コロナ後のモビリティ業界はどうなる?スマートドライブのCEOが描く未来
2020年前期、新型コロナの感染拡大により、短期間で企業は多くの経済的な影響を受けました。それはもちろん、モビリティ業界も同じです。
CASEやMaaSによる100年に一度の大変革の時代が到来したと、注目を集めているモビリティ業界。革新的なテクノロジーやサービスの誕生が期待されていましたが、新型コロナによってどのような影響を受け、どのような変革を余儀なくされたのでしょうか。そんな中、「大局的な視点ではポジティブに捉えるべきだ」と話すのは、スマートドライブでCEOを務める北川烈です。モビリティ業界において新たな価値を創出するために奮闘しているスマートドライブの北川は、どのような思いでコロナと向き合い、未来を見据えているのでしょうか?
コロナがモビリティ業界とスマートドライブに与えた影響
―新型コロナ前後で、モビリティ業界は大きく変わったと思いますか?
…どちらもありますね。
直近でも業界の多様な方たちと会話を重ねてきましたが、自動運転などの中長期的な話は現在、ほとんどペンディングになっています。自粛が解除されながらもコロナとともに生きていかねばならないwithコロナ時代になって、まずは足元をしっかり固めようと、将来に向けたR&D(Research&Development、研究調査)が急激に低下しました。しかし、だからと言って新たな事業への投資をゼロにするというわけではなく、むしろ変わらないといけないという危機感を強く持っている会社も多い印象で、経済が落ち着いてきたタイミングで本来投資すべき領域には投資が戻ると感じています。短期的に見れば大なり小なり変化はありますが、長期的かつ方向性という意味では大きな変化はないと思います。
つまり、業界全体としては、CASEやMaaS、未来に向けた話は一旦足元が落ち着くまでペンディングにはなっているものの、根底から何かが変わってしまったわけではなく、今は目の前にある課題に対して着実に取り組んでいるイメージです。
―短期的には、「実利を求める」傾向になっている?
そうですね。ただ、これはスマートドライブにとっては追い風かもしれません。スマートドライブが提供する最たる価値は“Connected”です。CASEの中でも実用化が進むフェーズが早い要素ですので、実利に関してはそれほど大きな影響を受けることはないと思います。ただ、先述したようにR&Dについては各企業とも動きが鈍化していますし、足が長いビジネスはストップしている状態です。
―話が少し戻りますが、「大きな変化がない」というのは、コロナによる影響はあるものの、スマートドライブが求められていることには変化がないということでしょうか。
その通りです。まず大前提として、中期的な視点に立つと、人やモノの移動総量自体が大きく変わるということはないと考えています。直近では大きなインパクトがありましたが、業界が進む方向はガラリと変わることはないでしょう。スマートドライブとしては、コロナの影響で取り組むべきことがより明確になり、提供できる価値をより高めていこうと考えるようになりました。
コネクテッドの領域でも、中長期的な話が基本的にペンディングになる可能性がありますし、実際にプロジェクトの進行は遅くなっています。そんな状況下において、「私たちはお客様のどのような課題を解決すべきか」、つまり、お客様の足元にある課題解決がより重要になっていくと改めて感じているのです。
私たちが提供するサービスは“効率化”と”新しい移動を生み出す”の二つを軸に提供していますが、効率化に関しては、自粛によってそもそも移動をしない人が増えているので、強制的に変わらなくてはならないでしょう。スマートドライブとしては、目指すべき方向性は大きく変わらないですが、そういった足元の変化には俊敏に対応していきたいと思います。
コロナという逆風を追い風に変えよう
―創業したてのスタートアップ経営者からすると、いきなりコロナ禍に直面し、不安な思いを抱いていると思います。そういった方々に向けて、スタートアップの先輩として何かアドバイスをいただけますか?
今回のコロナ禍の影響は少なくないですが、一部の観光系、飲食系のスタートアップなど濃淡はあれど、経済全体がみんな一様にダメージを受けており、大変なのはみんな同じです。また、創業期のスタートアップはもともと売上が少ないので、コロナ前からしっかり資金調達していた会社にとっては会社の存続そのものを脅かすものではないでしょうし、より自社の付加価値について考え、プロダクトをソリッドにするチャンスと捉えられるかもしれません。ですから、一部の経営者から悲観的な話が聞こえてきても、そこに影響されず、コツコツと自分たちが取り組むべきことに集中し、積み上げていくことが大切だと感じます。とにかく、不安になりすぎないことです。むしろ、ある程度の規模感になっている会社は生き残るために色々と変化すべきだと考えています。
―コロナに伴う数々の変化に対し、各社ともネガティブに作用するところはあるにせよ「大局的にはポジティブに捉えてほしい」とのことですが、スマートドライブとしてはこの状況下でどのように変化すべきだと考えていますか?
今はポジティブなニュースが皆無に近い状況ですから、お客様に合わせていく以外の道はないと考えていますし、私たちができることを突き詰めて、お客様のビジネスをともに成長させていきたいと思っています。
コロナがきっかけとなり、社内でもたくさんのことを見直していますが、多くは平時の際にやりきれなかったことばかりだったと気がつきました。しっかり変化できれば、会社としてはむしろ良いキッカケになったと言えるようになると信じています。
繰り返しにはなりますが、、短期的には大きな影響はあるけれども、中長期的には方向性は変わってないということです。コロナは特定の人に対するネガティブインパクトではないので、変化に合せて私たちも変わっていかねばなりません。そして、それが今後、企業の強さになってくるのではないでしょうか。コロナによる影響や変化は多くありましたが、社会的課題は変わらずそこにある。私たちは、そうした課題を解決するためにサービスを創出し、より良い社会、環境づくりに貢献していきたいと考えています。
―なるほど。そんな中、スマートドライブではMobility Transformationのミートアップを開催するとのことですが、業種・業界を跨いだコラボレーションの重要性は今後さらに増していくと思いますか?
そう思います。企業もそうですが、事業そのものも時代の流れや人々の価値観に合わせて変わっていかなければ成長していくことができません。現時点においても、短期間でさまざまなモノやコト、サービスが創出され、新たな価値観が芽生え続けていますよね。コロナも含め、先の見えない時代に生きる私たちにとって、一社のみで何かを完結させることはより難しくなっています。ですから、昨年のカンファレンスでもお伝えしたように、今後ますます共創が重要になっていくと考え、スマートドライブではそれが実現できる場を作っているのです。
―それが今回のミートアップイベントを開催する理由ですね。ミートアップで生まれたコラボが、時代を明るい色へと塗り替えてくれることを期待しています!
ありがとうございます。共創の機会をつくるため、参加いただく方同士がつながりを持てる場にしたいと考えています。とはいえ、まだまだ新型コロナの状況は先行きが読めず、不透明な状況が続いています。ですので第一回目のミートアップはオンラインにて実施し、まずは私と直接、双方向にディスカッションできる場として開催することに致しました。様々な疑問や質問、アイデアを私にぶつけていただければと思っております。事前に質問も募集しておりますので、お気軽に、様々な業種業界の方にご参加いただけましたら幸いです。
ここでいただいたご意見も参考にさせていただきながら、今後のミートアップのあり方についても検討していきたいと考えています。
【第1回ミートアップ開催情報】
日時 :7月29日 11:00~12:00
形式 :オンライン
参加申込フォーム:https://www.mobility-transformation.com/workshops/meetup-kitagawa
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