全国にわずか15人!「茶師十段」吉永氏が監修する新感覚のほうじ茶 ~「土山一晩ほうじ」への挑戦~
9月1日より発売を開始する、新感覚の香りが味わえるほうじ茶ブランド「土山一晩ほうじ(つちやまひとばんほうじ)」は、「花のような華やかな香り×香ばしい焙煎香」が特徴。これを実現させるのに大きな力となったのが、日本でわずか15人しか存在しない「茶師十段」の資格を持つ、マルヨシ近江茶(滋賀県甲賀市土山町)代表・吉永健治氏の存在です。
吉永氏は、120年続く茶匠の7代目として生まれ、幼い頃から茶匠の道に進むことを意識していました。高校1年時に茶匠の道へ進むことを決意し、その後、日本茶業界の最高位「茶師十段」を取得。あえて緑茶ではなくほうじ茶で勝負することに舵を切り、産地一体となって取り組む「土山一晩ほうじ」の監修に挑戦します。
そもそも“ほうじ茶”とは?
ほうじ茶とは「お茶を焙煎したもの」です。緑茶と比べてほうじ茶はカフェイン含有量が少なく、体を温める効果があると言われているので、女性や冷え性の方へおすすめです。もともと緑茶、紅茶、ウーロン茶は同じ茶葉で、茶葉を刈り取ってから萎凋(いちょう)*という工程をすることで種類が異なってきます。更にそれを焙煎したものをほうじ茶と言います。
香りの決め手は「萎凋(いちょう)」*
萎凋とは、お茶の葉を刈り取ってから萎らせる(発酵を促す)行為です。最近のお茶業界では萎凋をしない新鮮でフレッシュな香りの新茶が好まれる傾向にありますが、40~50年前はまだ機械化が進んでいなかったため、1日かけて刈り取った茶葉を土間に並べて、翌日に製造する方法でした。その間に自然と萎凋が進んだと言われています。
それを現代で再現する場合は、刈り取った茶葉をあえて寝かせることによって萎凋を促します。そうすることで、茶葉から花やフルーツのような華やかな香りが出ます。その香りを活かしてお茶を製造することで、華やかな香りのお茶に仕上がります。
熟練の技が必要とされる「土山一晩ほうじ」
「土山一晩ほうじ」は、萎凋をすることで「華やかな香り+ほうじ茶の香ばしい香り」が楽しめる、新しいタイプの味わいに仕上がっています。
お茶の香りはとても繊細なためほうじ茶の焙煎は難しく、焙煎方法によって味わいは大きく変わります。加熱をしすぎるとすぐに香りが壊れてしまうので、華やかな香りを壊さないようにシビアな温度管理と熟練の技が必要とされる、とても手間のかかる作業です。
また、茶葉は天候によって毎年出来が変わるため、毎回お茶の焙煎方法などを決める点が難しいですね。毎年1年生の気持ちで挑んでいます。
土山町の個人農家が生み出すユニークな茶葉の味わい
滋賀県甲賀市土山町の茶葉は、ほうじ茶にとても向いています。一般的な茶葉を焙煎するとあっさりとした味わいになりがちですが、土山町の茶葉は焙煎に負けない深い味わいがあります。山間にある産地のため寒暖差が激しく、茶葉の成長速度が遅いのでしっかりとした味わいになります。
また土山町は、個人農家さんが多く約100軒程の農家さんがいますが、これだけ個人農家さんが多い茶産地は全国でも稀です。今は全国的に大規模農業が盛んで、機械化による製造が主流となっていますが、ここでは個人農家さんが栽培する多様な種類の茶葉をブレンドして作るため、味わいに深みが出て面白い味わいのお茶ができます。大量消費・大量生産は難しいですが、他にはない特徴だと思いますね。
「茶師十段」オススメ!ほうじ茶の飲み方
「土山一晩ほうじ」のおすすめの飲み方は「水出し」です!お茶を水に入れて、冷蔵庫で3時間入れておくだけでOKです。水出しは渋みが少なくまろやかな味わいになるので、幅広い方に楽しんでいただけます。例えば小さなお子さんであっても飲みやすいです。
茶匠七代目として、吉永氏の決意
私は1902年に創業し120年続く茶匠「マルヨシ近江茶」の七代目ですが、幼い頃からお茶は日常的なものでした。家の前にお茶屋がある環境で中学まで育ったのですが、お茶がある環境自体が遊び場の一つで、小学校から帰るといつもそこで遊んだり、勉強したりしていましたね。
私は次男ですが、お茶が好きで小学校時代から漠然と茶匠を継ぐことを意識していました。兄は「もっと別の仕事をしたい」と言っており、私が高校1年生の時に茶匠を継ぐ事を決意しました。
日本茶業界の最高位!「茶師十段」とは?
全国の製茶問屋や若手茶師などが出場してお茶の審査力を競う「全国茶審査技術競技大会」が年1回開催されます。茶業者のお茶の審査技術・鑑別能力を高めることを目的として1956年から毎年開催され、競技は①品種当て、②茶期当て、③産地当て、④飲用、による産地当ての4項目です。
得点に応じて初段から十段までの段位が授与され、8割以上を5年間で取得することが出来れば「茶師十段」を得ることが出来ます。六段からは年1段しか上がらないので、最短でも取得までに5年かかりますね。「茶師十段」は、今全国15名(滋賀県では私1人)です。
茶葉は、全国各地で栽培していますが、産地や気温によって成長速度が異なり、同品種でも違ってきます。全国の茶葉について、日々勉強しています。
挫折から、ほうじ茶へ舵を切ったきっかけ
もともとマルヨシ近江茶では緑茶とほうじ茶の両方を販売していたのですが、ほうじ茶に特化をしたのは約7年前です。私が茶業界に正式に入ったのが約20年前ですが、きっかけは約10年前に香港・シンガポール・アメリカなどの展示会へ行ったことですね。
当時は緑茶を売りに行こうとしてたのですが、現地で緑茶の評価は散々でした。緑茶の「渋み、旨味」が分かってもらえず、大半の感想は「しょっぱい、苦い、まずい」という評価でした。一緒に持って行ったほうじ茶の方が評判が良く、新たな視点でお茶を見つめるきっかけとなりました。
海外への挑戦は振り出しに戻ったのですが、「日本人の嗜好も変化しているのでは?」ということを初めて意識し、じっくりとお茶と向き合う時間を持ちました。近年お茶を急須で淹れる機会が減ってきて、急須で入れたお茶の渋みや旨味を好む人が少なくなっていることに気づき、「香りを楽しむほうじ茶が好まれるのでは?」と考え、ほうじ茶に特化しました。
ほうじ茶の可能性
食生活やライフスタイルの変化を考えると、ご飯・みそ汁・焼き魚などの和食には緑茶の方が合うと感じますが、ハンバーグ・ラーメン・餃子などの和食以外には、ほうじ茶の方が合うと感じます。
また当社では普段お茶に触れる機会が少ない人でもお茶を楽しむきっかけを作りたくて、ほうじ茶のスイーツなどを販売するカフェを創設しました。スイーツの反応はとても良く、幅広い方に来て頂いています。カフェで喫茶をした後にお茶を買っていってくれる方が多い事にも驚いています。また通販では30代以下の若い方の検索も増えてきていますね。
再び“海外”へ挑戦!
いま海外へも再度挑戦中で、輸出も少しずつ開始しています。コロナの影響で現地へ行かなくてもオンライン商談が可能になり、逆にやり易くなりました。今は香港やドバイの輸出が多いです。製菓用の茶葉やパウダーなどが人気です。また台湾・シンガポールの輸出も増えています。アメリカは、これからチャレンジしたいですね。
「土山一晩ほうじ」へ込めた想い
まずは地元で作ったお茶を地元の方に飲んで欲しいです。滋賀県のお茶生産量は全国で1%、また消費量も1%と言われているので、滋賀県の全員が地元のお茶を飲めば、滋賀県で全て消費できるんです。なので、まずはぜひ滋賀県の人に飲んで頂いて地産地消を目指したいです。特に小さい子たちにも、お茶を飲んで欲しいですね。
また「土山一晩ほうじ」が地域の特産品となって、それをきっかけに土山町に訪れてくれる人が増えると嬉しいですね。ここには東京ドーム約16個分の広大な茶畑「頓宮大茶園」や、温泉、キャンプ場などもあるので、ぜひ土山町を訪れて、この自然豊かな町の魅力も味わってもらいたいです。
【土山一晩ほうじブランドムービー】
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ