就活における「ありのまま」と向き合い続けた、私たちの答え。
新卒の学生が、それぞれ選んだ場所で輝いて働くためには、企業と学生の価値観の一致が欠かせません。
しかし、数十分しかない数回の面接でそれを見極めるのは至難の技です。
そんな思いから、私たちていねい通販は母集団をたくさん増やすのではなく、学生一人ひとりとの時間を大切にする、学生と採用担当がお互いに本音で対話する採用活動「まんま採用」を行っています。
「まんま採用」の取り組みを振り返りながら、就活における「ありのまま」について、採用担当の榎本と藤本による対話をお届けします。
◾️プロフィール
榎本妃世里
2017年、株式会社生活総合サービスに新卒で入社。同年7月から新卒採用担当を務め、主に採用活動に従事しながら、お客様向けイベントやプロジェクト等で活動。加えて2022年よりPR業務も担当。
藤本康太
2018年、株式会社生活総合サービスに新卒で入社。同年7月からカスタマーサービスで管理者を務め、翌年3月より総務部に異動。同時期から新卒採用に携わり、現在は採用責任者を務める。
「学生中心」の選考プロセス
藤本康太
藤本:私たちが取り組む「まんま採用」を通じて、採用における「ありのまま」について、考えたいと思います。まずは、榎本さんから「まんま採用」について紹介をお願いします。
榎本:「まんま採用」は2024年度採用から始まった、就活生一人ひとりに合わせたオーダーメイド型の採用活動です。合否を決める本選考に至るまでに、「取扱説明書」と称したエントリーシートの記入とお互いの人となりを知るために90分の面談を実施するのが特徴です。
藤本:「取扱説明書」は「まんま採用」を象徴する取り組みの一つですよね。
特に、大学時代のエピソードだけでなく、生まれてからのエピソードを書く「私の目次」という項目は価値観の一致を大切にするていねい通販らしい項目です。
榎本:エントリーシートでは一般的に「大学生時代に頑張ったこと」を問うことが多いですよね。ただ、中には大学生よりも高校生、中学生、小学生で頑張った学生もいるはず。生まれてからのエピソードを書いてもらうことで、大学時代の話だけでは伝わらない「自分らしさ」を書けるようにしています。
藤本:90分の面談では、相手の価値観を知るためにどれだけ相手が自己開示できるかを大事にしていますよね。そのために、私もできるだけ腹を割ってなんでも話すようにしています。例えば、趣味の話や過去の失敗談など、採用とは関係ない話もしています。榎本さんはどうですか?
榎本:ごく普通に人と仲良くなる過程で交わす会話を意識しています。たとえば「最近の調子はどう?」「今ハマってる曲はある?」みたいな。そうやって話していくと「実は私もこの曲が好きで……」など、学生の自己開示につながりやすくなるんです。むしろ、そういった普段の好き、嫌いを深掘ることでその人の本当の価値観が見えてくる。逆に言えば「学生時代に頑張ったこと」や「志望動機」といった定型的な質問はほとんどしないですね。
榎本妃世里
自己開示がしやすくなるよう、面談前に送るリマインドメールも一工夫しています。一般的にリマインドメールは面談日時など事務連絡のみに留まることが多いと思いますが、私たちは事務連絡に加えて個人的な「追伸」も送っています。例えば、エントリーシートを見て知ったパーソナルな情報をもとに「〇さんは△県出身なんですね。私も△県が好きで……」など一歩踏み込んだ内容を追記しています。地道ではありますが、少しでも私たちの人となりを伝えられたり、学生の緊張を解せたりしたらいいな、と。
藤本:その一工夫だけでも、学生の緊張がやわらいで、面談で話しやすくなりますよね。面接のプロセスの中では今回新たに試みた「脱アウェイ面接」も特徴の一つですよね。
榎本:相手の希望地で面談を行う、選考終盤を迎える学生への取り組みですね。選考終盤に待ち受ける幹部層との面接は、ただでさえ緊張するもの。その上、オフィスに来る、会議室に入る……というステップを踏んでしまえば学生はさらに緊張し、選考序盤で出せた自分らしさにまた蓋をしてしまいます。
「それはもったいない!」ということで、幹部層との面接の前に学生が自分らしさを出せる場所で面接をすることになったんです。実際に、愛媛県在住の学生との面接では飛行機で大阪(ていねい通販の所在地)から愛媛まで行って、地元のカフェで面接をしましたね。
藤本:コールセンターでのやり取りを通してお客さまと仲良くなり、大阪から北海道まで会いに行っていた社員がいるくらいなので、相手が喜ぶ顔を想像して行動する私たちらしい取り組みだと思います。
お客さまのお誕生日当日にお送りしているプレゼント。これも、「相手の喜ぶ顔」を想像して生まれたものの一つ。
始まりは、大量の不採用通知
藤本:ていねい通販では元々は「まんま採用」ではなく、もっと母集団をたくさん集めて、効率を重視した採用をやっていたと聞きました。私が入社した時は、「まんま採用」という名前ではなかったですが、その前身となる採用活動をしていたので意外でした。どういうきっかけで「まんま採用」をすることになったんですか?
榎本:きっかけは前採用責任者の後悔だと聞いています。彼は人事の仕事を、多くの学生へ会社の認知を拡げ、第一志望だと思ってもらうことだと捉えていました。そのため、志望度をあげるような会社アピールや学生をたくさん褒めて会社のことを好きになってもらうようにしていたそうです。
ただ、ていねい通販が採用できる学生数は毎年2、3名。結果、面接の過程で多くの学生に納得のいく理由もないまま大量の不採用通知を送ることになりました。そのとき初めて、自分がしたことの残酷さに気付き後悔したそうです。
そんな中でも、最後に「御社に出会えて本当に良かったです」と伝えてくれる学生もいたんです。その言葉を聞いたときに、これからはもっと学生一人ひとりと向き合う採用がしたい、と強く思ったそうです。そこから母集団を減らし、一人ひとりと向き合う方法を模索しながら辿りついたのが「まんま採用」でした。
就活生に向けて、「ありのまま」で良いことを伝えるムービーも作成。
藤本:そんな背景があったんですね。
榎本:そうなんです。採用手法を改めてから、採用チームが大事にしている言葉に「出会いは一瞬、出会えば一生」というものがあります。だから今の「まんま採用」にとらわれず、選考プロセスにおいて少ししか接点を持てなかった学生とも、出会ったからには一生ものの付き合いができる関係をつくりたいと思っています。多分、採用チームはみんながそう思っているのではないでしょうか。
藤本:そうですね。過去には、選考辞退となった学生がエントリーシートの添削を依頼してくれたことがあったのですが、喜んで引き受けました。「出会ったからには、何か少しでも価値提供ができれば嬉しい」というマインドが浸透していると思います。
「ありのまま」とは「心地よさ」
藤本:「まんま採用」を行うにあたり、学生が自己開示できるよう努めていますが、「今、ありのまま?」と学生に直接聞くことはできません。そのため、「きっと今、この学生はありのままに近いぞ」と推測しながら色々と話すことになりますが、そもそもどういう状態が「ありのまま」なんでしょうか。
榎本:これは永遠の悩みですね。藤本さんは、どう考えているのでしょう。
藤本:私は「対等である」と「カッコつけない」状態だと思っています。合否の権限を持つ採用担当と選考を受ける学生とでは、否応なく上下関係が成り立ってしまいます。ただ私は、その関係を利用してカッコつけることなく、学生とは対等且つ一緒に将来を考えたい。それができたら、「まんま」である状態なのかなと思います。
榎本:立場を超えてフラットな関係ということですね。私は「心地よくあれる」状態だと思いました。
「まんま」といっても、会社での自分と恋人と過ごすときの自分は同じではない。でも、一緒にいるのが誰だとしても「心地よい」と思えたら、それはつくろっていない自分を出せている状態だと思うんです。
私自身、就活時は仮面を被りがちな学生でした。どの企業に対しても「いい子でいよう」「よく思われよう」と自分をつくろっていたのですが、唯一ていねい通販の面接だけは自然と鎧が外されたような感覚がありました。面接が終わった瞬間、素直に「すごく心地よかった」と思えたんです。
その理由は、採用担当から「表面的ではない対話」や「相手を知り続けようとする努力」を感じたからだと思います。今でも鮮明に覚えてるのが、面接中に突然言われた「榎本さんって頑固でしょう」という言葉。いい子を繕っていたはずが、見事に奥底の性格を言い当てられ本当に驚きました。そして学生ながら当時の私も、この言葉が私を頑固だと決めつけるものではなく、まんまの私を知るための確認作業の一つであると感じ取れたんです。
対話からまんまの私を探してくれる。「もしかしたらこういう面もあるんじゃないか」とひたすら問い続けて、向き合い続けて、知り続けようとしてくれる。そんな姿勢から徐々にまんまを引き出され、最後に「心地よかったな」と感じたのだと思います。
「まんま採用」を「すべき」から抜け出すきっかけに
藤本:私たちは「まんま採用」を通じて、世の中の就活生がていねい通販に入社しなくても、ありのままで就活ができたら良いと思っていますよね。
榎本:そうですね。
藤本:じゃあ、ありのままの就活ができた状態ってどんな状態だろうと考えた時、私はまずは新卒3年以内の離職率を下げることだと思いました。
もちろん、今は転職が当たり前の時代であること、ポジティブな理由で転職する人もいることは分かっています。ただ、私の周囲を見渡すとネガティブな理由で転職する人が多い。話を聞いていくと、やっぱり新卒3年以内の転職の大きな理由は「入社後のミスマッチ」。
その原因は様々だと思いますが、その一つに学生がまんまに蓋をしたまま就活を終えたことにあると思っています。そうだとしたら「まんま採用」が、就活における自己開示をやりやすくなることにつながるのではないかと思っているんです。その結果、離職率が下がったら嬉しいなと。
榎本:本当にそうですね。学生にとって「まんま採用」が「今の自分でいても、いい出会いがある」と気付くきっかけになって欲しい。私自身、仮面を取ることでていねい通販とのご縁がありましたし、採用担当になってからもありのままの自分でいい出会いに恵まれた学生をたくさん見てきました。
日本の就活にありがちですが、大学に進んでやっと自分の人生を自由に歩き始めた学生が、就活が始まった途端「面接ではこう言った方がいい」など、「~すべき」に縛られるのが本当にもったいないと思うんです。学生が「自分らしさ」にぴったり合う会社と出会うのが当たり前になって欲しいなと思います。
藤本:「まんま採用」を通して、僕は学生一人ひとりがすでに素晴らしい存在であると、気づけたんです。だから、これからもいろんな人の素晴らしさを引き受け、活かせるようになりたい。
榎本:自分らしく生きるために私たちにできることって「まんま採用」だけじゃないですよね。時代も変わるし、それに応じて学生も変わる。常に学生の方を向きながら、出会う人の自分らしさを活かしていきたいですね。
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