薬剤師の専門的視点で感染対策を推進、医療感染対策分野でリードするモレーンコーポレーションに新設された「学術グループ」のミッションとは
(写真左)技術・開発本部 学術グループ 薬剤師 村田朱(むらた・あや)
(写真右)技術・開発本部 薬事業務グループ 薬剤師 田畑友脩(たばた・ゆうすけ)
モレーンコーポレーション(以下、モレーン)は1993年の設立以来、医療関連感染の予防に関わる製品の製造、輸入販売、コンサルティングを実施してきました。
当時の日本では感染予防・対策の重要性に対する認識も不十分でしたが、2020年に世界中を襲った新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響により、今では優先度の高い事項として「感染対策」は世の中に浸透しています。
こうした背景を受け、モレーンが2021年4月に取り組んだのが、専門的知識をもった薬剤師のメンバーで編成される「学術グループ」の新設です。現在4名体制の学術グループは、社内外に対する情報発信の強化を目的に、学術的なプロセスを業務の土台に据えることをミッションに動いています。
今回は具体的な活動内容をご紹介するため、2021年4月に入社した田畑と、同年8月入社の村田の2人にインタビューをしました。
病院勤務からモレーンへ。転職の理由とは?
△社内向けに実施した勉強会の様子(講師:田畑)
──田畑さんと村田さん、以前は2人とも薬剤師として病院勤務でした。どういった動機からモレーンに入社したのでしょうか?
田畑:私は病院で2年ほど働く中で、「将来的にもっとステップアップできる環境がほかにないだろうか?」と考えるようになりました。当時はうまく言葉にできなかったのですが、今思うと心の底からワクワクできる何かを探していたのだと思います。
村田:私も病院で4年間、薬剤師として勤務していました。実際に働いてみると、学生時代にはわからなかった現場の忙しさが見え始め、患者だけでなく医療従事者も含めたみんなを守れる取り組みができないかと考えるようになったんです。
──その時に出会ったのがモレーンだったわけですね。
田畑:民間企業であれば挑戦の機会も多いのではと考えていました。薬剤師としての知識や経験を活かすために医療関連の会社を探していた時にモレーンを知りました。今でこそ感染対策という言葉を日常会話でも聞きますが、モレーンは30年近く前からこの分野で走ってきた企業です。その先見の明に惹かれたところが入社動機として大きいですね。
村田:転職活動の際は「医療従事者に貢献できること」をキーワードに、色々な企業を調べていました。モレーンに興味を持ったのは、2021年に新設されるという「学術グループ」の存在でした。薬剤師の知識を活かしつつ、自発的に新しいことに取り組める環境を探していた私にとって理想的な環境だと感じました。
△社内外に向けてオンラインの研修なども実施している(講師:村田)
──新設された「学術グループ」には入社後すぐに配属されました。実際に働いてみた率直な感想はいかがでしょうか?
村田:入社前は「患者だけでなく医療従事者も守れる仕事」を軸に仕事を探していました。それがモレーンの学術グループで働くようになり、私たちの役割は「働く人たちの家族」まで守ることなのだと気づきました。
特にコロナ禍では、届いた医療用物資を「ただ使えばいい」と考える方も一定数いたため、これを課題と捉えて解決することが重要でした。十分な感染対策をするためには「正しい使い方」も併せて理解する必要がある。こうした考えを世の中に浸透させることが、今の私のモチベーションになっています。
田畑:もう1つ、これは学術としての視点からは外れますが、消毒剤などの物販も行っているモレーンにとっては、薬事の関係からも薬剤師の存在は重要です。社内の事情で消毒剤を販売できないとあっては大問題なので、そういった観点からも薬剤師が複数名在籍していることの意味を感じています。
△モレーンショップでは消毒剤などの販売も行っている
「週1更新」海外文献やガイドラインの内容を共有する
──改めて、学術グループの主な仕事内容について教えてください。
田畑:医療に関する知識レベルを会社全体で引き上げるための設置された部署、というのがまず前提にあります。それを踏まえて日々情報発信をしています。定期的に実施しているのが営業部のメンバーに向けた社内研修で、週1回のペースで実施しています。
村田:私も入社して最初の1年は、社内向けの情報発信が中心でした。営業活動の後押しをするような資料作成や、日本と海外の製品に関する規格基準の比較表などを作成することは多かったですね。ロジスティックグループからの問い合わせで、消毒関連の成分を聞かれたこともありました。最近は社外向けの発信も意識していて、ホームページやSNSの活用も取り入れています。
田畑:社外への発信では、外部講師として手指衛生の講座を開いたこともありました。今までの研修はコロナ禍ということもあってほとんどオンラインだったため、今後は実地での研修も積極的に行いたいです。ただ、薬剤師としての知識を存分に活かせると感じるのは、アカデミックな視点で海外の文献やガイドラインを読み解き、社内メールで配信するといった情報発信です。
モレーンは海外からの輸入製品を多く扱っていますし、海外のサプライヤーから情報を得ることもあります。しかもただ翻訳すればいいわけでもなく、日本と海外で異なる基準と照らし合わせながら読み解く必要があるわけです。「学術グループ」が設置される以前は、情報共有の方法が統一されておらず、社内の一部の人間だけが知っている、という状況もあったと聞いています。ナレッジを蓄積し、アクセスしやすい環境を作ることも私たちの役割です。
専門的な相談も、モレーン「学術グループ」にすべてお任せ
──学術グループの設置からまもなく2年が経ちます。社内のメンバーやお客様からの反応に変化は見られますか?
田畑:正直、学術グループの存在はまだお客様に十分に知られていない、というのが実際のところです。さらに取り組みの量を増やし、何か知りたいことがあれば学術にお問合せをしようと思ってもらえる状態をまずは目指します。
村田:私もお客様から直接感想をもらったことはなく、営業メンバーを通して間接的に聞くことが多いですね。ただ感想の中身は「学術にお願いをすれば求めていた文献の情報をすぐに出してくれる。対応が早い」など嬉しいものばかり。質を保ったまま発信に力を入れていけば、「知りたいことがあればモレーンの学術へ」という認知を広げていけるのではと考えています。
──最後に、今後の展望もぜひ教えてください。
田畑:モレーンは全国に支社があります。地方メンバーとの関わりをさらに増やし、社内の知見がもっと集約される体制を築いていきたいですね。社外に対しては、デンタル領域での発信を強化できないか検討中です。デンタル領域の感染対策はモレーンとしても力を入れているため、ぜひそこでの貢献度を高めていければと思っています。
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村田:遠慮なく何でも質問してもらえる学術グループでありたいですね。社内のメンバーからも「ここまで聞いちゃっていいのかな?」と遠慮されることがありますが、本当は色々と相談してくれたほうが個人的には嬉しいんです。コミュニケーション上の壁がどこかに残っているのであれば、人当たりの部分なども含めて、できることをもっとやっていきたい。どんなに専門的な相談であっても、「学術に相談すれば大丈夫!」と思ってもらえるようにこれからも頑張っていきたいと思います。
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