アイデア発想・育成・蓄積を仕組み化した「全員参加型」アイデア創出プラットフォームの誕生秘話。10年の試行錯誤を経て新規事業を立ち上げた社員の奮闘
IDEA GARDEN起案者 横山 弘典
株式会社システムインテグレータは、前職で日本初のERPを企画・開発した現代表取締役会長・梅田と専務取締役/CPO/CIOの碓井が埼玉で創業。1996年に日本初のECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」をリリースして以来、「時間を与えるソフトウェアを創り続ける」をミッションとして、データベース開発ツール「SI Object Browser」やプロジェクト管理ツール「OBPM Neo」など、お客様の業務を効率化する幅広いソフトウェアを開発・提供してきました。
時流にあった事業展開を行いながら、毎年社内で開催している「パッケージアイデアコンテスト」では社員の企画力向上や新規事業開発の促進を図っています。そのなかで社員のアイデアから生まれた最も新しいサービスが、アイデアの発想・育成・蓄積をクラウドサービスとして仕組み化したアイデア創出プラットフォーム「IDEA GARDEN」です。
このストーリーでは、IDEA GARDENを発案し新事業として立ち上げた横山が、企画・開発の経緯を振り返ります。
VUCA時代に「成功するアイデア」を生み出すために
VUCAといわれる、未来の予測が不可能な今の時代において、業界・業種問わず各企業が市場で生き残るために新しい事業や製品・サービスの創出に取り組んでいます。しかし、新規事業の立ち上げには数多くの課題があります。そのひとつが新しい製品・サービスの企画のベースとなるアイデアの発想です。
ノウハウも仕組みもない状態からアイデアを生み出そうとしても、「アイデアの数が集まらない」「出てくるアイデアの質がイマイチ」など、事業化という成果につながらないといった悩みはよく耳にします。また、事業化してもマーケットに合わず失敗に終わるケースも少なくありません。
そこでこうした課題を解決するため、当社がこれまでの新規事業創出で培ってきた知見に基づくアイデアの発想・育成・蓄積の手法を仕組み化したアイデア創出プラットフォーム「IDEA GARDEN」が生まれました。
IDEA GARDENの製品HP
IDEA GARDENは、アイデアのもとになる「ヒント」の登録機能や、アイデアの発想や育成を支援するAI機能、リーンキャンバスの枠組みをベースにアイデアをステージごとに育成していく仕組みなど、だれもが簡単にアイデアを出せるツールとなっています。
また、コメントや「いいね」によるフィードバックや、アイデア創出活動への貢献度を見える化するアイデア貢献ポイントなどによって、0から1の発想が得意な社員、1から10への展開が得意な社員、それぞれが強みを活かしてアイデアの育成に貢献できます。
組織の集合知で個人の限界を超え、「全社参加」のアイデア創出を実現するプラットフォームです。
社長を「ぎゃふん」と言わせる企画をつくりたい
IDEA GARDENはもともと、当社が所属しているMIJSコンソーシアム*のインキュベーションプログラムで企画したアイデアを事業化した製品です。
*メイド・イン・ジャパン・ソフトウェア&サービス・コンソーシアム:2006年に国内の主要なソフトウェアベンダーが集まり結成された団体。「ソフトウェアで日本を強くする」を目的に活動
起案者の横山は新卒で入社して3年目から、当社が例年開催しているパッケージアイデアコンテストに毎年出場してきました。企画のイロハもまったく知らない状態からのスタートでしたが、試行錯誤を重ねながら13回の出場で5回優勝を収めました。しかし、当時の社長からは「黒字化できるイメージがわかない」と、いずれも製品化には至らず非常に悔しい思いをしていたといいます。
そこで、MIJSコンソーシアム主催のインキュベーションプラグラムに参加することを決意。4カ月間で新製品・新サービスのアイデアの事業化を目指して本気で考え抜くこの実践型プログラムで、社長を「ぎゃふん」と言わせるアイデアを構想しようと意気込み、社内のアイデアコンテスト入賞経験者を口説いて4人の“最強”チームを結成しました。
プログラムが始まり、約3カ月で13件以上のアイデアを考えましたが、なかなか企画にまとまるものが生まれずチームメンバーは苦心していました。そんな時に横山は同僚の一人から「ほかにやりたいことができたから退職する」という話を聞き、「なぜ自分の会社で自分のやりたいことができないのだろう?」「やりたいことを実現するためには転職するしか手段はないのだろうか?」と疑問を抱いたといいます。
そこで「やりたいことがある人がやりたいことを実現できる場所を作ろう」とアイデア創出プラットフォームの草案を作成。IDEA GARDENのもととなった「UMIDASS」の企画が生まれました。
プロトタイプとして作成した「UMIDASS」のランディングページ
企画をブラッシュアップして社長のお墨つきを獲得
UMIDASSのコンセプトやイメージを伝えるランディングページを作成した後、新規事業担当者など社外の有識者に対してインタビューを行いました。UMIDASSで解決しようとしている課題とその解決方法に対して素早く多角的なフィードバックをもらい、構想を磨いていくためです。そのなかで、ある方に「20万円なら買いたい」というお言葉をいただき、自信をもって企画を進めることができたといいます。
その後、社長からもフィードバックを受けにいきました。これまで通らなかった企画と同じように、また「お金の匂いがしない」と言われるのではないかと緊張しながらのプレゼンテーション。ランディングページを見た社長の一言目は「この企画はおもしろいね」でした。
ランディングページを見ながら「UMIDASSをどうやって売っていくか」という議論が始まり、社長も企画チームの一員としてアイデアの成長に助力。その後、社長の薦めにより経営会議でプレゼンテーションを実施しました。
ほかの役員からは、「新規事業創出の分野はコンサルティング会社が山ほどいる。そのなかで後発の当社に勝算はあるのか」という懐疑的な意見も出ました。しかし、インタビューに協力くださった方のコメントに加え、当社が創業以来一貫して自社製品を作り続けてきたノウハウがあること、それはプロダクトの強みになるということを粘り強く伝えた結果、半年間の検証期間を勝ち取ることができました。
3カ月でプロトタイプを開発、社内での検証を経てリリースへ
半年間で検証するために、まずは3名のエンジニアチームを作り、3カ月間で実際に動くIDEA GARDENのプロトタイプアプリケーションをアジャイルで開発。非常に限られた時間のなか、チームメンバーの知識や経験を総動員し、過去に携わったプロダクトから流用できる機能や環境は積極的に使う方針でプロジェクトを進行しました。
2週間単位で動く機能を少しずつ作り続け、継続的に改善を重ねました。3人という少人数チームだったため、横山自身も製品の企画だけでなくクラウド環境の設計や環境構築を担当したといいます。
その後、開発したアプリケーションを社内アイデアコンテストの運営に利用できるか検証を実施。結果、IDEA GARDENを使ったほうがアイデアの管理やフィードバックがしやすく、利便性や効率性が向上することが確認できました。検証期間の残り3カ月間で、必要最小限の機能を備えたMVP(Minimum Viable Product:実用最小限の製品)を作成しリリースに至りました。
成長し続けるIDEA GARDEN、GPT-3を1週間で組み込みAI機能リリース
リリースして間もないタイミングで、大手スポーツメーカーのオンラインアイデアソンに採用いただく機会がありました。IDEA GARDENを使うことで「やりたいことに対して前向きなフィードバックや協力し合う関係性が構築できた」「似たアイデアを考えていた人たちが自発的にチームを組むことができた」というご意見をいただき、このユーザーの声はIDEA GARDENが提供する価値の原点となっています。
現在も、アイデアをかんたんに生み出せる仕掛け、アイデアを支える関係性の構築、全員で生み育てる仕組みの3つをIDEA GARDENの大切な提供価値として、1週間単位で継続的に機能追加・改善を行っています。
さらに、昨今大きく注目を集めているOpenAI社のAI技術も積極的に活用してAI機能を追加。横山はGPT-3について知ったとき「人の創造性を加速させる」と確信し、やると決めてから1週間後にIDEA GARDEN初のAI機能「AI発想アシスタント(β)」をリリースしました。
その後も、GPT-3.5およびGPT-4を使って「アイデアを生み出す」ハードルを下げ、アイデア創出を効率化するAI機能を次々と開発。「全員で生み出す文化をつくる」ビジョンの実現に向けて、IDEA GARDENを成長させています。
AI発想アシスタント
AIブレスト
AIアドバイザー
IDEA GARDENの無料サービス
IDEA GARDENでは、1カ月無料で全機能をご利用いただけるトライアルサービスや、アイデア創出ワークショップなどの無料ファシリテーションサービスを提供しています。
アイデア発想のノウハウや仕組み、アイデア創出イベントの企画・運営などについてお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。
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