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今日が、残りの人生の最初の1日。

創業220年で新たな試み。ミツカンがキッザニア東京に「ぽん酢工房」を出展。若い世代とのタッチポイント創出にかける担当者の想いとは。

著者: 株式会社Mizkan Holdings

株式会社Mizkan CRM本部 CRM推進部 CRM推進課 入口敬太

※写真撮影時のみ、パビリオン内でマスクを外しております。


今年、創業220年目という節目を迎えるミツカン。1804年の創業以来、お寿司や鍋料理など、常に新たな食の提案を続けてきたミツカンが、2023年3月9日、キッザニア東京に「ぽん酢工房」パビリオンをオープンしました。


ミツカンでは、2021年7月より、生活者起点のマーケティングの推進、強化にむけCRM本部を創設し、生活者の方とのタッチポイントの創出に取り組んできました。その取り組みの1つが、キッザニア東京へのパビリオン出展です。本取り組みを通じて、ミツカンが生活者へ提供していきたい価値とは何か、本プロジェクトの担当者の想いに迫ります。


■商品を通じてではなく、生活者と直接的接点を持ちたい

―これまでミツカンは、酢やぽん酢といった“商品“を中心に、お客様とつながってきました。しかし同時に、現状のままでは生活者と持続的かつ双方向の関係を築き上げることが難しいのではないか、という課題認識を持っていました。そんな中、「エデュテインメント(楽しみながら学ぶ)」をコンセプトとし、「こども達の生きる力を育む」という理念を掲げるKCJ GROUP株式会社(以下KCJ GROUP)と、10年先の未来への約束として「未来ビジョン宣言」を掲げるミツカンの両社の想いが共鳴。「ぽん酢工房」パビリオン出展に至りました。


入口:

CRM本部という組織は、2021年7月に新設された部署です。主な役割としては、リアル・デジタルの両方から生活者との直接的接点を創り、持続的な関係を構築していくこと、そして生活者とつながりを持ちながらミツカンの企業ファンを増やしていき、中長期的な期間での売上向上に貢献していくことです。私はCRM本部が新設されたと同時に異動になりましたが、いざこれらの役割を考えた時に2つのことを思いました。


1つ目は、ミツカンが所有している体験型博物館MIZKAN MUSEUM(ミツカンミュージアム)やSNSなどの生活者との直接的接点が少ないということ。これについては、実は自分がCRM本部に異動する前から思っていたことで、他企業に比べてもかなり少ないなと思っていました。特に、ミツカン商品はご年配の方にご愛用いただいていることが多く、これから先ミツカンの商品だけでなく、ミツカンという企業も含めて、長く愛し続けてもらうためには、これからの未来を担う若年層やこども達との直接的接点の創出が急務だと思いました。


2つ目は、味ぽん®等の商品をご愛用いただいているファンの方は多くいらっしゃいますが、ミツカンの企業ファンはまだまだ少ないということ。ミツカンはこれまで主に商品やメニューの提案を通じて生活者とのコミュニケーションを図ってきたということもあり、商品と企業が結びつかないということもしばしばあります。そのため、商品を入口にしてミツカンの人となりや想いを感じていただけるような直接的接点を創り、ミツカンファンを増やしていかないといけない。ミツカン“だから”買いたいと思っていただけるようなコミュニケーションをとっていかなければ、競合他社品やプライベートブランドへの流入は免れない、将来ミツカンの存続は難しいという危機感をいただいていたのが正直なところでした。



―若年層とのあらゆる直接的接点の模索。そんな時キッザニアとの出会いがありました。




入口:

話を聞いたときは、正直驚きましたね。今までのミツカンにとって、あまりにも新しい挑戦だったので(笑)。もちろん、今回のパビリオン出展には、上位のところで両社の想いが共鳴したというのが大前提にあります。ただあえて担当レベルで言うと、こども達がいきいきと、しかも真剣に職業体験をしている様子を自身の肌で感じたというのが非常に大きかったと思っています。というのも、視察に伺った際、キッザニアが掲げている「エデュテインメント(楽しみながら学ぶ)」というコンセプトを、施設内のこども達が実現している姿を見て、びっくりしたんですよね。また、「こども時代のキッザニアでの職業体験がきっかけとなり、実際にその企業へ入社した方もいる」というエピソードも伺って、ミツカンが長く愛されるために、若い世代のファミリー、そしてこども達にミツカンファンを増やしていくためには、キッザニアでの「体験」の創出が一番の最適解だと感じました。

■若い世代への調理体験の機会やコミュニケーションのきっかけの創出

―「未来ビジョン宣言」の1つである「人と社会と地球の健康」。これは、人々の健康はもちろんのこと、社会や地球の健康にまで広げて考えていくことを、ミツカンがビジョンとして掲げたものです。その中でも“社会“の健康を考えた時に、こども達の「食」への興味関心を高めることは必要不可欠であると、ミツカンは考えます。幼少期からの生活習慣病や孤食の増加など、こども達をとりまく「食」の環境は多様化する中、ミツカンにはモノづくりを通して、こどもの生きる力を育み、未来を担うこども達に「食」を通して貢献したいという強い想いがありました。



入口:

パビリオン出展が正式に決まった後は、どうしたらこども達の未来に「食」を通して貢献できるか、どのような体験内容であればこども達が楽しく学んでくれるのかをひたすら真剣に考えていました。とはいえ、自分1人で考えていても限界はあるので、お子さんのいる同僚にヒアリングしたり、一番身近な妻に聞いたり、そしてやはりこども達を相手にするプロであるキッザニアのスタッフの皆さんには本当に沢山のアドバイスをいただきました。個人的な話にはなりますが、私は2歳の娘のパパでもあるため、こどもへの食育にもとても熱がこもります。自分の娘が実際にパビリオンを体験する時のことを想像して、”超”自分事化してパビリオン開発に携わった次第です。



―そんな担当者の想いの詰まった「ぽん酢工房」パビリオン。ここでは大きく分けて2つの体験ができます。


入口:

1つ目は「味付けぽん酢」のモノづくり体験。こども達は1から自身で味付けぽん酢をつくる一連の工程を体験できます。ただ体験するだけではなく、「学ぶ」という要素も非常に重要なポイントです。具体的には、味付けぽん酢が何から出来ているのか、であったり、味付けぽん酢の原料の1つであるお酢が発酵食品であることを学んだりします。また、こども達には手触り感を感じてもらうため、実際の工場ではオートメイションで行う工程も、あえて手作業にすることで体験のメリハリつけているという点もこだわったポイントです。ここには書ききれない学びのポイントが沢山ありますので、是非より多くのこども達に体験していただければ幸いです!


(C)KidZania

味付けぽん酢の原料を自身でカップに入れながら計量し、ブレンドしていく工程


入口:

2つ目は、自宅に帰ってからの調理体験です。パビリオンでの体験を1日だけの楽しかった思い出として終わらせないように、“後体験“にもこだわりました。「ミツカンを好きになってもらう」という大きなミッションを成し遂げるには、一時的な接点を持つだけでは到底難しいと理解しています。そこで、パビリオンの成果物として、メニューカード付きの味付けぽん酢と合わせて、特設サイトを制作しました。この特設サイトには、メニューカードから遷移ができ、こども達でも楽しく簡単に作れるおすすめぽん酢メニューを掲載しているので、ご家族や友達と楽しく調理体験を行っていただくことができます。パビリオンでの体験を、パビリオンの中だけで終わらせるのではなく、ご家庭へ継続させることで、こども達に「食」や「調理」について興味を深めてもらえると良いなと考えています。


(C)KidZania

メニューカード付きの成果物



楽しく簡単に作れるおすすめぽん酢メニュー。特設サイトに掲載(一部)


■お客様にとってより身近な存在に、言わば“友だち関係”

―若い世代の生活者と直接接点を持てる施設として、新たな一歩を踏み出した「ぽん酢工房」。このパビリオンをきっかけに、CRM本部が目指す未来とは。


入口:

まずは「ぽん酢工房」が、こども達が「食」や「調理」に興味を持つ、きっかけになってくれればと考えています。今回の出展にあたり、ミツカンのTwitter上で自社調査を行ったのですが、こども達の「好き嫌い・偏食」「野菜嫌い」に悩んでいる親御様が多いように見受けられました。そんな親御様に、パビリオンでの体験を通じて、食の大切や調理の面白さを知り、「こどもの好き嫌いや偏食が減った!」「ぽん酢をかけたら苦手だった野菜や豆も美味しく食べることができた!」といった声をいただけるような、こども達の「食」への意識変容につなげられると大変嬉しく思います。今回キッザニアへ出展させていただき、自社だけでは出せないシナジー効果まで出せるのではないかと期待しています。今後も、キッザニアとともに、リアル・デジタルの両面でこども達に貢献していければ幸いです。


またその他にも、デジタル上での異業種コラボや他社コラボというものをしていきたいです。今まで自身の担当領域では、リアル接点中心の協業取り組みが多かったのですが、WEBサイト・アプリ・ゲーム・メタバース等、生活者とのデジタル上の直接的接点も無数にあると感じており、同時に可能性も感じています。一人でも多くの方にミツカンファンになっていただけるよう、これからも新しいタッチポイント創出に挑戦していきたいです。




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KCJ GROUP圓谷社長とミツカンCRM本部 林本部長の対談記事はこちら

https://www.mizkan.co.jp/action/relationship-with-consumer/dialogue/

 

キッザニア東京「ぽん酢工房」のオープンリリースはこちら

https://www.mizkan.co.jp/company/news/detail/230309-60.html



■ミツカングループについて





ミツカングループは、1804年の創業以来、 219年にわたって、お寿司や鍋料理など、常に新たな食の提案を続けてまいりました。2004年にグループビジョンスローガン「やがて、いのちに変わるもの。」を掲げ、2018年には10年先の未来への約束として「ミツカン未来ビジョン宣言」 を策定しました。そのビジョンである「人と社会と地球の健康」「新しいおいしさで変えていく社会」の実現に向け、「おいしさと健康の一致」を目標にお客様に新しい食の価値を提供することに取り組んでおります。

https://www.mizkanholdings.com/ja/




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