客様に発送するまでの作業を全て行い、細部までこだわっていることです。それによって2人の伝えたい世界観を一貫して表現できる。また、真心もお届けできると考えています。
ふたつ目は商品のクオリティです。製品数が少量ではあるものの、その分質にこだわった選定やオリジナル商品の生産ができていることが、わたしたちの強みだと思います。
代行者の方を通さず直接、卸や工場を見つけているので、一つ一つしっかりと「Jeane Kathleen」として提供できる商品なのかを判断しています。
多少、原価が高くなる部分はありますが、そこにこだわりすぎず質を優先するというのは当初から決めていて。正直なところ、実際手に取ってみたはいいものの、商品化に至らなかったものもたくさんあったんです。
写真=検品や梱包も2人で行っている。スタジオを借りての撮影の様子。
■12月はポップアップ。次は店舗オープンが目標
ーー人脈や経験がないなかで、ブランドのファンになってもらうのはなかなか大変だったのではないかと思います。
Yui:正直、スタートしたばかりの頃は売上がゼロの月もあり、本当に辛いと思うことの方が多かったです。2人で何度も何度も改善案を話し合いました。SNS発信をしたり、PR活動を行なったり、他店を調査したり。休みが2日ほどしかない月もよくあり、常に作業をしていないと怖いという気持ちが強かったです。
そして少しずつ、自分たちの友人・知人が購入してくれ、Instagramのプロモーションから「Jeane Kathleen」を知り、ファンになってくださった方がいらっしゃいました。本当に嬉しいです。
オリジナル商品はテレビドラマの衣装としても使っていただいて、メディア露出を強化することで、徐々に新しいお客様が増えていきました。
2021年の7月に1周年のポップアップを開催した際は、予想を上回る多くのご来店と、ブランドのファンと言ってくださる方がいらっしゃったことで、頑張ってきて本当によかったと思いました。
写真=2021年7月に開催された、中目黒の貸テナントでのポップアップ。
ーー12月のポップアップは、どのようなものでしょうか?
Yui:今回は、2つの場所でポップアップをする予定です。1つは12月10日から開催される「目黒街角クリスマス」で、もう1つは12月23日から3日間、東急プラザ表参道原宿4階のエスカレーター前をお借りしてポップアップを実施します。
「目黒街角クリスマス」は、海外のような街並みとシーズンの雰囲気が、わたしたちのブランドコンセプトとマッチするのではと感じていたため、出店が決まったのは嬉しかったです。
東急プラザ様では、初の商業施設でのポップアップとなるので、今まで出会えなかった方々にも「Jeane Kathleen」を見ていただけるよい機会にしたいと考えています。
ーーInstagramでプロモーションをかけたり、ポップアップを開催したりと露出する場所も自分たちで作っているんですね。今後、ブランドとしてはどういった成長を考えているのでしょうか。
Riho:コロナが終息したら、韓国以外の国にも赴いて仕入れをし、商品のラインナップを充実させていきたいです。ファッションに限らず、インテリア雑貨やヘルシーフードなども取扱い、衣食住それぞれの面から、「ワクワク」したライフスタイルを提案することも視野に入れています。
Yui:今後はオリジナル商品をより多く展開するのも目標です。やはり2人でやっているブランドなので、大量に生産するというよりも質は落とさず、お客様に喜んでいただけるものを届けていきたいです。また店舗を持って、よりお客様に寄り添ったブランドになることも大きな夢です。
【ポップアップ開催概要】
目黒街角クリスマス
期間:2021年12月10日(金) ~ 12月12日(日)
開催場所:〒141-0031 東京都品川区西五反田3-1-2
https://meguromachikado-christmas.com
東急プラザ表参道原宿
期間:2021年12月23日(木) ~ 12月25日(土)
開催場所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-30-3
https://omohara.tokyu-plaza.com
【ブランド概要】
Jeane Kathleen(ジーンキャスリーン)
2020年7月に、20代姉妹によってオープンしたECブランド。Made in Koreaの洋服・ジュエリー・雑貨を展開しております。
公式サイト: https://jeanekathleen.stores.jp
公式Instagram: https://www.instagram.com/jeanekathleen_official/?hl=ja
【会社概要】
株式会社アネッツ
ファッション事業部所在地:神奈川県横浜市西区平沼1-21-17
電話番号:080-2070-6419
メールアドレス:info@jeanekathleen.com
代表者名:菱沼邦彦
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