マテリアルリサイクル・システムを採用し、SDGsに配慮した制服へリニューアル。都ホテル 京都八条の若手が挑戦した裏側。
都ホテル 京都八条は2023年1月より、本館6~10階計398室の客室全面リニューアルを行っています。8月のグランドリニューアルを前に、4月の一部フロア先行オープンに合わせて、スタッフの制服をリニューアルしました。
伝統を守りながらも、時代の変化に対応できるホテルを目指してきた、都ホテル 京都八条。そんな同ホテルらしく、リニューアルにあたっては、様々なこだわりが詰め込まれています。
若手スタッフを中心とした「制服リニューアル委員会」を立ち上げるなど、様々な挑戦があった本取組みの裏側について、今回のストーリーではお伝えします。
伝統を守りながらも、時代の変化に対応できるホテルを目指して。
都ホテル 京都八条は、京都駅八条口に面する全988室の大型ホテルです。大小8つの宴会場/4つのレストランとバー、ラウンジがあり、1975年3月25日に新・都ホテルとして開業しました。2019年4月には名称を「新・都ホテル」から「都ホテル 京都八条」に変更し、幾多の賓客をお迎えしてきた都ホテルの伝統と品位を継承しながらも、時代のニーズに対応できる都市型フルサービスホテルとして、ブランドリニューアルいたしました。
当ホテルは開業50周年も目前に控え、「伝統を受け継ぎ、その先へ」というスローガンの元、伝統を守りながらも、時代の変化に対応できるホテルであるべく、新しいことにもチャレンジしています。
例えば、ホテルの空間から伝統を伝えるだけではなく、ホテル周辺地域の魅力を知ってもらう「みやこさんぽ」。京都をよく知るローカルガイドが、ホテルから半径約1キロ圏内の観光地をご案内し、その知られざる魅力を紹介しています。
少人数制の散策ツアーということもあり、地元ならではの話が聞けたり、気になることはその場ですぐ質問できるなど高い満足度の声が寄せられました。また、この取組みは「オーバーツーリズム」の解消を目指した取組みとなっています。
観光地の経済に好影響を与えつつも、有名観光地に許容範囲を超えた多過ぎるお客さまが集まってしまうことで、交通渋滞・ゴミ・人混みの問題など悩ましい問題が発生している「オーバーツーリズム」は、京都観光の課題です。
自宅から1~2時間の移動距離を観光する、近距離旅行のスタイルである「マイクロツーリズム」にも注目が集まっていた中、『みやこさんぽ』は、オーバーツーリズム解消にも期待が寄せられているこの「マイクロツーリズム」の拠点を、自宅から旅先のホテルに置き換えて実践しました。
また、取組みの重要性が増すSDGsに関しても、達成に向けて実践してきました。その1つ「#たべるめぐるホテル」は、2021年より京都府立農芸高校と共同で進めてきた“食のSDGsプロジェクト”の一環です。
都ホテル 京都八条では、お食事を楽しみにお越しいただくお客様を第一に、質や品数にこだわった料理を提供しています。しかし、おもてなしの姿勢に相反するように、フードロス問題は日々大きくなる一方でした。
そこで、ホテルスタッフの意識向上のためにも、実際にホテルで出た野菜くずの一部をリサイクルし、栄養豊富な堆肥に変えることで、小規模でも持続可能な食の循環を目指せる「コンポスト」の導入を決心。京都府立農芸高校の協力のもと、学校授業に取り入れながら、ホテルに適した堆肥の研究と容器となるコンポスター作りをスタートさせ、2022年8月ホテルにてコンポストの運用を開始しました。現在は、その堆肥を使った土でハーブやエディブルフラワーを栽培し、定期的にレストランで提供することで、小規模ながらも持続可能な循環型社会の実現を目指しています。
2023年1月、客室の全面改装へ着手。新しいホテルへ
2023年1月、同年8月の完了を見越した本館6~10階計398室の客室全面改装(リニューアル)に着手しました。デザインコンセプトは「京都文化の玄関口でオトナ時間を。」と設定。日本の伝統色、襲色目(かさねいろめ)をイメージした配色を採用し、京都駅前の大型ホテルでありながらも、喧騒の中で心和ませ、整い、くつろげる空間を目指しています。
改装にあたっては、これまでのお客様からの声を広く反映しています。ご要望の多かった「セーフティーボックス」をリニューアルフロア全室に設置。滞在時間を充実させるwifi環境の強化やソニー50型4Kテレビの採用など快適性を向上させました。
また、3名利用も可能なツインルームをはじめ、洗い場付きバスルームを備えたデラックスツインルーム、ご家族やグループ旅行に最適な最大6名が宿泊可能なデラックスファミリールームなど、様々なニーズに対応できるタイプの異なる客室も拡充しました。
制服リニューアルにおいても、ホテル全体のリニューアルデザインコンセプト「京都文化の玄関口」に合わせ、京都や和をイメージしたデザインを採用。デザインだけでなく、動きやすさや着心地など実用性も重視しています。
また、SDGsにも配慮したマテリアルリサイクル・システムも新たに導入しました。SDGsに関する取り組みにも積極的に挑戦してきた本ホテルらしさが表れています。
若手の現場スタッフを中心に挑戦。約1年を経て、ついにリリース。
以前の制服は「ホテルらしさ」にこだわったオーソドックスなものを採用していましたが、特に夏場など機能性の面で改善が必要でした。また、より「京都らしさ」を求められる昨今において、固定概念にとらわれない新しいデザインが求められました。
そこで、実際に制服を着用する現場スタッフを中心とした『制服リニューアル委員会』が発足。「固定概念にとらわれない」ことを重視していたため、若手のスタッフが多く選抜されました。
まずアンケートを取ったところ、機能性の向上はもちろんのこと、スタッフからも「京都らしさ」や「和の要素」を取り入れたいとの声が多くでてきました。そんな現場の意見をメーカーのデザイナーに伝え、実際に提出されたイラストからデザインの方向性を決定。
何度も打ち合わせを重ね、具体的なデザインに仕上げていきました。
しかし、デザインの好みは千差万別。各現場においても相反する意見や要望が多くありました。多くの意見を完璧に取り入れることはできないので、自らの意思を尊重してほしいと総支配人からも話がありましたが、特に「固定概念にとらわれない」ということはとても難しく、委員会メンバーには苦労がありました。また、当初要望していた内容でサンプルができると、不便な点も見つかるなど、モノづくりの大変さを実感しながらも、なんとか1年かけて完成しました。
新しい制服の特徴
1. デザインと素材
ホテル全体のリニューアルデザインコンセプト「京都⽂化の⽞関⼝」に合わせ、京都や和をイメージしたデザインを採⽤しています。また、デザインはもちろんのこと、動きやすさや着⼼地など実⽤性も重視しています。
2. “働きやすさ”も重視
季節に応じた⾝だしなみで幅広い業務に対応するため、各レストランおよびゲストサービス、ハウスキーピングでは、季節によって異なる⽣地と⾊の制服を制作しました。いずれも通気性が良く、軽く、伸びの良い素材を使⽤し、働きやすさを重視しています。
3. SDGsにも配慮したマテリアルリサイクル・システムの導⼊
これまでは再⽣が難しく、捨てるしかなかった廃棄予定の制服を回収し、各種素材として還元し、再び新しい製品を作ることができる取り組みです。再⽣後は、産業⽤素材(⾃動⾞内装材・住宅⽤防⾳材・断然材等)や寝装⽤素材、インテリア資材、カーペットなどに⽣まれ変わります。
都ホテル 京都八条のこれから「伝統を受け継ぎ、その先へ」
コロナ禍を経て、京都はふたたび多くのお客様をお迎えしています。
伝統を守るということは、単に同じことを続けるのではなく、時代や環境、お客様の二ーズに合わせて形を変えることで、その信念を守ることができると考えています。
SDGsへの取り組みはその中でも最も重要な事柄の1つだと認識し、これからも「持続可能な世界」を実現するため、また、地域と共に成長してきた当ホテルだからこその強みをいかした取り組みも続けてまいります。
この地で約50年。
多くの新しいホテルが開業する中でも、「幾多の賓客をお迎えしてきた都ホテルの伝統と品位を継承しながらも、時代のニーズに対応できる都市型フルサービスホテル」として、都ホテル 京都八条はこれからも愛されるホテルであり続けます。
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