新しい時代の下着! “つぶさない”バストフラットインナー「Nstyle(エヌスタイル)」の企画開発からこれまでの歩みをたどる
1979年に福井県福井市で創業し、補正下着をはじめとするインナーメーカーとして40年以上の歴史がある株式会社エル・ローズ。当社は創業から現在に至るまで、女性に寄り添うこだわりの商品を企画開発、製造、販売してきました。
⼥性がみんな、⼤きくてきれいなバストをほしがっているわけじゃない。埋もれていたバストの悩みに、わたしたちだからこそできることがきっとある。そんな想いから⽣まれたNstyle(エヌスタイル)。
このストーリーでは、美しくバストアップさせるための補正下着を数多く手掛けてきた私たちが開発する、“つぶさない”バストフラットインナーNstyleについて、企画の経緯や開発のプロセスから今日までの2年間を振り返ります。
自分たちの強みって何だろう?
――どのようなきっかけでNstyleの開発がスタートしたのでしょうか?
コロナ禍で日常が一変し、私たちの事業の内側に目を向けて、自分たちの強みとは何かを改めて考える機会ができたことがきっかけでした。私たちが開発・販売してきた補正下着やインナーを通じて、女性活躍や女性応援に長年取り組んできた経験と実績を活かせる何かを。SDGsの取り組みとして様々なアイデアが上がる中、私たちが耳を傾けたのは、補正下着の販売現場で時折耳にしていた、「バストをコンパクトに、小さく見せたい」というお客さまの声でした。そこで私たちは新しい挑戦として、女性にバストに対する新しい選択肢を提案することを目的に企画を進めることにしました。
「バストを小さく見せたい」という悩みの本質に向き合う
――今までにない商品を形にしていくにあたって大変だったことを教えてください。
最初の壁は、さまざまな理由から「バストを小さく見せたい」というお客様の声の背景に隠されたバストの悩みをひとつひとつ紐解いていく作業でした。
近年、バストを小さく見せる目的の下着は増えてきています。しかし、バストが大きい方だけを対象にした商品であるためサイズ展開が限られていたり、いわゆる“ナベシャツ”や“胸つぶし”という商品は、過度な締めつけで長時間の着用が困難な商品が多かったりと、悩みを抱える方にとっては選択肢が少ないのが現状です。
「バストが大きいわけではないのに、バストを小さく見せたいと思う方はどんな悩みを持っているのだろう?」「どういうシーンで着用したいと感じるのだろう?」次々に浮かんでくる疑問と、バストや下着に対する従来の考え方との間で、身動きが取れなくなっているような感覚でした。振り返ってみると、ブランドの核になる部分を私自身が上手くつかめずにいた時が、ブランドディレクターとして一番苦労しました。
――今のブランドコンセプトにたどり着くのに、何かターニングポイントがあったのではないですか?
実は、私はNstyleのブランドディレクターになる前は、海外事業のチームで海外営業を担当していました。英語講師や外資系企業のサポートを行う会社に勤めていたこともあり、多様なバックグラウンドや価値観を持つ友人と出会う機会に恵まれていたと思います。コロナ禍だったNstyleの開発時は、私自身にとっても、改めてさまざまな価値観と向き合うタイミングとなったのです。
疎遠になっていた友人たちとのコミュニケーションや、国内外からのニュースに触れながら商品開発や市場調査を進めていくうちに、ある気づきがありました。それは、「現在の下着の選択肢には、多様性のグラデーション部分のニーズに応える商品がない」ということ。
ファッションやジェンダーアイデンティティの多様化に対する理解が進みつつある現代でも、「胸は大きく、美しく、形よく見せてこそ」という価値観はいまだに根強く残っていて、私たちは無条件に社会から求められる“女性らしさ”に縛られているのではないか?そう感じ始めたのです。
“らしさ”からの解放
自然体の自分でいられるインナー
周りや社会に求められるあなた“らしさ”ではなく
“自分がいちばん居心地のいい自分”でいられるインナー
開発や販売に関わる女性スタッフみんなで、数えきれないディスカッションを繰り返し、ブランドコンセプトにたどり着いた時には、霧が晴れて青空が見えたような感覚でした。
――「バストフラットインナー」って新しいですよね。
そうなんです。従来の価値観に縛られることなく、さまざまな理由でバストに悩む方々に着用いただけるよう、ジェンダーレスなデザインと着用後のシルエット、幅広いサイズ展開と快適性にこだわり、心と体のどちらにも心地いいデザインを実現する新時代のインナー。そんな想いから、今までにはない新しい下着のカテゴリー、バストフラットインナーと呼ぶことに決定しました。
――ブランド名にもたくさんの想いが込められていると聞きました。ぜひ熱い思いを聞かせてください!
New - 新しい形の提案
Natural - 自然体の自分、ありのままの自分
Neutral - 中性的なボディライン
3つの“N”から、ブランド名をNstyle(エヌスタイル)に決定しました。
ブランド名が決定したあと、ロゴデザインなどの発売準備を進めていく中で、ふと“N”のアルファベットは見る向きを変えたり、反転したりしていても“N”だとわかる文字であることに気がつきました。もちろんそういった文字はアルファベットの中に他にもあるわけですが、この文字を選んだ理由も含めて、変わらない“N”は、自分自身でい続けることとリンクしている気がして、個人的にもとっても気に入っています。
「自分の身体」と「どうありたいか」にギャップがあるすべての方に向けて
――さまざまな理由でバストに悩む方々というと、FTM*など自分の身体と性表現や性自認に違和がある方にも着用いただけるということですか?
そうですね。セクシャルマイノリティの方々の中には、胸を目立たなくし平らな胸に見せることを目的として考案された、いわゆる“ナベシャツ”や“胸つぶし”を使っている方もいらっしゃいます。そういった方にとって、新しい選択肢のひとつとなるようなものを開発することも、この企画の目的のひとつでした。
*FTM 「Female-to-Male」略称で、生物学的に女性として生まれたが、自己の性自認が男性である方を指す用語。
――今までのお客様とはまったく異なるターゲット層ですね。開発において苦労した点はありますか?
どんな工夫や配慮が必要なのかをクリアにしていくことは、Nstyleの商品開発の中で最大の難点でもありました。参考商品として購入したナベシャツを開発メンバーで試着してみたことがあるのですが、正直、私は着用することを諦めてしまいました。。。「こんなに苦しい思いをしてでもバストを小さく見せたいと思う方がいるのか」と、改めて衝撃を受けたのがとても印象に残っています。
商品のファーストサンプルができると、サンプルを開発メンバーで試着し、デザインや素材の改良を繰り返していきます。「もっとこうした方がいいのではないか?」と感じる点はあるものの、なかなか正解を見つけられない日々が続きました。経験豊富な担当デザイナーも頭を抱えていましたね。
「自分の身体と性表現や性自認に違和がある方々の悩みって何だろう?」
特にバストの悩みに対する理解を深めるために、たくさんの情報収集をしました。当事者の方の多くは、家族や親しい友人など、近しい関係にある人ほどカミングアウトすることのハードルを高く感じています。自分に合うと感じる下着の選択肢が限られていることに加えて、周囲にナベシャツのような下着の購入や着用を悟られることで、“意図しないカミングアウト”が発生してしまうことへの不安も感じていることがわかりました。
――下着の開発の域を越えたリサーチが必要な商品だったんですね。
「当事者の方々のバストの悩みは、着用しているときだけとは限らない。」
この気づきは、Nstyleのマーケティング方針を決定づける大きなきっかけとなりました。それは、お客様の心理的安全性を一番に考えること。
商品そのもののデザインはもちろん、商品がお手元に届いた時のことを考え、バスト部分のパネルが見えない畳み方やシンプルな包装材で、商品が下着と分かりにくくするなど、購入そのものへのユーザビリティ向上も目指しました。
モニターさんとの座談会での最大の学びは、自身のアンコンシャス・バイアスへの気づき
――Nstyleはお客様とのコミュニケーションをとても大切にしていると聞きました。具体的な取り組みについても教えてください。
Nstyle発売後は、お客様の声を今後の商品開発やサービスの充実に活かすため、ダイバーシティやジェンダー平等に関するコンテンツを配信するSNSメディアのパレットーク(https://www.instagram.com/palettalk_/)協力のもと、商品モニターの方々とバストの悩みについての座談会を開催しました。
「Nstyleは息苦しさが全くないのにバストもしっかり抑えられる」 「全く苦しくなく、つけていることを忘れるほど快適」などのうれしい感想とともに、バストの悩みについてお話しいただきました。
座談会の様子をマンガにしました
「気分によって、フェミニンな装いがしたい日とボーイッシュな装いがしたい日がある」
「男性になりたいわけではなく、男性に見られたいわけでもないけど、胸があるというだけで女性として“判別”されるのが不快」
学生から社会人まで、10~30代の参加者のみなさんから、バストの悩みはもちろん、性自認や性表現に関する悩みなど、たくさんのお話を聞くことができました。参加者の方々同士でお互いの悩みに対して共感する場面も多く、有意義な座談会となりました。
Nstyleのブランドディレクターとして、日ごろからできるだけ柔軟なマインドでアンテナを張って情報収集することを心掛けています。しかし、実際に参加者の方々の話を聞いてみると、まだまだ自分の中にもアンコンシャス・バイアス(無意識の偏ったモノの見方や思い込み)があることを実感したんです。改めて、今後もお客さまとのコミュニケーションの機会を積極的に作りたいと強く感じました。それと同時に、Nstyleが多様性のグラデーションに応える下着としての役割を果たせていることを目の当たりにし、これからの世代が前向きに生きていくための手助けができる商品として、このブランドを大切に育てていきたいという想いがよりいっそう強くなりました。
透けないカラーを追加販売し大反響。「学割」にも100人以上のご応募
――Nstyleは、“お客様の声を聞くこと”をとても大切にしているんですね。
お客様から「Nstyleに出会えてよかった」というお声をいただく度に、もっとお客様が喜んでくれるものを!!という気持ちが奮い立ちます!
「透けないカラーが欲しい」とのお客様のご要望にお応えして開発したこだわりの新色グレー・モカは、応援購⼊サービス Makuake(マクアケ)での先行販売にて目標応援購入金額を大きく上回る3,851%を記録し、多くの反響をいただきました。
好評を受けて、第2弾のプロジェクトも開催中です。
また、座談会では学生の頃に向けられた周りからの視線や言葉、男性からの性的な視線に無自覚にさらされるストレスが原因の悩みや、自分らしいファッションができないもどかしさも多く聞かれました。
バストが膨らみ始めたばかりの小中学生でも着用できるサイズが欲しいとの声も寄せられていたため、当初からSからLLまでの4サイズ展開で販売を開始していましたが、バスト部分のみをサイズダウンしたXSを加え、現在は5サイズ展開での販売を行っています。
「あの頃の自分に届けてあげたい」「もっと早くNstyleに出会いたかった」というお客様の言葉をきっかけに、“Nstyleの学割”を実施。開始から2か月足らずで100人を超える応募があるなど好評をいただいています。毎日届く学割の応募に、未来を担う学生のみなさんが、胸をはって、前を向いて、明るい毎日を過ごすために、わたしたち“大人ができること”にしっかりと向き合い、これからも取り組みを続けていきたいと感じる毎日です。
Nstyleは社会的な意味を持つ新しい時代の下着
――最後に、今後のNstyleへの想いを聞かせてください。
発売から2年を経て、Nstyleは“新しい下着の選択肢”のひとつとしてはもちろん、販売を通じてジェンダーの多様性やフェミニズムの理解を促進するという意味でも、社会的に大きな意味を持つ商品であるということを確信しました。ブランドを通じて私たち自身も多様な性に関する理解を深めたいという気持ちが強まり、これからの社会をつくる一員としての意識も高まりました。
Nstyleは今後も、従来の女性の身体に対する価値観にとらわれず、より多様化する新しいニーズへのアプローチにチャレンジしてまいります!
【商品/ブランド概要】
ブランド名:Nstyle(エヌスタイル)
販売元:株式会社エル・ローズ
ブランドサイト:https://www.ellerose-onlineshop.com/pages/nstyle
インスタグラム: https://www.instagram.com/nstyle_bustflat/
【この記事に関するお問い合わせ先】
問合先:株式会社エル・ローズ ブランド戦略室
連絡先:brand@elle-rose.co.jp
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