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ストーリーの著者は、読者でもあります

環境に配慮したホテル運営と「おもてなし」は両立できるのか?「とまってこたべてこ」に込めたミナシア社員の想い。ホテルでecoなアクションをすると植樹活動に繋がる「ミライの木」とは・・・

著者: 株式会社ミナシア

https://www.hotelwing.co.jp/eco/


1990年にホテルウィング1号店をオープンして以来、約30年にわたりホテル&レストラン事業を展開している株式会社ミナシア(旧:株式会社フォーブス)。

ホテル事業やレストラン事業を通じて、持続可能な社会の実現に貢献するためにESGやSDGsの考え方を意識しながら3つのテーマ【環境に配慮したホテル運営】【地域連携強化】【未来を担う子どもをサポート】を軸に継続的な取り組みを行っている。

今回は、【環境に配慮したホテル運営】について実際に行っている取り組みを深掘り。2023年2月からは、お客様のecoアクションが植樹活動に繋がる「ミライの木」プロジェクトもスタートした。


▶折り返し地点に近づき意識も高まるSDGs達成の取り組み

2015年に国連総会で採択され、2030年までに達成すべき目標が定められたSDGs。当社でも「環境に配慮したホテル運営」を意識するようになり、まずアイディアが形となったのはレストラン部門だった。


出張先や旅先の楽しみのひとつとされている「朝食ビュッフェ」。いつもの朝食よりも多くの品数が並び、好きなものを好きなだけ食べることができるためお客様に好評をいただく朝食ビュッフェだが、見た目の美しさやお客様の見た目の満足感を考えると過剰な品数、ボリュームとなり、お客様満足とは相反して、食べ残しや調理くずなど生ごみの問題があった。少しでも廃棄ロスを減らすために喫食数に応じて小ポーションでご提供したり、または定食スタイルに変更して提供したりするなどお客様にご理解いただきながら工夫を凝らしていたが、生ごみがゼロになることはない。



そこで考えられたのが、生ごみリサイクル「大型コンポストバッグ」の導入だ。ローカルフードサイクリング株式会社が開発した「LFCコンポスト」を活用し、ホテルで出た生ごみを堆肥化させ、その堆肥で美味しい野菜を作ってまた朝食で提供する生ごみ循環の仕組みをNPO法人循環生活研究所サポートのもと導入した。この取り組みは博多・熊本のホテルで試験導入したあと、全国各地のホテルウィング・テンザホテルに広がっている。

(プレスリリース)https://minacia.jp/2021/05/20/info20210520/



また、朝食ビュッフェで提供するメニューにもひと工夫施すホテルもある。

JR札幌駅からタクシーで10分弱の場所に位置する「テンザホテル&スカイスパ・札幌セントラル」では、味は美味しいのに不格好というだけで廃棄されてしまう野菜を活用したフードロス削減メニューを開発し、2021年6月より朝食ビュッフェのメニューに入れている。季節により使用する食材は変わるが、農家や生産者と連携し、今まで人参・たまねぎ・トマト・黒千石大豆など数々のフードロス削減メニューが誕生した。この取り組みは、農林水産省主催の「食かけるプライズ2021」にて特別賞を受賞し、今後もお客様に提供し続けるため、色々な食材でメニュー開発に取り組む。

(プレスリリース)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000080121.html


人参とオレンジのパネクレーマ


黒千石大豆のパネクレーマ



「プラ新法」によってホテルが求められた対応と高まるeco意識

2022年4月に施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(略称「プラスチック資源循環法」、通称「プラ新法」)。これまで施行されてきた「容器包装リサイクル法」や「家電リサイクル法」とは異なり、使用されたプラスチック製品がどのようにして再活用(リサイクル)されるかに重点が置かれ、事業者がプラスチック資源の採用から設計、製造、使用後の再利用または廃棄方法まで、すべてのプロセスに責任をもつことが強調されている。

ホテル事業者は新法施行にあたり「特定プラスチック使用製品の使用の合理化」が求められ、今まで当たり前のように客室に備えられていた歯ブラシ・カミソリ・ヘアブラシ(くし)・シャワー用キャップなどの脱プラ素材への変更や、取扱い廃止といった対応が必要となった。

ホテルウィング・テンザホテルでは、アメニティを客室設置からアメニティバイキングとしてお客様に必要なものだけお取りいただくスタイルに変更し、使用量削減に努めるほか、プラスチックごみの大半をしめる歯ブラシからバイオマス素材に切り替え、その他のアイテムも順次、バイオマス等環境に配慮した素材に切り替えていく。

また、プラスチック製品の見直しを進める中では、客室のカードキーを今までのプラスチック製から木製の環境配慮型カードキーへの変更や、ミネラルウォーターをペットボトルからアルミ缶への変更も順次行った。 


ホテルウィングはエリアや立地によってビジネス、とりわけ工事関係に従事する方の長期連泊者が多いホテルが多数ある。そこで、連泊時の清掃を「毎日清掃」から「エコ清掃」(3泊ごとの通常清掃)に変更し、CO2や水・電力などの削減を目指すことも始めている。この方法をスタートするにあたっては、環境配慮とおもてなしの狭間でさまざまな意見が飛び交い、何度も議論が繰り返されたが、eco意識の高まりから2022年2月より順次変更している。

(プレスリリース)https://minacia.jp/2022/01/31/info20220131/




ミナシアのエコアクションを表す「とまってこたべてこ」

社員のeco意識の高まりや新法によって、さまざまな取り組みが本部や各店から生まれてくる。これをミナシアとしてわかりやすく発信するには名称やロゴマークを決めて視覚的にも統一した発信が必要と考えた。

そこでこれらを社内公募し、「とまってこたべてこ」が誕生した。



ホテルに「泊まること」もレストランで「食べること」も、地球にやさしく(=エコ)という想いを込め、また言葉の響きには「泊まっていこう、食べていこう」という、お客様の行動を後押しする意味合いも込められている。全国展開するホテルチェーンとして、お客様とともに地球環境保全へのさらなる貢献を目指し、「せっかく泊まるならホテルウィング(テンザホテル)」「せっかく食べるならホテルウィング(テンザホテル)で」と選んでいただけるホテルチェーンを目指したい。



ホテルでecoなアクションをすると植樹活動に繋がる「ミライの木」とは・・・

環境に配慮したホテル運営では、お客様のご理解とご協力が不可欠となる。

ホテル宿泊時には歯ブラシを持参してアメニティを使用しない、地球環境保全に配慮した「エコ清掃」に協力するなどお客様のecoアクションを無駄にせず、ホテル事業者として何か見える化できないか?と議論を重ねた。

そんな中、ホテルウィングプレミアム東京四谷の近くにあり、以前から地域連携やイベントでお世話になっている「東京おもちゃ美術館」(運営:認定NPO法人 芸術と遊び創造協会)にご紹介いただき、東京・檜原村で林業を営む「東京チェンソーズ」を訪ねた。


木々はただ植えて増やせば良いものではなく、太陽・水・大地の栄養が行き渡るように手入れが必要。間伐をすることで残された木は健康に育ち、良い森が保たれる


ということを学んだ。

未来のために切られた間伐材を使って、地球の未来に繋がるアクションをお客様とともに、楽しみながら取り組んでいきたいと「ミライの木」プロジェクトが2023年2月よりスタートする。


×


お客様の環境配慮の意思を、間伐材で作られた木のスライス(=ミライの木コイン)で提示していただき、全国40店舗のホテルウィング・テンザホテルでたくさんのミライの木コインを集める。そしてコイン枚数をお金に換算し、森林再生と地域振興の同時実現をめざす認定NPO法人 環境リレーションズ研究所の「Present Tree」という仕組みを利用して全国各地に植樹活動をすることが決まった。


認定NPO法人 環境リレーションズ研究所 鈴木敦子理事長


国土の約7割が森林に覆われている日本。森には、綺麗な水を作り、美しい環境と生きものたちを守り、土砂災害から人々の生活を守るという大切な役割があると話す鈴木敦子理事長。また、「Present Tree」によって、たくさんの人たちの興味と足が森に戻る、集まる仕組みを考え、全国に拡がる放置された森や、災害に遭った森、ゴルフ場や牧場が破綻した跡地など、樹を植える必要のある場所に、自分や大切な人のために樹を植えて、その土地の関係人口が増えていくと森だけでなく地域丸ごと元気になると語る。その想いは、環境に配慮したホテル運営だけでなく地域連携強化にも力を入れる当社の想いとマッチした。



当社としては、ミライの木コインを集めて植樹活動をするだけに留まらず、ホテル事業者として関係先の協力を得て「Present Tree」の現地を訪問する里親様向けイベントの企画から関わることや、全国各地のお酒や郷土料理を提供するレストラン事業も展開しているので、「Present Tree」の森がある地域の活性化に繋がるようなことも知恵を絞って考えていきたい。

ホテルを利用されるお客様のecoアクションから「Present Tree」に参加させていただくことで、色々な事業展開の可能性も秘めていると感じている。



「SOCIALPORT(ソーシャルポート)」という宿泊施設特化のトラベルインフルエンサー・プラットフォームの調査によると、約8割の人がSDGsに関心があると言っており、今度の宿選びに関しても、「SDGsに取り組んでいるホテルを優先的に選ぶ」と回答した人が24.3%、さらには「取り組みの内容次第で決める」が49.5%と、今度SDGsを意識して滞在先を検討する旅行者が全体の約74%を占める結果となっている。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000082061.html


また、日本国内だけでなく、環境配慮の領域で日本より進んでいる欧米豪圏のインバウンド旅行者にも選ばれるホテルになるためには、ホテルチェーンとして「サスティナビリティ」に配慮した取り組みの発信も重要となってくる。


これからもさまざまな取り組みを続け、継続すること、および正しく伝え続けることによって企業ブランドおよびサービスブランドの認知向上、ブランド構築による企業価値向上に努める。


お客様に選んでいただけるホテルチェーンになるよう挑戦はつづく。









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