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ストーリーの著者は、読者でもあります

誰もがUXを考える、そんな時代の到来を目指して

著者: ネットイヤーグループ株式会社


UXデザイナーとして、もっとスキルを高めたい。その想いで、ネットイヤーグループに転職してきた小山美加。人間中心設計(HCD)スペシャリストを経て、2022年3月に人間中心設計専門家の資格を取得しました。「資格取得を目指したことで、UXデザイナーとしてのキャリアの棚卸ができ、自分に足りないスキルも見えてきた」と実感する小山。ところが、「いずれはUXデザイナーという職種自体が必要のないものとなってほしい」と語ります。その真意はどこにあるのでしょうか。

ディレクターとして自信を失いかけたときに出合った、HCDという概念



HCDスペシャリストを取得したのは、前職のWEB制作会社に勤務していたときです。取得を決心したのは、医療従事者のためのサイトを担当したことがきっかけ。人の命に関わるWEBサイトを設計しているのに、自分の経験則や感覚だけで画面の配置や使いやすさを判断していいのだろうか。そんな疑問を抱きました。


医療もそうだし、個人の人生の選択や意思決定に関わるものなど、世の中には重要なデジタルサービスが数多く存在します。これまでの経験則を元に、提供側の目線や都合に偏ってつくってしまってよいのか。これがユーザーにとって価値あるものと私は言い切れるのか。そんな不安が生じたときに、HCDという概念に出合い、これは私が身につけるべきことだと感じました。


HCDについては、専門書やセミナーなどで自分なりに勉強したのですが、周囲に相談できる人もいないし、きちんと学べているのかもわかりません。そこで、UXの登竜門的存在だった産業技術大学院大学の『人間中心デザイン』というコースに通い、UXデザインを体系的に学ぶことにしました。


さらに、理解の深さや確かな実践力という専門性を証明するためには、資格を目指すことが近道ではないか。そう思い、経験や実践を問うHCDスペシャリストの取得に向けて、自分のプロジェクト経験を棚卸しし、不足していたスキルの経験が積めるよう、業務ではさまざまな提案をし、積極的に活動しました。

ネットイヤーグループ入社後、自然と積み上がるUXデザイナーの経験



さまざまな職種のメンバーがHCD・UXを学べば、会社が提供しているサービスの質を高められる。そう考え、HCDスペシャリスト取得後は、社内勉強会やセミナーを開催しました。

とはいえ、前職の会社では、プロジェクト開始時点で体験設計のフェーズがすでに終わっていたり、簡易的にしか実施できなかったりと、やれることに限界も。もっと上流工程から携わりたい、その想いが強くなって転職を決めました。


転職先にネットイヤーグループを選んだのは、UXならばここだと思ったから。採用面接では、「上流工程から、ユーザーにフィットする意味のあるモノをつくりたい」と思いを伝え、UXデザイナーとして入社しました。


入社後、UXデザイナーの草分けみたいな大先輩につけたことは、すごくよかったなと思います。いろいろ教えていただいたのですが、最も印象に残っているのは、ユーザーの潜在的な欲求や不満に、いかに気づけるかという洞察力です。言語化できない感覚的な部分を捉えて、それを解決するのがUXデザイナーなんですよね。


ネットイヤーグループにいると、UXデザイナーとして本当に幅広い活動ができる。さまざまなプロジェクトを担当して経験を積んでいく中で、今ならばHCDスペシャリストより上位のHCD専門家の資格も取得できるかもしれないと思い始めました。


HCD専門家取得に向けて、唯一足りない経験がUXデザインを他者に教えることでした。そんな時、クライアント企業から「UXを学ぶための社員研修を開催してほしい」という依頼が来たんです。タイミングがよかったと同時に、UXデザインの必要性が世の中で高まっていることも実感しました。

資格取得に向けて、背中を押してくれたのはUXデザイナーの同僚


より上位となるHCD専門家資格の取得を意識したのは、UXデザイナーの同僚に刺激を受けたことも大きかったです。ランチのときに、何気なくHCDスペシャリストの話をしたら、「自分にとって足りない経験がわかるね、私たちも取得したい」と言われて。彼女たちがHCDスペシャリストにチャレンジするなら、私も次の資格を狙わなくてはと、背中を押されたような気持ちです。


HCD専門家の資格を取得したのは、2022年3月。取得したことで何か変化があったわけではないのですが、前より自信を持って提案やプロジェクトを進められるようになりました。HCDを知るクライアント企業も多く、専門家の資格を持つことで、プロフェッショナルとしてさらに信頼度が高まったのでは。



UXデザイナー仲間の二人も無事にHCDスペシャリストを取得。そこで今度は、社内でも取得者を増やしたいと、社長の佐々木に提案し、UX人材の育成・活躍を目的とした資格取得のための社内制度を始めることにしました。


ネットイヤーグループは創業からUXを実践し、知見を蓄積しています。その知識を外部の認定制度と紐づけることで市場価値を高め、クライアントや社会に還元していきたい。そう考えています。

職種を問わないUX視点の必要性。いずれは誰もが持つべきものに



HCDの概念を知ったことで、普段生活していても、いろんな施策や商品の背景・裏側を考えるようになりました。施策の狙いや背景を推察し、なるほどそういうことかと気づくことがたくさんあります。


今後は、WEBサイトやアプリケーションに限らず、さまざまな分野に挑戦してみたいです。ユーザーと協働的にものづくりを行うワークショップデザインを学んだことから、街づくりや災害復興支援など、困っている人たちに寄り添い社会の課題を解決するソーシャル・ファシリテーションにも興味を持っています。


UXデザイナーになることが目標で、HCD専門家の資格まで取得しましたが、いずれは世の中でUXデザイナーという職種が必要なくなることが、私の希望です。


UX視点の必要性は職種を問いません。デジタルの世界に限らず、リアルでも、モノをつくる人みんながユーザーを基点に考えることができれば、UXデザイナーのようにUXを啓蒙、リードする役割は減っていくと思います。もしかして、UXデザイナーがいることで、「UXはそっちに任せればいい、自分には関係ない」と思ってしまう人がいるのかも。そうではなく、みんながユーザー視点とビジネス視点を合わせて考えられると、いいですよね。


UXデザイナーという職種がなくても、誰もが自然にUXを考えられる時代、それが理想です。




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